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ここ
2026-04-22 20:01:34
13537文字
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小説
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【リバリン】酔余🔞
酔いどれどすけべセックスが見たくて書いた。小スカ注意
【⚠️18歳以上のみ閲覧可】
ある穏やかな日の昼下がりのこと。
家で弓の手入れをしていたリーバルは、手入れに使う油が底をつきそうなことに気が付いた。これはいけない、早く買いに行かなくては。そう思ったリーバルは早速村で唯一の商店であるちゅん天堂へと向かったのだが、その途中で通りがかった村の調理場に幾人かのリトの婦人たちが屯している様子が目に入った。それ自体は珍しくもない。リーバルが気を留めたのは、そこから漂う甘い匂いにだった。トロリと香る、熟した果実のような甘美な匂い。
(
……
一体何の匂いだろう?)
そう思って無意識に目を向けてしまったのが運の尽き。その中の一人とばっちり目が合ってしまい、輝くような笑顔で「リーバル様ぁ!」と呼び止められてしまった。自分よりも年嵩の女性たちに囲まれるのは少々居心地が悪いが無視をするわけにもいかない。リーバルは頭をぽりぽりと掻きながら、かまどを囲む面々の方へと足を向けた。
「こんにちは、リーバル様。お出かけですか?」
「まぁそんなところ。君たちは随分楽しそうだね? 何だか良い香りもするし」
「うふふ、そうなんですよぉ」
何がそんなに愉しいのか、きゃっきゃとはしゃいで忙しなく会話を交わしている婦人たちの声は少々姦しく苦笑が漏れる。適当に相槌を打ちながら聞いたところによると、甘い香りの元は彼女たちが手に持っている酒瓶であるらしい。
「これ、最近流行っているんです。果実をたっぷり使用した、ゲルド地方の甘ぁいお酒なんですよ」
「へぇ」
「なんでもゲルト秘伝の技で成分をぎゅーっと濃縮してるとかで、と〜っても濃いんです! そのぶん度数も高いので、お水や果汁で割って飲むのがオススメなんですって」
ゲルドの強者や一部の酒豪は原液のまま飲むこともあるらしいが、「私たちがそんなことしたらひっくり返っちゃうわよねぇ」と笑う婦人たち。察するにここで少々『味見』に興じていたらしい。少し前はとても想像できなかったくらいに呑気で平和な光景である。こんな風な平穏を守るためにリーバルは命をかけて厄災と闘ってきたのだから、平和を享受する彼女たちを見られて何よりだ。
「そ。よかったね。じゃあ僕はこれで」
軽く手を上げて去ろうとしたリーバルだったのだが、それを引き止める声があった。振り向いた鼻先にずいっと一つの酒瓶が差し出される。
「リーバル様も、甘いのはお嫌いじゃなかったですよね?」
折角ですからお一つお持ちになりませんこと? と言う婦人の持つ、ゲルド風の飾りが入った煌びやかな酒瓶がリーバルの目の前でチャプンと鳴る。それと共に、一斉にリーバルに注がれる婦人たちの視線。珍しい美酒をお裾分けしたいという純粋な厚意に満ち満ちている。
「あー、
……
まぁ、うん」
(
……
たまにはこの呑気さを分けてもらうってのも悪くないか)
結局、その後帰宅したリーバルの手には本来の目的であった油壺の他に、美しい装飾が施された件の酒瓶が抱えられていた。
「さて、どんな代物やら」
買い込んだ油壺を棚の奥に仕舞った後。リーバルはテーブルの上に置いた果実酒を見ながら独りごちた。婦人たちにも知られていた通り、甘いものは嫌いじゃない。酒瓶の栓を抜くと、途端にあの甘美な香りが室内を漂う。
試しに指先に数滴垂らしてみると、とろりとした真紅の液体が白い羽毛に弾かれて丸く乗った。芳醇な香りを除けば傷口から滲んだ血液のようにも見えるそれを舌先でペロリと舐めてみる。
「っ、これはなかなか
……
」
喉を滑り落ちたものの熱さに思わず嘴を覆ってしまう。甘い。確かに濃厚で甘いが、その甘さの奥に舌が痺れるほどの強い酒精が隠されている。リーバルだって酒に特段弱いという訳ではないが、流石に強すぎる。
「確かにこのまま飲むのは無理だな」
これを原液で飲むのだというゲルドの酒豪の恐ろしさに思わず背筋が震える。気を取り直して、次はグラスに注いだそれをヘブラ山脈で汲んだ湧水で割ってみた。まだ晩酌には早すぎる時間なのでほんの少しだけ。けれど思った通り、透き通って薄紅色になった果実酒は甘さもスッキリしてとても飲みやすい。はっきり言ってリーバルの好みの味だ。
