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影喰い
2026-04-23 16:50:03
954文字
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行灯が消えるまで
真夜中のテンションで殴り書きにするものでした。
事後描写はあるが何も書かれていません。
いつもの薄っすら二週目要素あり
「っん
……
」
怠さがあっても、どこかで満足気がある声。拭き物を手に取った途端、伊織はその声を追って、声の主である布団から起きたくないひとを見る。視線はしばらくすると不意に濡れ羽色の髪に留まる。
無数の弧が無造作に白い布団に散らばっている。毛先から根元まで行くと、汗を吸った横髪が微かに頬に張り付いた光景があった。
戦いの後でもずっと涼しい表情で自分の元へ帰ってくるひと。いつも、汗の一粒も見せられないのに。意識するとなんだが喉が乾いた気がする。
そして行灯に照らされる横顔は緩やかに視線の先を向いていて、落ち着いた表情は瞬きの間に悪戯の色に染まる。
「なんだ、また一戦交わしたいのか?」
「そのように見えるのか」
「ああ、とても」
しかもこんなにも、男の欲が見え見えのようで、その上に誘ったこと。
「
……
今度は本気で抱き潰すよ」
「私がそんなに脆くはないぞ」
既に知っているだろう? と、彼が子供じみで笑っている。無論、こんなことをするのはもう子供には言えなかった。
「それに、私が拒むと自分でなんとかするではないか。もったいない」
「そう来たか
……
」
元から魔力供給のために行為を至った夜だった。
結果だけ意味がある。途中の全てが成り行きで起ったこと、という解釈だと伊織は常に思う。故に彼の言葉は極めて正論でもある。
――
本当に?
よく見ろ。理性ではない部分が今の伊織を指摘してくる。微かに震える指先、何故か避けている眼差し。いくらでもそれらを綴るための言葉があるくせに。
いつのまにか、自然にこんな行為を受け入れるのか? 欲が確かにそこにあった。ただ認めたくないだけだ。
いい加減名付ける方が楽になるんじゃないか、という問いになかなか素直になれなかった。
言葉にすれば躊躇いが生まれる。自覚があってこそ、「彼のために」の建前で感情を表に出さない続ける。代わりに向こうからの建前を何度も、何度も応じてくれる。
「イオリ」
白い腕がこちらに差し伸べている。
一度目を閉じると、拭き物と水を入れる桶は土間に置かれたままにいた。結局のところ、襦袢を羽織るだけの伊織はいつものように答えを保留している。汗の匂いと共に、青年は彼をもう一度抱きしめる。
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