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メメント森井もりさわ
2026-04-19 01:33:13
1286文字
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夢オチの鉄の目
思い付きなので短いです。
鉄の目とイゾルデが出てきます。
パッと書いてしまったのであまり良くないかも。すみません許してください。
「迎えに来ました。マスター」
と、言葉をかけたのは鉄の目だった。手にしたダガーは血に塗れ、彼自身も少なからず傷を負っていた。その有り様が、ここまでの行程の過酷さを物語っている。
しかし、鉄の目に相対する女人
……
彼の後見人であるイゾルデは、悲しげな表情のまま、何も語らなかった。
数ヶ月前、彼女は突然「寄宿舎」から姿を消し、長らく行方不明になっていたのだ。「施設」の後見人が攫われたとなれば一大事。イゾルデ発見の任務を仰せつかった鉄の目は張り切って解決にのぞんだ。彼女を拐かす相手など、並大抵の者じゃない。未知の脅威に、鉄の目の心は踊った。
そして、とうとう彼は成し遂げた。足取りを辿るのも一筋縄ではいかなかったが、ともかく。彼はイゾルデを見つけたのである。
奇跡的なことに、まだ彼女は生きていた。
イゾルデは、とある没落した貴族の屋敷に囚われていたのである。偽の依頼でも受けてしまったのだろう。騙され、囚われ、そのまま屋敷を出ることが叶わなかったのだ。
しかし、鉄の目には気にかかる点があった。鉄の目はやっと再会できたイゾルデに問うた。
「なぜ、何も連絡を寄越さなかったのですか? 監視の目を掻い潜るなど、貴女には容易いはずでしょう」
イゾルデは、やはり何も答えない。腰掛けたベッドから立ち上がる様子もない。彼女の目線は、床の上
……
鉄の目が最後に殺した男に注がれている。屋敷の主人だった男だ。
何もかもが奇妙に思えた。確かに、屋敷に入ってからこの部屋まで辿り着くのには苦労した。罠や人員の配置が巧妙だったためだ。しかし、その一方で鉄の目を阻む私兵(この屋敷の主人が雇ったのだろう)の練度は非常に低い。鉄の目が負った傷のほとんどは、罠によるものだった。
また、囚われていたイゾルデの状況にも違和感がある。彼女に拷問や陵辱の跡が無いばかりか、この部屋は豪奢に整えられた客室なのだ。とすれば、洗脳を疑うべきだが
……
イゾルデは余りにも正気に見えた。
ごろごろ。屋敷の外は激しい雷雨が降り注いでいる。雷光が部屋の中に白く差し込み、その瞬間だけくっきりと影が浮かんだ。
「マスター」
彼の発した声は掠れていた。鉄の目は震え始めている。俺は、とんでもないことを仕出かしたのではないか? もし、全てが彼女の意思による行ないなのだとしたら?
いや、彼女は「施設」の教えに誰よりも忠実だったはずだ。そうすることを鉄の目に教えたのは、他ならぬ彼女だったのだ。
鉄の目は、イゾルデの手を強引に掴み、引き寄せようとした。そして「帰りましょう」と言うつもりだった。だが、
鉄の目が握ったイゾルデの手、たおやかな指、柔らかな肌
……
そこに異質な感触があった。硬質なもの。おそらく金属製の。それは、イゾルデの指をグルリと囲っていて
……
***
「うわああぁぁぁっ!?!?!!」
鉄の目は飛び起きた。全ては夢の中の出来事。
彼の後見人が、どこぞの馬の骨と結ばれるなんて起こり得ない話。
だって慕わしい彼のイゾルデは、とっくのとうに死んでいるのだから。
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