「水じゃなくて果汁で割ったらほとんどジュースだね、これ」
先ほどの強烈な酒精を洗い流してくれるような甘美な味に上機嫌な声が漏れる。リーバルの脳裏には一人の人物の姿が思い浮かんでいた。
この酒を、数日後にここを訪れるはずのアイツにも振る舞ってやろう。かつての大戦で──この国を暗雲で覆った恐ろしい厄災を封印するための戦いで中心的役割を担った退魔の騎士であり、そしてリーバルの恋人であるリンクに。
(うまく使って雰囲気を盛り上げれば、いつもと違うアイツが見られるかもしれないぞ)
いつもストイックな恋人が、ほんのり頬を染めて普段は見せないような甘えた仕草をする姿が瞼に浮かぶ。
あるかもしれない甘い時間を夢想し、リーバルは鼻歌混じりに手に持った果実酒を戸棚へと仕舞い込んだ。
***
数日後。前々から約束していた、リンクがリトの村を訪れる日。リーバルは予定の時間のずいぶん前からソワソワと村の中をうろついていた。あたかも村中に異変がないかを見張っているのだというような顔をしながら村の広場に立ち、村の入り口へと繋がる吊り橋をチラチラと眺める。そろそろ、時間だよな? リトの視力を最大限に活用してじっと凝らした視界の隅でやっと、太陽の光を反射して輝く金髪を捉える。
(──来た!)
次の瞬間にはもう、リーバルは愛おしい影を目掛けて翼を大きく羽ばたかせていた。
「やぁ、リンク。元気だったかい?」
「リーバル!」
真上から差し込む陽光を遮る大きな影に気づいたリンクが空を見上げる。リーバルはこちらに注がれる視線の柔らかさにたまらない気持ちになった。ハイラル城で近衛騎士を勤めるこの恋人に会うのは一ヶ月ぶりだろうか。浮き立つ気持ちにピョコンと跳ね上がりそうになる尾羽を慌てて抑え込み、余裕のある態度を意識してリンクの隣へと降り立つ。
「リーバルも元気にしてた?」
「もちろん」
村の入り口を警備するリトの兵士にいつも通りに挨拶しつつ、リーバルはリンクと連れ立って歩きだした。
「最近は平和すぎて元気が有り余っているくらいだ。村も周辺も平和そのものだよ」
「いいことじゃないか」
「まぁね。君の方はいつまで休みなの?」
「今日と明日。明後日にはまた登城だから明日の夕方には村を出ないとだけど」
と言うことは、それまではまるまる一日以上を一緒に過ごせるというわけだ。そう思った途端、先ほどはなんとか押さえつけた感情がつい溢れ出てしまった。喜びで頬の辺りの羽毛がボフッと勝手に膨らんでしまう。
「ふふ。
……
俺も会いたかったよ」
口に出さずともリーバルの心境は筒抜けだったらしい。隣を歩いていたリンクが、チラリとリーバルの顔を見上げて小さく笑った。
とはいえ、この退魔の騎士様は村を救った英雄としてリトの村の住人たちにも大人気である。リンクは村に到着して早々に熱い歓迎を受けた。剣の稽古を頼み込むリトの兵士たちに、都で流行りのレシピをねだる女たち。子供たちも負けずに魚の捕まえ方を教えて欲しい、いや美味しい木の実の見分け方を教えてあげたいと騒ぎ立てる。気の良い恋人はそれに嫌な顔ひとつせず付き合うものだから、村中のあっちやこっちへ引っ張りだこで荷物を下ろす暇もないほどだ。久方ぶりに会えた恋人に対する独占欲が燻るが、それを全面に出すほどリーバルも子供ではない。
(けど、この様子じゃ夜までかかりそうだね)
そんなリーバルの予想の通り。リンクとそれに付き添うリーバルが解放されたのは、人気者の来訪に半ばお祭り騒ぎとなった村人たちが総出で振る舞う夕飯を広場で堪能してからのことだった。
「やれやれ、遅くなってしまったな」
ようやく戻って来れたリーバルの家。室内に明かりを灯すリーバルの横で荷物を下ろしたリンクがふぅと息を吐く。
「みんな元気そうでよかった」
「言っただろ、平和すぎるくらいだって。娯楽の少ない小さな村だからね。皆何かにかこつけてはしゃぎたいのさ」
着いて早々に振り回して悪かったね、と皆の代わりに詫びればリンクが笑って首を振る。
「頼りにされるのは嫌じゃないよ。こっちも色々教えてもらったし」
そう言うリンクの顔を見れば、それは本心なのだろう。この男は、近頃は随分と自然な表情を見せるようになった。恋人が自分の故郷でのびのびと楽しそうに振る舞っている姿は悪くないものだ。そこにじんわりとした幸福を感じながら、リーバルはするりとリンクに擦り寄った。
