ゆべし
2026-04-18 09:44:02
2537文字
Public 銀色の夢
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牽制

gntk夢、時系列が夜市のあとになってます
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さくらさくらさくらさくらさくらさくらさくらさくら「ありがとうございました〜」
「精が出ますねィ」
「あら、沖田さん。こんにちは」
「団子と茶、くだせェ」
「お仕事中じゃないんですか?」
「これも大事な見回りの一貫でさァ」
 仕方のない人、と思いながら今日は誰も来ないだろうから良かったと安堵する。タイミングが悪いと桂さんや高杉さんと鉢合わせることもあるから、そうなったら大変なのだ。
「オイ、コラ総悟。誰が休憩していいなんて言った?」
「酷いお人だ。俺ァ、てっきり土方さんもここで一服したいと思ってやした」
……
「仕事なら仕方ねェや。さくらさん、団子は土産に」
「少しだ。それ食ったら行くぞ」
「へーへー」
 気づけば、真選組の方が増えていた。土方さんに何か食べていかれますか?と聞けば、沖田さんと同じものを頼まれた。最近、市中を騒がせる事件もないし、比較的穏やかなのかもしれない。
「お待たせしました」
「ところでさくらさん」
「何ですか?」
「夜市の夜、万事屋の旦那と歩いてやしたね」
「それが何か?」
「いやね、いい感じの雰囲気だったんで遂に旦那が腹ァ括ったのかと思いやして」
「あの天パにそこまでの甲斐性があるとは思えねェが……
「何言ってるんでィ。アンタも似たようなもんだろ」
「似てるたまるかァ!」
「で、どうなんでさァ」
「どうと言われても……
 夜市は盛り上がって、出店の売上も良かった。気合いを入れて着た浴衣は大好評だったけど、私は終始ドキドキしっぱなし。だって、脱がされるために着たことなんてなかったから。
……
「ありゃりゃ? 聞いちゃいけねぇことでしたか」
「コイツの言うこと真に受けてたら、キリがねぇぞ」
「連れて帰ってもらいましたよ、万事屋に」
「は?」
「へぇ〜」
 これ以上は言えないし、言わないけど、何も無かったことにはできない。その先はお好きな妄想に任せます。どう思われようと構わない。二人にお団子とお茶を出すとすぐに店の中へと戻る。全く答えにくいことを聞いてくるんだから。
「大串くんたち、なんだって?」
「夜市の夜、銀さんと帰っていたとこを見られちゃったみたいで」
……そりゃ、見られるって」
「でも、こっそり抜け出したじゃないですか」
「見せつけてやったんだよ」
「銀さん!」
 たまたま中にいた銀さんはそんなこと言うけど、そこまでしなくたっていいのに。
「ただでさえ人気者のさくらさんの周りにはこの位の牽制しとかねーと」
「何言ってんですか」
「次の休み、いつ?」
……明後日です」
「終わる頃迎えにくるわ。神楽がオメーの飯楽しみにしてっからさ」
「ご飯なら今日でも行きますよ」
「マジか、そりゃあ喜ぶわ」
「買い物したいので、ここで待っててください」
「りょーかい」
 串団を最後のひと口で食べきって、半分ほど減っていた湯呑にお茶を継ぎ足す。今夜は何を作ろうか。この前はお肉だったし、ヘルシーにお魚でもいいかも。でも、新八君も神楽ちゃんも育ち盛りだし、やっぱりお肉もあったほうがいいかな。献立を考えながら、店長に先に上がらせてもらってもいいか声をかけた。



「締りのねェ顔しやがって」
「元々こういう顔なんでね」
「隅に置けないねィ、万事屋の旦那ァ。手に入れる前から勝確たァ、羨ましい限りで」
 今日もさくらの淹れる茶が美味い。あまりにもゆっくりと流れる時間に眠気を覚えながら待つ。いい気分でいたところ、水を差す輩が二人やってきた。表で変なカマかけてたのはそっちだろ。
「俺ァ、今、機嫌がいいから? 何も言わんでやるけども」
 あんまり困るようなことさせると噛みつくからね。ビリッと辺りの空気が刺さる。別に一戦交えたいわけでもなんでもない。寧ろ、それは御免被りたい。
「旦那がそんなんじゃあ、さくらさんはこの先も大変ですねィ」
「なんでだよ」
「白黒ハッキリさせねェから、こういう輩に煽られるんですぜィ」
「俺を一緒にすんな、俺を」
「土方さんだって、同類でさァ」
「ん~~~ 分かんないかなぁ」
 そりゃ、できるなら、囲って囲って誰にも触れられないように閉じ込めたい。物理的じゃなくても、精神的にそうしたいと思うことなんていくらでもある。でも、それじゃあ自由もへったくれもないってことで。こんくらいの距離感が丁度いいってことなんですよ。
「むさ苦しい男集団の君たちには分からねェよな、きっと」
「おい、万事屋。その無駄口、叩き切ってやるから表出ろ」
「嫌だね。俺は仕事終わりのさくらと買い物デートなの。野蛮な決闘なんぞしてられっか」
「男の果たし状を突き返すたァ。旦那、魂まで腐り果てたんですかィ?」
……
「止めろ、総悟。腐ったヤツに何言っても仕方ねェぞ」
「黙って聞いてりゃ、好き勝手言いやがって!」
「銀さん?」
 真選組のお二人も、すみません片付けもお茶のおかわりもお出ししないで。そう言いながら戻ってきたさくらは茶屋の看板娘の姿から淡い水色の着物に着替えていた。おかわりについて確認するといらないと言う二人、空いた食器を片付け始める。その着物、今日来てきてやつ?銀さんとデートするために着てきましたって感じ?約束なんてしてなかったけど。
「あ~ぁ、つまんねェや。行きやしょう、土方さん。こんなところで油売ってる場合じゃないですぜィ」
「テメーが寄り道したんだろうが!!!」
「お二人ともお帰りですか?」
「へい、また来まさァ」
さくら、行くよ〜」
「あ、ちょっと、銀さん!」
 この姿を見せたくなくて、一秒でも早く立ち去りたかった。律儀なもんで深々と頭を下げてから、先を歩く俺の隣に追いついてくる。何作ってくれんの?と尋ねれば、何が食べたいです?と聞き返された。何を作ってもらっても美味いが、今日は甘やかされたいお子様気分だからオムライスをリクエストした。
「ふふっ、銀さん子供みたい」
「こんなに下心バリバリの子供がいたら困るって。俺は歴とした男なの」
「明後日は久しぶりに外でお酒が飲みたいです」
……神楽には悪ぃが新八んとこに泊まりに行ってもらうか」
「楽しみ、だな~」