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uraneta_365
2026-04-24 02:26:40
5426文字
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芸能ドラマパロ
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HappyBirthday Sakura
サクラちゃん誕生日お祝いに書いたお話
当日に間に合わなくて1日遅れで文庫メーカーで投稿したんですが長くなっちゃったのでこちらでも上げようとして忘れてました😓
芸能ドラマパロです。
ただいつもの撮影の合間とかのお話ではないのでもはやただの現パロ⋯⋯
蛇足
NARUTO単発ドラマは波の国編まで
4月に放送予定
サクラちゃんは12 歳の誕生日の設定
中学入学前の春休み?の出来事
春の心地よい日差しとは裏腹にガラス越しに見える店内は少し薄暗くてサクラは、二の足を踏んだ。
(やっぱり、やめようかなぁ
……
でも!)
諦めて店先から離れると後ろ髪を引かれて再び戻るも前を通るたびに反応する自動ドアから漏れる出るポップなBGMと雑多な電子音やざわざわとした喧騒が更にサクラを萎縮させる。
「何してるんだ?」
「ヒャッ!」
背後から突然からけられて声にサクラは小さく悲鳴を上げる。バクバクとうるさい心臓を抑えるために両手で胸元を抑えながら恐る恐る振り返った。
艶やかな黒髪と鋭い切れ長の瞳に口元を隠す黒マスク。黒のマウンテンパーカーと白のネックシャツにジーンズを合わせたシンプルな服装でも隠し切れないオーラを放っている人物が目に飛び込んできてサクラは、眼を見開いた。
「サ、サスケくん?」
「
……
あぁ」
驚いているサクラにサスケは怪訝そうにしながら返事をし、サクラの背後にある物に目を向ける。
「ゲーセン?」
サスケの言葉に倣うようにサクラは、背後にある先ほどから二の足を踏んでいるゲームセンターに目を向けた。
※※※
サスケがサクラと会ったのは偶然だ。
予定していた時間より早く撮影が終わり、急に時間が出来たサスケは送迎を断り趣味の散歩をしようと街に足を向けた時に視界の端に見慣れた人影を捉えた。目を向けると、黒のレザーキャスケットと黒のオーバーサイズのパーカー。臙脂色のタックが入ったミディ丈のフレアスカートと黒のローファーブールを履いたサクラが同じところを行ったり来たりしていた。ある程度の所まで歩いて、背筋を伸ばして意気揚々と戻るがすぐさま萎れた花のようにしょぼしょぼとまた来た道を戻っていくサクラの奇妙な行動にサスケは、内心首をかしげてサクラへと足を進める。
背後から声をかけると小動物の様な反応をするサクラに罪悪感を抱きながらサクラの背後にあるゲームセンターに目を向けた。
出入り口で話すのは、邪魔になると脇にある自販機までサクラを連れて行く。どう切り出そうかと思案していると、サクラが口をまごつかせてぽつりぽつりと言葉を紡いでいく。
「あの、NARUTOのクランクアップぶりだね。番宣、ほとんどサスケくんとか、ナルトばっかりになちゃってごめんね」
「いや、サクラは撮影終わったらすぐに舞台本番だったんだから仕方ないだろ。撮影中も終わったら稽古行ってただろ」
「
……
知ってたの?」
「なんで、知らないと思ってたんだよ」
「だって、サスケくん。舞台興味ないでしょ」
「
…………
」
事実なので気まずげに目をそらすサスケにサクラは口元に手をあてクスクスと笑う。こうやって普通に会話していると最初の怯えられてた頃が遠い昔に思える。話題を変えるようにサスケは軽く咳ばらいをした。
「それより、ゲーセンの前でなにしてたんだ?」
「あっ
――
えっっと、その、ゲームセンターに入ってみたかったんだけど
……
勇気が出なかったと言いますか
――
」
急にしどろもどろになるサクラにサスケは首を傾げた。
「入ればいいだろ。昼間だったら年齢制限ないんだんだから」
「うっ
……
だって一人で入るの怖いんだもん」
口をすぼめて決まり悪げに呟くサクラの姿はいつもの数倍幼く感じた。
ゲームセンターを怖いと感じたことのないサスケは眉をよせ首をかしげる。そもそも怖いなら入らなければいいではないかと思っているとサクラはそんなサスケの心のうちを読んで話し始めた。
「その、誕生日にはいつもできないことを挑戦しようって決めてて
……
別にゲームセンターじゃなくてもよかったんだけど、この前を通るたびにかわいいぬいぐるみがあって欲しいなって思ってたからせっかくならって