「そう? なら良かった。でも人気者の騎士様も、今は僕だけのものだよね?」
昼間の騒々しさが嘘のように、今は静かな家の中で二人きり。日中に見せていたリトの英傑としての自分を脱ぎ捨て、恋人の顔になる。リンクを抱き寄せツンと尖った耳元で甘く囁けば、リンクもまた皆には見せない甘さの滲んだ顔を見せた。リンクはリーバルの嘴に頬を擦り寄せ、微かに熱のこもった声で「うん」と小さく答えた。
「
……
とりあえず、少し飲みながら話そうか」
触れた頬の柔らかさを名残惜しく思いながら、リーバルはリンクの身体をゆっくりと離した。もちろん恋人なのだから、この後ヤることはヤるつもりだ。頻繁に会えるわけでもないので、そういった欲は溜まっている。本当は今すぐにでもベッドに引き摺り込んでしまいたいくらいだ。
でもそんな即物的なやり方はスマートじゃない。リンクは色事にあまり慣れていないというか、そもそも性欲が強いわけではない様子だし、そうでなくてもリーバルはリンクの前では格好つけたいのだ。
リーバルは期待に膨らむ内心をプライドの奥にひた隠しにし、棚の奥から目当てのものを取り出した。
「どうだいこれ、珍しいだろう?」
晩酌の提案に頷き、着込んでいたリトの羽毛服をくつろげていたリンクが顔をあげる。
「
……
酒?」
「あぁ。ゲルドの果実酒。この前村の女性達に教えてもらったんだ。最近流行っているんだって」
煌びやかな瓶を片手に「知ってた?」と尋ねれば、リンクはフルフルと首を振った。綺麗だね、と目を輝かせるリンクに得意な気分になる。
「じゃあ早速──」
ゲルドの果実酒と、それを割るために用意したひんやりメロンのジュース。そして二つのグラスをテーブルに並べたところで、リーバルはハタと自分の失態に気がついた。
「しまった。つまみを取ってくるのを忘れた」
酔うほど飲む予定ではないとはいえ、甘い酒だ。塩気のあるつまみがある方が良いだろうと、塩煎りした木の実をちゅん天堂に注文していたのだ。家に戻る途中で引き取るつもりだったのに、やっと二人きりになれることに浮かれてすっかり失念していた。つまらない失態にため息が漏れる。
「つまみなら別になくてもいいけど」
「いや、取り置きしてもらっているんだ。すぐに取ってくるから先に始めていていいよ」
栓は開いているからとリンクに言い残し、リーバルは村の階段を駆け降りた。ちゅん天堂はまだ明かりが灯っていた。ホッとしながら店内を覗き込めば、中には店主の他に客が一人。リーバルに果実酒を分けてくれた婦人の姿がある。
「リーバル様」
「やぁ。この間はありがとう。あの酒、なかなか美味しいよ」
「お口に合って良かったですわ。あら、もしかしてこの後もリンク様と?」
リーバルが店主から受け取った木の実の小包を見ながらの問いに「御名答」と答えれば婦人がにこりと笑う。そのまま店主とも二、三言交わしてからリーバルは再び足早に家への道を引き返した。ゲルドの果実酒は人気があるようなら今後ちゅん天堂でも取り扱う可能性があるらしい。もしリンクが気に入るようなら、リーバルからも店主にお願いしようか。
そんなことを考えながら家の前まで戻ってきたリーバルは、家の中から聞こえる陽気な笑い声に目を瞬かせた。
「
……
?」
中にいるのはリンクだけのはずだ。なのにこれはどうしたことだろう? 不審に思いながら家の戸を潜った先でリーバルは絶句した。そこには、顔を真っ赤にしてキャラキャラと笑うリンクがいたのだ。いくら平和な世になって、リンクが色々な表情を見せるようになったと言ってもここまでではない。見たこともないような溶けた表情で、聞いたこともない声で笑う姿にびっくりして嘴がぽかんと開いてしまう。
「リンク? ど、どうしたんだ?」
「あ、リーバルおかえりぃ! これ、おいしーね!」
リーバルに気づいたリンクが危なっかしい手つきで手にしたグラスを掲げる。中にあるのはドロリとした真紅の──あの果実酒の原液だ。
「君、それをそのまま飲んだのか!?」
慌てて駆け寄り酒瓶の中を覗き込む。リーバルが少し味見をしただけでほぼ手付かずだったはずの中身は、恐ろしいことに半分以上が消えていた。一方隣に置かれたひんやりメロンのジュースの方は栓すら切られていない。いくらリンクが健啖家とはいえ、酒に対する耐性は常人並のはずだ。それをこんな、明らかに度を越した量の酒を原液で。それもリーバルが離れていたこの短時間の間に。
「あまくておいしぃねぇ。おれ、これ好きぃ」
