雨鶴
2026-04-20 23:42:20
1028文字
Public 小話
 

別世界の話

当宅で設定している長次とは違う世界のお話。

中在家長次と云う男は『沈黙の生き字引き』の名の通り物識りである。
知識欲が人一倍強い男でもある。
それ故、自身の経験をもってして知識欲を充たす傾向にもある。
武器の扱い、忍術による人の心理、薬毒物の効能など。同級生からは些か呆れられた事もあったが、害は及んでいないので長次は気にしなかった。

──なのだが。

こればかりは相手が居ないと、出来ない)
長次は手にしていた冊子を閉じて、溜め息を吐いた。
長次が見ていた冊子は、房中術の本であった。図書委員と云う事もあって、下級生の頃から禁書や閲覧制限の掛かっている冊子などにも手を出してきたので、知識だけは一人前である。
房中術の授業も受けて、実技になった時に女性には殊更丁寧に接した。
はあ」

それでも長次が悩んでいるのは【同性同士の房中術】についてだ。忍びたるもの今後、任務でそういった事もあるだろう。
ただ)
長次が気になるのは、とある冊子に記された文章だ。
《同性同士ならば受け手の方が愉悦に浸れる》
……
長次は思案する時の癖で、唇に指を掛けた。
確かに異性と交わる際も、女性の方が愉悦が深いと聞いた事がある。それと同じなのだろうか?
試してみたいが、相手が居ないとこればかりは出来ない。大体、好き好んで自分の様なガタイの良い男を抱こうとする輩など、居ないだろう。
そうだ」
小平太や留三郎はどうだろう?あれらは一応、武家の末席に位置付けていた筈いやいや。急に「ちょっと私を抱いてくれないか」なんて言ってみろ。次の日からどんな目で見られる事やら。

長次は頭を横に振った。

それなら」
恥をしのんで土井先生に頼んでみようかいや、待て。頼んだ瞬間、急性胃炎で倒れてしまうかもしれない。原因が私の妙な頼みで倒れたなんて言ったら、きり丸に恨まれてしまう。

長次は頭を抱える。

はあ」
これなら五年生の頃に、若王寺先輩にでも教えて貰えば良かった。
しかし、尊敬する若王寺先輩を前にそんな事頼めただろうか?多分、いや、無理だろうな。

仕方ない。市井の店に足を運ぶか」
そう長次は呟くと、見ていた冊子を棚へ戻し図書室を後にした。
外出届けを貰いに職員室へ行こうとした矢先。
「長次」

──後ろから呼び止められた。

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全部この出だしにして、六年生や他カプで作ってみたい。むしろ見てみたい。
知識だけあるムッツリ長次可愛い。