――
」
サクラの話を聞いてるときに聞き流せない単語が耳に入り思わず口から零れ落ちる。
「誕生日?」
「へ? あ、うん。今日、私の誕生日なの」
きょとんとしながら自身を指さして教えてくれるサクラにサスケは内心頭を抱えた。
(今日って28日だったのか
――
‼)
日々の忙しさにかまけて日付感覚を忘れていた己に心の中で舌打ちをし、サスケはサクラの手を掴んで歩き始めた。
「え? あの、サスケくん?」
「一人が怖いなら一緒なら怖くないだろ」
「
――
っうん!」
華やいだ笑顔をみせるサクラにサスケは鼻を鳴らして前に目を向ける。
外の静けさとは打って変わって他雑な音の波がサスケとサクラを出迎えた。ゲームセンター自体頻繁にではないが数度遊びに行ったことがあったのでどこもこんなものかとサスケは店内を見渡す。隣でサクラの気配が緊張で固まっていることを感じる。横目で見ると繋いでいない手を胸元にあてぎゅっと握りしめて白くなっていた。繋いでいる手に力を入れて握るとサクラがぱちぱちと瞬きをしてサスケを見つめ緊張が緩んだかのように溶けるような笑みを浮かべる。その様子にサスケも目元を緩ませた。
サクラは、先ほどぬいぐるみと言っていたからUFOキャッチャーだろうと辺りをつけてそれらが密集する一角に向かう。
昼間でもギラギラと照明。ど派手な色合いの筐体が所狭し、と並ぶ。
サスケはサクラのお目当てのぬいぐるみを前に眉をよせた。
「これが、かわいいのか?」
「え? かわいくないかな?」
きょとんと首をかしげるサクラを尻目にサスケは目の前のガラス張りの向こうに鎮座するぬいぐるみに目を向ける。白を基調とし、ターコイズブルーの縦線が二本入った約80cmぐらいの巨大ナメクジのぬいぐるみ。多少デフォルメして制作されていてもサスケの感性からして可愛いとはいいがたいものだった。在庫があるのか知らないが取りやすいように置かれた個体以外は背後の壁際にぎっしりと詰まってる所を見てあまり頻繁に入れ替えられてないのではサスケは思案したが、サクラはそれをみて「よかった、まだあって」と安堵の言葉を零しにこにこと笑みを零しているので口を噤んだ。
いざ、挑戦しようとするとサクラから待ったがかかる。
「なんだ?」
「なんだ? じゃないよ。私が、欲しんだから私がやるよ! このために動画で予習してきたんだよ‼」
「
……
真面目か。誕生日なんだろ? なら、これはオレからだ」
「一緒にゲームセンター入ってくれただけで十分だよ?」
サスケの袖を握りながらいうサクラにサスケは眼をすぼめて反対の手で軽くデコピンをする。小さく「にゃっ」と漏らし額を抑えるサクラにサスケは「ネコかっ」と楽しげに言い素早く硬貨を筐体に投入した。
「あっ!」
「そのまま見てろ」
三本足のアームが胴体の一番太い所を掴み上に上がる。その様子にサクラは目を輝かせた。次の瞬間、移動の時にぼとっと落ちるのぬいぐるみに分かりやすく落胆するサクラにサスケはマスクの下で笑みをこぼす。この数秒にも満たない時間でよくそこまで表情が変えられるなと感心する。
さて、最初にアームの力を確かめる目的だったがいいポジションに落ちたぬいぐるみにサスケは狙いを定めた。元々この大きさのものは一発で取れるとは思っていない。5ターン以内にとると事を目標にぬいぐるみを持ち上げる。
「ほら」
「わっ! 凄い、あっという間に取っちゃた
……
ありがとう、サスケくん‼」
「ん」
サスケから受け取ったぬいぐるみをぎゅっと抱きしめてお礼を伝えるサクラにサスケは頬が赤くなることを感じ隠すようにマスクの位置を直した。
「ほかに欲しいのないのか? 誕生日プレゼントがそれだけだと、味気ないだろ」
「そんなことないよ! サスケくんが取ってくれたこの子だけで十分うれしいからーーずっと大切にするね」
はにかみながら可愛らしいことを言うサクラにマスクで隠れない部分も熱を感じ気恥ずかしさを感じサクラのキャスケットのつばをおもいっきり引き下げた。
「にゃっ」
「だから、ネコか。ほら、袋貰いに行くぞ」
「わっ、ちょっ、待ってよ。前上手く見れないっ!」
サクラの手を再び繋ぎ、カウンターに向かう。その間に、この顔の熱を冷めてることを祈りながらサクラが転ばない様に気を配った。
※※※
思わぬ、出会いで予期せぬ展開にドキドキしっぱなしだったが充実した誕生日を迎えられてサクラはほくほくしていた。春休みが誕生日のというのもあるが、わざわざ休みの日にまで連絡を取り合う友達もいない為、お祝いされるという経験がなかった。サスケがサクラの事をどう思ってるのか知らないが、サクラにとって初めてできた異性の友達だと思っている。その初めて友達に貰った誕生日プレゼントであるぬいぐるみに目を向ける。袋に入りきらないぬいぐるみの頭部に指を這わせてサクラは自然と笑みを零す。