機嫌良さそうに言うリンクの顔は、元の肌の白さも相まって果実酒の色が移ったのかと思うほど赤かった。漂う酒の匂いに眉根が寄るが、リンクを咎める気にはなれない。
……
これは、リーバルの落ち度だ。飲みやすいけれど強い酒だから、割って飲むのだと伝えなかった。
肩を落とすリーバルの様子などお構いなしに、リンクがクフクフと笑いながらグラスに残っていた果実酒をぐいっと景気良く煽る。
(あー
……
、ダメだなこれは、もう)
この酩酊具合では、計画していたスマートなセックスへの移行はどう考えても難しい。リンクとの逢瀬に浮かれて失態続きの自分自身に、リーバルの嘴から何度目かのため息が漏れた。
「
……
気に入ってくれたようで良かったよ。でも飲み過ぎだ。今日はここら辺にして休もうか」
「んぇ〜〜?」
リンクが間延びした声を上げ、とろんとした瞳でリーバルを見上げる。情事を思わせる潤んだ瞳に腰がジンと疼くが仕方ない。明日も一緒にいられるのだ。午前中の予定をキャンセルして、朝からたっぷり可愛がってやろう。そのために今できる最善は、リンクが二日酔いになる前に酒を取り上げて寝つかせることだ。リーバルは自分に言い聞かせ、リンクからグラスを奪い取るとふにゃふにゃの身体を支えてベッドへと転がした。
「さ、寝よう」
同じくベッドに横になり布団を掛けた腹の上をポンポンと叩いて寝かしつける。しかしリンクは「なぁんでぇ?」と甘えた声ですり寄ってきた。果実酒の芳香に混じって、体温の上がったリンクの体臭がリーバルの鼻先をくすぐる。
……
勘弁してくれ。スリットの奥に押し込めた愚息がすわ出番かと反応してしまうではないか。このままではリンクを寝かしつけた後に一発抜かないと明日まで持たないかもしれない。リーバルはもう少し辛抱してくれと愚息を宥めながら懸命に目を瞑った。
「なんでじゃないよ。いいから寝るんだ」
「やぁだ。セックスしようよ、リーバル」
「っ、
……
! 何言ってるんだ」
今まで聞いたこともないような明け透けな誘い文句。ぐらりと理性が揺れるが、なんとか踏みとどまる。がんばれリーバル。リンクの言葉にホイホイと乗って気分が盛り上がったところで「やっぱりなし」なんて言われたら暴走しかねない。冷静になれ。リーバルは奮い立ちそうになるリーバル自身に必死に声を掛けた。そりゃ確かにいつもより乱れたところが見られたらと期待していたが、ここまでは想定していないのだ。リーバルまで羽目を外した結果、正気に戻ったリンクにセックスを嫌いになられでもしたら立ち直れないじゃないか。
「だいだい、そんなに酔ってたら勃たないだろ、君」
だから明日にしよう。そう宥めるリーバルに、リンクは「えぇ〜〜?」とあからさまな不満の声を上げながらムクリと起き上がった。子供のようにぷくっと頬を膨らませ、止める間もなくポイポイと服を脱ぎ去ってしまう。
「そんなことない。ちゃんと勃
……
んっ、あぇ
……
?」
全裸になって胡座をかいた脚の間にあるリンク自身は、リーバルの予想通りにふにゃりと垂れていた。あれだけ強い酒を飲んだのだから当然だ。首を傾げたリンクが柔らかいままのそれをクニクニと不器用に扱き始める。
「んぅ〜
……
きもちぃのに勃たない」
「だから酔いすぎなんだって」
リーバルは半ばイライラしながら投げ捨てられたリンクの衣服をかき集めた。汗ばんでしっとりとしたリンクの身体は今のリーバルには目に毒すぎる。これ以上煽られたら本当に無理そうだ。この興奮を後でこっそり処理する羽目になるこっちの身にもなってほしい。押し殺しきれない感情のせいで羽毛が不格好に膨らんでしまう。
「せめてパンツは履いてくれ!」
顔を逸らしながら必死の思いで差し出した衣服を、あろうことかリンクはぷいと顔を逸らしてリーバルの手ごとを払いのけた。
「やだ!」
「っおい、こっちが下手に出てやってるのに
……
!」
「だって、リーバルとセックスできるように準備してきてるんだもん!」
「な
……
ッ!?」
カッとなって怒鳴りかけたリーバルは、リンクから飛び出た発言に思わず声を詰まらせた。な、なんだって? 固まってしまったリーバルの前で、リンクがペニスを触っていた手を身体の後ろに回す。
「っん
……
っ、」
小さく声を上げながら動かす手が何をしているのかは直接は見えない。直接は見えないが、そのぶん漏れ聞こえるクチュ、という卑猥な水音を聴覚が敏感に拾い上げてしまう。
(
……
自分で、指を挿れてるのか!?)
