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2026-04-20 02:33:59
2049文字
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よしよししたがる妖精は膝枕で甘やかしたい

よしよしシリーズ2つ目。今回は膝枕です。膝枕からのチューが、書きたかったのです。

「ふふふ、こうして上からファルカさんを見下ろすのもたまにはいいですね」
「はは、そうかい」
恋人同士のゆったりとした時間が流れているように見えて、ファルカの内心は忙しかった。
何しろ今、ファルカはフリンズの膝に頭を乗せる、いわば膝枕をしてもらっているのだから。切っ掛けはいつも通り、フリンズがファルカを甘やかしたくて持ち掛けてきたのだ。その時のやり取りはこんな感じだ。
「ファルカさん、少しお疲れでしょう。よければこちらへどうぞ?」
そういって自分の膝をぽん、と叩いて誘ってきたときは流石のファルカも固まってしまった。タイトスカートに包まれ、座っていることで立っている時よりもむちっと肉感が増している太腿の柔らかさは、幾度の情事で堪能済みであり、なんならこの手に覚えているくらいだ。だが、膝枕は少し、話が変わってくる。
「あ、いや頭って重いんだぞ?足がしびれちまうんじゃ」
「おや、僕の心配をしてくれているんですか?お気になさらず、僕には痺れるという感覚はありませんから」
「そ、そうなのか」
「ええ、ですから、遠慮なさらずどうぞ。それとも、僕の膝ではご不満ですか?」
「そんなことはない!膝、借りるぞ!」
しょんぼりと聞こえてきそうなくらい眉を下げ、寂し気にするフリンズを見たファルカに、断るという選択肢はなくなった。そして冒頭へと戻る。
(く、くううううう!柔らかい!そしてふわりといい匂いもしてきているー!)
ファルカの心中はというと、恋人の柔らかくも戦うもの特有のしなやかな筋肉が感じられる太腿が、頭を包むように支える感触に悶えそうになっている。掌とは違い、頭に直接感じる柔らかさとふわりと香ってくる花のような香りが堪らない。そしてそれだけでは終わらないのがこの甘やかしたがりの恋人である。ゆっくりと、ファルカの頭を撫でてゆるゆると髪を梳き、優しい眼差しで見下ろしてきた。優しいその手つきは幼いころの母親を彷彿とさせるもので、やはり子ども扱いしているのでは?と思いたくなるものだった。いくら600年以上生きている存在からしたら自分は赤子のような年とはいえ、恋人に対する態度ではないのだろうか?とつい思ってしまう。
「どうしたんですか?先ほどから考え事をしているようで落ち着かないみたいですが」
「わ、悪い。気に障ったか?」
「いいえ、ただそんなに頭を動かされると、くすぐったくて変な声が出てしまいそうです」
「へ、変な声ってお前なぁ」
「ふふふん、あん。もう、言ったそばから」
寝返りをしたら太腿をぐりっと刺激したためか、フリンズの口から甘い声が漏れる。その声に煽られたファルカが掌をフリンズの後頭部へと回し、ゆっくりと自分の方へと引き寄せる。宵闇のカーテンのように、彼女の髪はさらりと流れてファルカの視界をフリンズだけにしてしまう。互いの顔しか見えない空間でじっと見つめあい、自分の色を持つ瞳を眺める。どちらからともなくゆっくりと、顔を寄せ合いそのまま、触れるだけの口付けをした。ちゅ、ちゅ、と可愛らしい音をさせながら互いの唇を擦り合わせつづけるも、前屈みの姿勢と仰向けの姿勢では思うように動けないもどかしさが勝り離れた。離れ際のフリンズの表情は、まるで引き離されたかのように切なげな色を秘めており、見上げているのと艶やかな宵闇色の髪と合わさって、まるで星もなく月だけが寂し気に輝いているようだった。寂しがり屋な月を慰めたくて、白くまろい頬を両手で優しく包みこみ、自分から、一度離れた唇を自分のそれで迎えに行く。酔いしれるように緩く閉ざされた月の縁に滲んだ雫を指でそっと拭いながら、先ほどはしなかった、舌での咥内の愛撫もしていく。たどたどしくも応えようとする、自分よりも小さな舌の動きに愛しさを募らせながらも、中を味わう動きは激しく、唇の隙間からはふ、と熱い吐息が漏れていた。ちゅぷ、くちゅり、と互いの唾液を舌で掻き混ぜる水音が互いに響く中で、フリンズの目がぎゅっと固く閉じ、唇も震えだしたのを察したファルカがゆっくりと舌を引き、解放した。やっと解放された口から忙しなく肩を揺らして呼吸をするフリンズは、満月が水面に移っているかのようにその目を涙で滲ませ、白雪のような頬も赤に染まっていた。そんなフリンズを優しく抱きしめ背中をゆっくりと撫でていると、むう、と聞こえてきそうな頬を膨らませたフリンズと目が合った。さっきまで甘やかしていたのに、立場が逆転したのが面白くないのだろうが、ここは男として甘やかす立場を譲ってほしいという気持ちを込め、そっと瞼に唇を落とす。擽ったそうに身を震わせ、くすくすと楽し気で、しょうがないですねぇと言いそうにしているフリンズをファルカは可愛くて仕方がなかった。さてと、これからたっぷりとこの年上の恋人を甘やかし、どう蕩かせようかと、ファルカが楽し気に思考に耽るのをフリンズは気づかず、逞しい恋人の抱擁を全身で受け止め幸せそうに微笑んでいた。