仕事の電話がかかってきたと少し離れたサスケを待っている間、サクラは改めて店内を見渡した。春休みという事もあってサクラたちと同年代や少し上の世代が各々楽しんでいる。その人たちから隠れるようにサクラは、キャスケットを目深にかぶり視界を遮った。人が大勢いるところは、緊張する。サスケのおかげで多少は髪も眼も好きになれてきたが、奇異の眼で見られるのは慣れない。
心もとなさげに佇んでいると小さな筐体が目に入る。サクラは、待ってるように言われた場所からさほど離れていなこともあり、サクラはそちらに足を向けた。
「おい、まだ欲しい奴あったんじゃねぇか」
動画では簡単そうに取っていたが、やはり実践とは違うものだなと眉をよせていたらいつの間に隣に来ていたサスケが筐体を覗き込むようにサクラの身を寄せる。出そうになる悲鳴を飲み込んでちらりとサスケに視線をおくった。
「ほ、欲しいっていうのもあるけど、経験としてやっぱりやりたいなって」
「UFOキャッチャーなんて金が溶けるだけだぞ」
「いまそれを実感してるわ」
真顔のサスケにサクラは内心激しく同意した。動画とサスケの技巧のせいで錯覚していたが確かにこれはお金が溶ける。それでも、これだけはサクラ自身の手で取りたい。
「どれが欲しいだ。変わる」
「ダメ! これは、私が取りたいの」
「
…………
そうか」
「え? ちょっ
……
おもいおもい、なにっ
――
あっ‼」
サスケは、そのままサクラの方に身を寄せて体重をかける。サクラは、慌てるが丁度アームが動き出したためレバーから手を離せずに足を踏ん張るしかない。限界だという所でサスケは急に身を起しサクラはその反動で操作を誤った。また、失敗したと肩を落とし隣のサスケを恨みがましそうに見つめようとした。
「よかったな。二個も取れたぞ」
「へ?」
サスケの言葉に取り出し口を見るとコロンと薄ピンクと白の猫と紺と黒の猫のキーホルダーが転がっている。
「えっ! 嘘‼ 二つも取れた‼ 嬉しいっ」
嬉しさのあまりサスケの袖をぐいぐいひっぱりながら嬉しさを表現するサクラの好きにさせてサスケはそのまま軽くゆすられていた。
(オレが取った時より喜んでるじゃねぇか?)
サスケが猜疑にかられ複雑な心境になってることなどお構いなしにサクラは、紺と黒の猫のキーホルダーをサスケに差し出す。
「はい! これ、サスケくんに今日のお礼」
「
…………
おかしいだろ」
「あ、これだとお礼にならない、かな?」
みるからに萎れていくサクラにサスケは、待ったをかける。
「早合点するな。お前の誕生日にオレがお礼を貰うのは変な話だろ」
「お礼を渡したい気持ちと私の誕生日は別問題だよ。サスケくんにお祝いしてもらってプレゼントも貰って嬉しかったから
――
あっ! ちゃんとサスケくんのお誕生日にもお返しするからね‼ これは、また別のお礼というか
……
その、この、猫見つけた時に、ね。なんだか、サスケくんに似てるなって思ってそれで絶対欲しいって思ったの」
「
――
サクラ、それわざとか?」
「? なにが?」
「いや、何でもない」
サスケは眉間にをよせ気難しそうな顔するが、親指で皺を揉みいつもの無表情に戻した。
「わかった。貰う、ただしそっちの白いのだ」
「へっ? 白い方でいいの? じゃあ、はい。どうぞ」
「あぁ。ありがとう」
切れ長の鋭い目つきが柔らかく弧を描く。サクラは、今までとは違う種類の悲鳴を心の中で叫んだ。マスクで隠れてこの破壊力ならマスクを外したらサクラは気絶するのではないかと馬鹿な考えが脳裏をよぎる。別の事を考えようと手元の猫に目を向けた。
「なんだが、お揃いみたいだね。私、友達とお揃いとかしたことないから嬉しい」
「友達
……
」
「あっ、ごめん。ただの共演者だっただけなのに友達とか
……
迷惑だよね」
「
……
オレは、ただの共演者に付き合うほど外面が良くない」
その言葉にサクラは自然と口元が弧を描く。サスケはそっぽを向き、鼻をなし「いまは、それでいい」と呟く。その意味を測りかねてサクラは、今日何度目かの首をかしげた。サスケは、深いため息をつきサクラに向き直る。
「
…………
サクラ」
「ん?」
「誕生日おめでとう。まだ、言ってなかった」
「ありがとう‼」
お互いのバッグに、色違いの猫のキーホルダがつけられると知るのは数か月後の話。
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