ドギマギと狼狽えるリーバルの前で、リンクがハァと熱い吐息を漏らした。薄く開いた口から覗く赤い舌先がヒクリと震えている。
「ここ、リーバルに挿れて欲しくて洗ってきてるんだよ
……
?」
「んん゛ッ」
リンクが触っている箇所が、本来は排泄に使われるものだということは理解している、それゆえに事前の洗浄が必要だと言うことも。けれどそれについて言及したことは互いになかった。なんというか、暗黙の了解になっていたのだ。
もちろんリーバルだってそれを知らんぷりしようとしていたわけではない。初めてリンクと身体を繋げた時。リーバルはリンクの身体の準備を手伝うつもりでいたのだ。しかしその必要はなかった。リンクの身体の中はすでに綺麗に清められていたのだ。それ以降もずっと、こういった目的を込めて会うときはいつもリンクの中は綺麗になっていた。だからつまり、そういうことなのだ。しかしそれをリンクに確認したことも、リンクから告げられたこともない。
「おれが勃たなくたってぇ、リーバルが勃ってれば
……
できるよね?」
硬直してしまったリーバルの前でリンクが蠱惑的に舌なめずりをした。目線はこんもりと盛り上がったリーバルの下半身に注がれている。スリットの奥に仕舞われたものはかろうじて飛び出していないだけで、もう十分な硬さを持つほどに血を集めていることをリンクは知っているのだ。
「だからって
……
僕だけ気持ちよくなるのは違うじゃないか
……
」
「でもおれ、前を触るより中に挿れてもらう方が気持ちいいよ?」
「へ
……
?」
「てゆうかもう中を触らないとイけないし」
「お、おいおい
……
」
赤裸々すぎる言葉の連発にリーバルは興奮すると同時にハラハラした。これ聞いちゃって大丈夫なやつか? 正気に戻ったリンクが知ったら羞恥で死んでしまうのではないか? 案じるリーバルの気も知らず、リンクは「よいしょ」と言いながらベッドの上で四つん這いになった。突き出される白く丸い尻。それを自ら鷲掴みにして割り開き、柔らかな双丘の間に隠されていたものを見せつけてくる。
「んッ♡
……
ここに、リーバルがほしいのにぃ」
「あわ
……
あわわ
……
」
目の前で繰り広げられるとんでもない光景にクラクラと眩暈がする。先ほどまでリンクの指で弄られていた真っ赤な粘膜が、ぬちょ、と濡れた音を立てながら小さく口を開いた。本当にこれがあのリンクか? 普段のセックスでは受け身に徹して淡々としている様子とはまるで違う、積極的で扇情的な姿に舌が痺れたように言葉が出ない。
「ぁん、ん
……
っ、リーバルぅ
……
♡」
リンクはいやらしく喘ぎながら、どこか慣れた手つきでゆっくりと指先を後孔に埋めた。白い指先が出入りするのに合わせ、小さく捲り上がる粘膜の縁。いつもリーバルのものを飲み込んでくれる肉蕾が、リンクの指では物足りないとばかりに収縮するのがあまりにも卑猥だ。
──ごくり。
嘴の中に溜まった唾液が溢れそうになり、慌てて飲み込んだ音が妙に響いて聞こえる。
「
……
いつも、そうやって自分で準備して来てくれてたのかい
……
?」
「うん、っ、先にほぐしておかないと、ぁうっ、リーバルの指、入らないもん
……
ッ」
リーバルだって、挿入する前にリンクの後孔を指で念入りに慣らしているつもりだった。しかしそれはリンクの下準備があってこそのことだったのだ。目の前で繰り広げられる痴態と、リンクもリーバルとの性交を望んでいたのだという事実に対する歓喜。抑えきれなくなった興奮に、スリットからリーバルのイチモツがまろび出る。
「君、いつも自分からは誘ってこないから。あんまり乗り気じゃないのかと思ってた」
「そんなことない
……
っおれ、リーバルとセックスするの好き。一人でするときも、リーバルのことを思い出しながらしてるよ?」
