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三毛田
2026-04-20 21:09:23
1070文字
Public
1000字7
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33 【33/人の話はちゃんと聞け】
33日目
忠告してくれた相手を心配させるから
「ひゃんほ〜」
「いひゃいよ〜」
「お前たちが俺の言うことを聞かないからだ」
丹恒は器用に両の手それぞれで、俺となのの頬を掴み引っ張る。
なんだかんだで優しい人なので、彼女の柔らかな頬は痕にならない。代わりに、俺の頬は真っ赤になるだろう。
「出発前に、俺は何と言った」
尋ねる口調であるものの、圧をかけてくる。これは素直に答えないと、引っ張られる時間が長くなるだけ。
けど。
可愛い色をした瞳と視線が絡む。どうやら、なのも覚えていない様子。
マズい。非常にマズい。
ちゃんと答えられていれば、丹恒の怒りも静まるのだけれど、これでは怒りが増長するだけ。
「
……
」
二人そろって冷や汗を垂れ流している状態なのに気づいたのか、視線が冷たい。
「ごめんなさい!」
「覚えていません!」
頬を引っ張る手が離れた瞬間、勢いよく頭を下げる。
ここは素直に覚えていないと言った方が、受けるダメージは少なくて済む。
「そうだと思っていた」
重いため息。いたたまれない気持ちになる。
「今回は特に何も起きなかったから、これ以上追及するのはやめておこう」
その言葉に、頭を上げる。けど。
「だが、次はない」
俺たちを見下ろす丹恒の目が、一切笑っていない。それどころか、いつも以上に冷たい色を宿していて。
ちびりそうだった。いや。多分、ちびった。
次はない。宣言の後、軽く拳骨を落とされて、解散。
「た、丹恒先生」
なのがちょっとだけべそをかきながら自室へ戻った後、恐る恐る名前を読んでみて。こちらを向いた彼の眼は、まだまだ冷たく。
「ぴっ」
情けない悲鳴が口から零れ落ち。
「
……
すまない。まだ冷静になれていない」
「う、ううん。丹恒が、俺となののことが心配だからキツイ言い方をしたのは、分かってる」
それに、彼を不安な気持ちにさせた。もしかしたら嫌われるかも。という子持ちもあっただろうに、叱ってくれたのだ。
だから、それに対して誠実である対応をしなければ。
「ぎゅってして、いいか?」
「
……
好きにしろ」
そっと抱きしめる。いつもよりも、体温が低い気がして。
ああ。俺が思う以上に心配させてしまったのだと、後悔。
「ごめん、丹恒」
謝ると、ぎゅっとだ背中に回った腕に力が入り。
「お前たちを失う方が、俺は辛い」
「そうだよな。俺も、丹恒がいなくなったら、辛い」
ぐりぐりと押し付けられるひたい。摩擦で射たくならないかと考えていたら、背中をつねられて。
「丹恒、流石に痛いって」
「お前が悪い」
「はいはい」
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