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ゴワ吉
2026-04-22 08:25:03
3429文字
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密戯の籠
くく勘、現パロ、女体化、百合。がっつりキスさせてます。
終業のチャイムと共に緊張が解ける。軽く伸びをしてから勘奈は鞄に忍ばせているスマフォを取り出した。
メッセージを打ち込み送信すると何食わぬ顔で立ち上がる。向かう先は教室の一番後ろ、廊下の端の席に座る可愛い同級生の横を通り過ぎる。
「あ、ねぇ尾浜さん!今日の放課後さ~」
「うん?また勉強?」
掲示物を張り替えようと手を伸ばした矢先、傍にいたクラスメイトが近づいてくる。そのまま会話が始まり、勘奈は作業しながら相槌を打った。
しばらくすれば担任教師が入ってきて勘奈を含め、バタバタと自席へ戻っていく。その間際、鋭い視線に射抜かれていたのを故意に無視して号令をかけた。
来週から始まる中間試験についての日程を改めて説明され、HRが終わる。勘奈も帰ろうと立ち上がるが、それを狙っていたかのようにクラスメイト達が寄ってきた。
「今日出された課題がさぁ、絶対一人で解けないって思って!」
「それで私に教わろうと?もう
……
私だって用事あるんだからささっと終わらせるよ」
「ありがとう委員長~!」
面倒だけれど頼られることに悪い気はしない。チラリと時計を確認してから広げられた課題ページに目を通した。
彼女たちが詰まったら都度解説を入れて、解けるまで見守る。自力で解かせないと彼女たちの為にならないから仕方ないけれど時間がかかってしまう。
(
……
もう、先に帰っちゃったかな)
課題を始めて二十分が経過したころ、ようやく目的のページまで終わることが出来た。呑気に伸びをする彼女たちを横目に勘奈は急いで帰り支度を整える。
「じゃあ先に帰るね!お疲れ様!」
「お疲れ~、本当にありがとね!」
「気を付けてね~
……
」
教室の戸締りを任せ、勘奈は飛びだした。しかし下駄箱へ降りる階段を反対に駆け上がる。
向かうのは三階の隅、使われていない教材が置かれている空き教室だ。施錠をされていてドアを開けることは出来ないがここは窓の鍵が壊れていて、そこから登って中へ入り込む。
所狭しと机が並ぶ教室内は唯一黒板の下にスペースがある。机の上を伝ってそこを覗くと焦がれた黒髪と目が合った。
「ごめんね、へいちゃん
……
」
「ううん、平気だよ。勘ちゃん」
手元の本から視線を外し、微笑んだ彼女の隣へ勘奈は腰かける。背負ってきた鞄から持ち歩いていた飴玉を取り出してお詫びとして差し出した。
勘奈のクラスメイト、久々知兵子とは入学時に知り合った最初の友人だ。この空き教室は彼女たちが最初に出会った思い出の地であり、二人きりで会う密戯の籠でもあった。
「
……
勘ちゃん」
「なぁに?あ、それ苦手な味だった?」
差し出した飴を舐めないままジッと見つめる様子に勘奈は慌てて鞄を探りだした。別の味の物がなかったかと焦っていると控えめな力で袖を引かれる。
「違うよ。これ、勘ちゃんが食べさせてほしいなって」
「へ?あっ、それ、って
……
」
彼女の言葉の意味を正しく理解してかぁっと頬が熱くなる。兵子も恥ずかしくなったのか視線を外してしまう。
しかし呼びつけておいて待たせてしまったのは勘奈の都合だ。彼女が許してくれるなら要求を呑むしかない。
「
――
…
さっき、」
戸惑いながら言葉を詰まらせる勘奈を横目に兵子が口を開く。申し訳なさそうに語り始める様子に緊張する。
「クラスの子とお話してて、放課後もその子たちの勉強見てたんでしょ?」
「う、うん。あの時、へいちゃんこっち見てたでしょ?羨まし~って嫉妬した?」
「ん、してた
……
」
揶揄うつもりで投げた石が予想に反して当たって落ちる。恥ずかしげもなく肯定した兵子は勘奈に近寄り、そっと手を握ってきた。
「皆の勘ちゃんなのは、分かってるけどやっぱり駄目。私には勘ちゃんしかいないから、勘ちゃんが私から離れちゃうのなんて
……
耐えられない」
大袈裟な妄想だと思うが握ってきた手がやけに熱い。いつも冷たい彼女が本気で不安に思い、必死に話してくれる様はまるで熱暴走を起こしているようで可愛くて愛おしくなる。