「へ、へぇ
……
。どんな風に?」
正気じゃないリンクからこんなことを聞き出すのは卑怯だ。そんな理性が脳裏を掠めるが、リーバルの心は興奮と好奇心にあっさりと負けた。ついでに身体も敗北寸前で、ビキビキと勃起したペニスの先端からは透明な先走りが溢れボタボタとシーツを濡らしている。
「んっと
……
こんな風に、おなかの方を、〜〜ッ♡ ぐりぐりされる、のッ、すきぃっ!♡♡ あは♡ ベッド、リーバルの匂いがする♡ 嗅いだだけでイっちゃいそ、ぅ
……
ッ♡」
リンクが後孔に挿した指はいつの間にか三本に増えていた。みっちりと締め付ける粘膜をジュポジュポと無造作にかき分け、鼻先をシーツに埋めまるで犬のように匂いを嗅いでいる。シーツは洗ってあるけれど、それでも落としきれない匂いが染み付いているのだろう。それを恍惚とした様子で吸いながらへこへこと腰を揺らすリンク。よく見れば、ぷくりと膨らんだ胸の頂をさりげなくシーツに擦り付けているのまでわかる。
「ッあ、ぅ♡ りーばる♡ りー、ばるぅ
……
♡」
「
………………
」
切なく繰り返される呼び声に脳内が臨界点を迎え、熱に浮かされた視界が真っ赤に染まる。なりふり構わずこちらを煽り散らすリンクの痴態に、リーバルの理性が崩壊するのは時間の問題だったのだ。
──ここまでされて、抱いてやらない方が可哀想だよね?
気づいた時にはもう、必死に耐えてきたリーバルの自制心は綺麗さっぱり弾け飛んでいた。
「ちょっと、何を一人で楽しんでるんだい? 僕がいるっていうのに寂しいじゃないか」
「んっ、んぅう♡ だってリーバルが、してくれないからぁ
……
っ」
「する。いっぱいしてあげる」
吹っ切れたリーバルの答えにリンクが「ほんとぉ?」と嬉しそうに振り向く。
「ああ。さぁほら、僕に跨ってごらん」
リーバルはリンクの身体を引き起こし、入れ替わるようにベッドに寝そべった。先ほどまで抑圧されていた反動で、このいやらしい恋人をどんな風に悦ばせてやろうかということで頭がいっぱいになる。今のリンクならどんな破廉恥なことだって喜んでしてくれそうだ。これを楽しまなかったら損というもの。案の定、リンクは恥ずかしがるどころか嬉々としてリーバルの腰の上に乗り上げてくる。
「あは♡ リーバルの
……
あっつい♡♡」
リーバルの熱り勃った肉棒に触れたリンクの秘所がぷちゅ、と卑猥な音を立てた。今すぐにでもそこを割り開いてやりたいのを我慢し、触れ合った粘膜が見えるようにリンクの腰を反らせる。
「ほら、よぉく見せるんだ。どれどれ
……
まったく、いやらしい口だな。待ちきれないって涎を垂らしながらヒクついてるよ」
「あ♡ あぁ、っあん♡ はやく、うぅ♡」
まじまじと視姦してやればリンクがたまらないとばかりに腰を揺らす。先ほどまでのひとり遊びの甲斐あって、熟れた後孔は簡単にリーバルの先端を飲み込んだ。熱い粘膜に包まれた亀頭から伝わる快感に腰が蕩けそうだ。しかしここで一気に突き上げるのは勿体無い。淫らに乱れたこの騎士様をもっとじっくり愉しまなければ。翼に力を込め、リンクの腰がこれ以上落ちないように固定する。
「あっ、あっ、なんでぇ
……
!」
リンクが髪を振り乱して喘いだ。先端だけを浅く食んだ中途半端な刺激がもどかしくて仕方ないらしい。もっと欲しいとねだる浅ましい表情も、ヒクヒクと収縮して肉棒を喰らおうとする粘膜の蠢きも全てが丸見えだった。普段は絶対に見れないような絶景に鼻息が荒くなる。
「だって君、指で届くようなところが好きなんだろ?」
わざと浅い抽送を繰り返すと、リンクは口の端から涎を垂らしながら悶え悦がった。抜き差しに合わせて後孔が拡がっては閉じる度に襲う強烈な排泄感と快楽に、リーバルの胴の横についたリンクの脚がガクガクと激しく震える。
