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syanpon
2026-04-20 21:29:56
1101文字
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悪いことは一つで十分
ししょすば
現パロ
パチパチとまばたきをした。視界に映るのは自分に向かって手を差し出したスバルのみ。どうやら夢ではないようでオットーはその手のひらにそっと手を置いた。瞬間振り払われ目の前のスバルはお手本のような地団駄を踏んで叫ぶ。
「ちがーう! お手じゃないのよ」
「わん」
「ノリいいな!?」
「ありがとうございます」
「じゃなくて! 俺は二十歳になったわけよ」
「はい。おめでとうございます」
「だから二十歳にならないとできないことが解禁されたわけ」
「そうですね」
瞳をキラキラとさせてこちらに語りかける姿は可愛らしい。くるくると縁起がかった動きはほんの少しうざくもあるが恋人の欲目でギリ可愛らしい。再度両手を差し出したスバルは先程と全く同じ言葉を口にする。
「煙草! 一口ちょーだい!」
***
「1本とは言わないんですね」
「お前の吸ってるやつに興味があるだけだから。あとお前自分はスパスパ吸うくせに俺にはそんなに吸わせてくれる気無かっただろ。一口分だけでこんなにごねられると思わなかったわ」
「その言葉そっくりそのままお返ししますよ。
――
はい」
ライターを取り出す。小指の先にも満たないその小さな火が先端に触れればジ、と音を立てて煙草の先端に燃え移った。煙が立ち昇ったのを確認してそのままからの口元に持っていく。
「そのまま軽く咥えて、そう上手。ゆっくり吸ってください」
オットーの手からスバルが煙草の先端をぱくりと咥える。思ったよりも早く、深くその薄っぺらな胸が膨らむのをみてまずいと思ったときにはもう遅い。反射でスバルは大きく咳きこみ口腔内に溜まった煙はオットーに吹きかけられた。
「げほっこほっ! ご、ごめん」
「
……
熱烈だなあ」
「は?
……
あ!? ちがう! ちがうって! オタクよくあるタバコの煙ふーシチュはこんなんじゃないだろ!」
「もういい2度と吸わない」とぷんすこ怒るスバルを横目にオットーは口元だけで笑った。せっかく火をつけたのだから勿体無いと口をつける。
煙草を持っていない右手でスバルの顎を掴めばキスされるとでも思ったかぎゅうと目を閉じて動かなくなる。いくつ年を重ねたところでオットーより年下なのも変わらないし汚れてほしくない存在なのも変わらない。
「
――
これ以上変なものにハマったらダメですよ」
「これ以上ってなんだよ
……
」
いつまで経っても唇が降ってこないことに焦れたのか眉を寄せて困ったように、不機嫌そうにスバルがごちる。その問いに答える代わりにふうっと煙草の煙を吹きかけ、まだ十分長さのあるそれを灰皿に擦り付けた。
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