この教室で放課後集まってしてきたのは勉強だったり世間話だけど、今日は無理そうだ。勘奈はそっと握られた手に自身の手を添えて兵子と目線を合わせる。
「分かった。じゃあ、約束しよ?」
「約束?あ、勘ちゃ
……
っ」
勘奈の意図が掴めず、困惑する兵子を置いて互いの唇が静かに重なる。表面をなぞっただけの戯れのキスを誓いに、勘奈は微笑んだ。
「クラスの子とはこんな事しない。私がこんなことするのはへいちゃんとだけ、だか
……
わぁあっ!」
段々と照れ臭くなって語気が小さくなっているのを遮って兵子が抱き着いてきた。その勢いを受け止めきれず、後ろに押し倒されてしまった。
「嬉しい
…
!わ、私も勘ちゃんとだけだから!この先もずっと!」
「ぷ、あははっ!何だかへいちゃんが言うと重いなぁ。でも、嬉しい」
この先なんて曖昧な未来ごと誓ってくれる健気さに笑ってしまう。けれど勘奈の態度に兵子は頬を膨らませて不満を露わにした。
抱きしめ返しても彼女の機嫌は直らず、不愉快に曲がる眉が何だか可愛く映る。仕方なく手を伸ばして手繰り寄せた飴を剥き、唇に乗せて目を閉じた。
「んーん」
「
……
ずるい」
仕掛けた罠に彼女はきっと乗ってくる。目を閉じていても分かる不貞腐れた照れ顔を想像しているとゆっくり飴が唇から離れた。
どんな顔をしているのか想像通りかと浮かれながら目を開けると兵子は未だ怒りを露わにして飴に噛みついていた。
「約束の破棄も上書きも許さないから。ずっと傍にいて
……
」
「ふふ、分かってるよぉ。嫉妬深いへいちゃんも可愛い」
「
……
またそうやってからかう」
「からかってないってば。ね、もう一回ちゅうする?」
最終下校時刻までまだ時間がある。施錠にくる教師の見回りまでの間、もう一度くらい誓い合っても余裕だ。
勘奈の誘いに兵子は目を丸めたが、すぐ頷いて眼光が鋭くなる。そんな彼女の表情を見つめて兵子の背へ腕を回した。
(緊張したり何か言いたい時に睨んじゃう癖が出てる。可愛いなぁ)
クラスメイト達はそれを怖がって兵子を遠巻きにしているから変な虫がつかなくて好都合だ。きっとこの先も彼女に友人は勘奈以外出来ない。
柔らかな唇を押し付けられながらそんな他愛もない思考を巡らせ、やがて集中しようと勘奈は舌を伸ばした。
「んっ!あ、勘ちゃ
……
!」
「ずっと傍にいるんでしょ?離れちゃダメじゃん」
驚いて身を引こうとした兵子の背を掴んだまま、再び舌を伸ばす。恥ずかしさに震える唇を舐めて煽るとカッと彼女の頬が赤く染まった。
その行動に火がついた兵子は勘奈の同じように舌を伸ばし、恐る恐ると絡めてくる。赤く熟れた舌先を懸命に絡め、勘奈を必死に求めてきた。
「ん、ふっ
……
は、へ
……
ちゃ」
たどたどしくも荒いキスの応酬の最中、名前を呼ぶと愛おし気に頬を撫でられる。そのくすぐったさに目を閉じた瞬間、もう一度唇が重なった。
傷一つない柔らかな感触が全体に伝わり、甘い息が漏れる。更に深く繋がろうと兵子が角度を変えようとした瞬間、チャイムが響き渡った。
「
……
最終下校時刻」
「帰ろっか、へいちゃん
…
」
起き上がって時計を見上げた瞬間、二人を繋ぐ銀糸が切れてしまう。名残惜しいが見つかる前に下校しなければならない。
二人は急いで鞄を抱え、窓から廊下へ出る。バタバタと階段を駆け下りる間際、見回りの教師とすれ違った。
「さようなら。廊下は走っちゃいけないよ」
「はい、さようならー!」
「さ、さようなら
……
!」
動揺を悟られないよう勘奈は元気に答え、俯く兵子の手を引いた。互いに手汗をかきながらも離さないよう繋ぎ止め、正門をくぐる。
薄暗くなった通学路には誰もおらず、自分たちが最後の生徒だったようだ。一緒に息を整えながら、やがて兵子が噴き出した。
「私、学校を走るなんて初めて。何だか楽しいね」
「先生に怒られちゃうけどたまにはいいよね。ね、今度は階段でグリコしようよ」
「うん、やりたい!
……
あ、明日も集まる?」
天真爛漫な笑顔から期待するような憂い気な顔に胸が鳴る。汗ばんだ手を更に締め付けながらその手を引いた。
バランスを崩した兵子の頬に不意打ちで口付けを落とす。思っていた通り、夕暮れ色に頬を染めた彼女が嬉しそうに睨んできた。
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