「そこも、すきッ
……
だけどっ、んぉ゛♡ 奥゛も゛ッ♡ ほしい゛ッ♡」
「ふーん。じゃあこっちは? さっきコッソリ擦っていたよね?」
「あひっぃいい゛ッ♡♡」
胸の頂を嘴の先で鋭く弾けば、リンクはガクンと首をのけぞらせて絶叫した。赤く腫れた乳首がぷるぷると情けなく震えている。
「〜〜ッ、すきすきッ♡ 乳首、虐められるの、しゅきぃ♡♡」
「なら自分で触りなよ。乳首だけでイけたら奥まで挿れてあげる」
「うん
……
っ!♡」
リンクは恍惚とした表情で自分の胸に指を這わせた。リーバルの愛撫をなぞるように胸の飾りを捏ねくり回し、ピンピンと弾く。今度は指をしゃぶったかと思うと、唾液で濡れた指で乳首をねっとりと押しつぶした。リーバルの舌を真似ているらしい。滑ってもどかしい刺激を愉しんだ後は、嘴で啄まれるように爪の先で摘み上げる。真っ赤に腫れた乳首が虐められるたびリンクの後孔が酷く収縮し、食んだリーバルの先端をチュパチュパと締め付ける。
(〜〜ッ、たまんないな、これ
……
!)
自分で焦らしておきながら、リーバルだって中に挿れたくて堪らなかった。もう我慢せずに挿れてしまおうか。奥の奥までぶち込んで、熱い媚肉に包まれたい。泣いても喚いても許してやらず、リンクの中がリーバルの形に変わるまで捏ねくり回してやりたい。そんな凶悪な思考に塗り潰されそうになった寸前。自分の胸を抓りあげたリンクが一際大きく身を捩らせる。
「い゛っいくぅ゛ッ♡ りぃばる〜〜ッ♡♡」
叫びと共に、ふにゃふにゃだったリンクのペニスからは精液の代わりに透明な潮がプシャッと吹き出ていた。ガクガクと震えるリンクが、享楽の極みにいることは明らかだった。本当に胸だけで絶頂したのだ、この淫乱な騎士サマは。ゼェハァと呼吸を引き攣らせながら褒めてほしいとばかりにこちらを見下ろす蕩けた視線に、優しく微笑み返してやる。
「よく出来ました♡、ほらッご褒美だよッ!」
「ん゛あぁああ゛〜〜〜ッ♡♡♡!!」
腕の力を抜いた瞬間、リンクの身体が自重でリーバルの腰へと深く沈み込んだ。絶頂でギチギチに締まった肉壁が、リーバルの剛直によって容赦なくこじ開けられる。
「あっ、んぎッ♡ ふ、深いぃ
……
ッ♡」
リーバルの肉棒はいつもなら時間をかけて開く結腸までを一気にぶち抜いていた。そんな横暴にも今のリンクは悦を感じているのか。胎の奥の肉輪がリーバルの先端にちゅうちゅうと甘く吸い付くのが堪らない。尾羽のあたりからゾクゾクとした快感が電流のように走り抜ける。
「んんん゛っ♡ ッはぁ♡ どうだい? 気持ちいい?」
「〜〜いい゛っ♡ きもちぃい♡♡ おくトントン、されるの゛ぉッ♡、しゅきぃ
……
!♡♡」
「なら好きなだけ味わいな♡」
リンクは最奥を突いてやるたびに舌を突き出して悶えた。リーバルが先端で肉の輪を虐めると、リンクの下腹が痙攣したようにベコベコと凹む。咥え込んだリーバル自身の形が浮かび上がるほどの激しさだ。
「おお゛っ♡ んぉおッ!♡♡ んひ、ぁあ゛っあっ♡」
「見てごらんっ、ここに僕がいるのが丸わかりだ♡」
「あぁ゛〜〜ッ、リバ、るぅッ♡ しょれダメ、あッ、ぅ゛あぁッっ♡♡」
歪に膨らんだ下腹の形を慈しむようにじっとりと撫でてやる。当てた指先をグッと押し込むと、リンクは濁った嬌声を上げながらブルリと身体を震わせた。じわり。リンクの跨っている腹のあたりの羽毛が温かい液体で濡れていく。
「あ、は
……
♡ ごめ、なしゃい♡ おしっこ、でちゃったぁ
……
♡♡」
見れば律動に合わせてプルプルと揺れるリンクの先端から薄黄色の液体が漏れていた。緩んだ脳と下半身では止めることができないのだろう。ちょろちょろと溢れ続けるそれが白い腹毛に染み込んでいくが、すでに散々撒き散らされた潮でびしょびしょなのだ。今更そんなことを咎めはしない。我慢しないで全部出しちゃいなと促すと、リンクが「ぅん♡」と舌足らずに頷く。
