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ぽふむん
2026-04-25 22:30:00
1708文字
Public
ワンドロ
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鬼の手毬唄
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「神隠し」「手毬唄」
しのぶちゃん鬼化if
鬼しのぶちゃんのいた部屋に鞠が転がって来ました。
その鞠の持ち主は怖いもの知らずの幼い鬼で……
同じ鞠鬼ですが、朱紗丸ではありません。
インスピレーション元その一。
鞠と殿様という手毬唄
蜜柑にそういう暗喩があるらしいという説を見まして……
元歌は東海道ですが、あえて場所を変えました。
無礼討ちは実際には事後処理やらなんやらが非常に煩雑で、実際には滅多になかったらしいというツッコミはなしで😝💫
元ネタその二
しのぶちゃんの、触れたものから所有者の情報が脳内に流れるというのは、古の漫画原作ドラマサイコメトラーEIJIです(笑)
てん
……
てん
鞠をつく音がする。
はて
しのぶは小首を傾げた。
鞠つきをするような小さな子どもがこの教団に居ただろうか。
ここにいるのは、大人ばかりだと思って居た。
しのぶが信者に近寄ることはない。
馬鹿が伝染ると、童磨から許されていないからだ。
遠巻きに見ているだけでも、童磨が薄ら馬鹿にし、見下す意味が理解できた。
それほど頭が弱い人々ばかり。
知的、精神的に触りがあるものもいる。
身から出た錆で身を持ち崩し、ここに流れ着いた者もいる。
皆愚かな大人ばかり。
そう思っていたら、金糸銀糸で彩られた鞠がしのぶの膝元に転がってきた。
「鞠まてまて~」
一人の童女がとてとてと駆けつけてきた。
歳の頃は四~五つ。
おかっぱに切りそろえた艶やかな髪。緋色の着物を着た、身なりのいい日本人形を思わせる童女だった。
だが、この子は
鬼だ
同族の匂いがする。
気配がする。
向こうも同じことを感じ取ったようだ。
「くさ〜い。おばちゃん、なんかやな匂いがする」
しのぶから漂う藤の匂いと、同族嫌悪で
童女は鼻をつまんだ。
「返して。それ」
鞠を返してくれと言うから、しのぶはその鞠を拾った。
(おばちゃん
……
ね。そりゃ五つくらいの子から見たら十八なんておばさんでしょうが
……
)
鬼とされ、元のやんちゃな気質が復活したしのぶは童女に思いっきり鞠を投げつけてやろうと思った。
その時、電流のような衝撃が脳を駆け巡る。
鞠を通して伝わってくる、童女の残留思念だ。
本人ですら忘れ去った人間時の記憶。
🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴
これはどこだろう
海岸沿いではないから東海道ではない。
中山道か甲州街道だろうか。
なかなかの大通りだ。
馬やら立派な駕籠という大行軍
話に聞く参勤交代、大名行列と言うやつか。
なかなかの昔のことだ。
そんな時代ということは、この童女は、本来なら老婆じゃないか。
本当なら八十、九十の老婆のはず。
行軍の前にひとつの鞠が転がって行く。
そして、それを取りに行こうとする童女。
この童女だ。
大名行列の前を横切るのは子どもであろうと無礼討ちが許されていたと聞く。
問答無用で童女は斬り伏せられた。
脇に平伏するものたちは「あっ」と声をあげるのみ。
誰も助けることもせず蹲る。
────みんなどうして助けてくれないの
怖いよ、痛いよ、寒い────
童女の、信じられない、意味がわからないという視線。
そして、童女は事切れた。
誰からも助けて貰えず。
───可哀想に
……
君はなぁんにも悪くない。ただおっかさんは産後間もなく伏せっていた。おとっつぁんは産後の肥立ちによく効くという薬を求め街に出ていた。君は大人しく遊んでいた。ただそれだけなのに
……
酷いよねぇ───
童女の通夜に、寺から童女の遺体が忽然と消えた。
線香の煙が絶えないように、寝ずの番がいたというのに。
神隠しと言っていい現象だった
🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴🐴
「大変な目にあったようですが、あなた
……
私より随分歳上におばさん呼ばわりはないのでは?」
しのぶは思いっきり童女の顔めがけ、鞠を投げつけた。
だが、当たることはなかった。
それは童女が突然倒れたから。
「こらこらぁ
……
俺の妻に無礼な口を利くなんて酷いなぁ」
童磨が背後から切り伏せたからだ。
殺す気もなければ、相手も鬼。
童女はじわじわと再生しはじめた
「ふ
……
じの
……
お方?」
幻覚で見たあの目と同じ
信じられないという目で童女はしのぶを見上げた。
「これが
……
救済とは思えません
……
私の優しい毒で逝きなさい。お母さん、お父さんの所に帰りなさい」
童女鬼の目がにこりと笑った
(お父さん、お母さん
……
痛かったよぅ)
「さて
……
一人ぼっちで偽りの生を生きさせるのが貴方の救済とやらですか!」
しのぶは思いっきり童磨の股間を蹴り上げた。
鬼だから効かないけども
「いいと思ったんだけどなぁ」
童磨はちっとも悪びれず笑っているから、しのぶの爆薬庫に着火した。
一方的夫婦喧嘩の開戦だ。
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