「あ
……
ふっ、ん♡
……
ぁ、うぅ
……
♡」
「全部出た?」
「んッ、でたぁ
……
♡」
「そ。じゃあ今度は僕が出す番だね」
リーバルはくたりと力の抜けたリンクの身体を軽々と持ち上げるとベッドに押し倒した。逃げられないようにしっかりと全身で覆い被さる。濡れた身体同士を重ね、体重をかけて叩き込むように深く激しく穿ち始める。
「ほらっ、これが欲しかったんだろ!? いっぱいしてあげるからなッ♡」
「〜〜ッ♡ んお゛ぉ゛ッ♡ ほお゛っぉお゛♡♡」
のしかかったリーバルの胸元に顔を埋めたリンクが深く喘いだ。肺いっぱいにリーバルの匂いを吸い込んだせいなのか、宙に浮いていたリンクのつま先がピンッと伸びる。
「ハァッ♡ 君の中、すごく締まる
……
ッ本当に僕の匂いが好きなんだ♡」
「ぉ゛〜〜♡♡ しゅき、い゛ッ♡ よしゅぎて、あたま、おかしく、なりゅ゛
……
ッ♡」
「大丈夫♡ 今日の君、ずっとおかしいから♡♡ 安心しておかしくなりなよ
……
!」
ハァハァと息を荒らげながら真っ赤に染まった顔を舐め回すと、リンクがパカリと口を開けた。誘うようにチラチラと覗く赤い舌に自らの舌を絡め、溢れるほどの唾液を注ぎ込んでやると嬉しそうに喉を鳴らす。リーバルからもたらされる全てを嬉しそうに受け止めるリンクはいやらしくて、健気で、そしてとてつもなく可愛いかった。込み上げる衝動はリンクの腹の奥に精をぶちまけても治る気配がない。結合部から溢れ出た白濁で脚を濡らしながら、何度も何度も、深く深く穿ち続ける。
「んぉ゛、
……
♡ り、ばる
……
もぉムリぃ
……
♡♡ しぬ゛
……
♡♡♡」
「何言ってるんだ♡ 君がこんなので死ぬわけないだろ♡♡♡」
今思えば、リーバル自身もリンクから移った酒精に侵されていたのかもしれない。徐々に反応が鈍くなっていくリンクを労ってやる発想など欠片も起きなかった。リンクの腹がリーバルの精でいっぱいになるまで。リーバルの精嚢が空っぽになるまで注ぎ込んでやらなければ。色々な体液で滑る肢体を掴み直し、すっかりリーバルの形に開いた最奥をゴリゴリと抉りながら笑う。
「まだまだたっぷり可愛がってあげるからね♡」
「ぅあ、
……
あ、あへ
……
♡♡」
獣さながらの獰猛さを隠さない声に、ほとんど白目を剥いていたリンクがヘラりと笑った。そこから先、意味のある言葉を交わした記憶はない。
リーバルは自分の意識が落ちるまで、ただひたすらに目の前の獲物を貪り続けた。
***
翌朝。目覚めたリーバルがまず初めに感じたのは部屋いっぱいに充満した酷い匂いだった。酒精と、精と、その他諸々。漂う生々しさに顔を顰めながら重怠い身体を起こせば、羽毛にこびりついた様々な体液の残骸がペリペリと剥がれ落ちる。
「あ゛ー
……
、リンク?」
ぐちょぐちょに乱れたベッドの隅。毛布に包まれた塊に掠れた声を掛ければそれはビクリと跳ねた。返事はない。けれど、芋虫のように転がった騎士様は昨夜の自らの乱れっぷりをちゃんと覚えているらしい。内側からは「あ〜〜」とか「うぅ
……
」とかなんとも言えないくぐもった呻き声が漏れ聞こえる。
──まぁ。完全に、やりすぎたな
……
。
窓から差し込む朝日がテーブルの上に残された果実酒の瓶を美しく縁取っている。神々しささえ感じるその佇まいを恨んでも仕方ない。今日の予定は結局全て見直しだろうが、まずは羞恥に悶絶する恋人をどう宥めたものか。リーバルはそんな思案をつつ、目の前で震える愛おしい塊へと翼を伸ばすのだった。
<了>
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