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望月 鏡翠
2026-04-13 21:29:52
988文字
Public
日課
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#2049 THE MEME! その16
#毎日最低800文字のSSを書く/ダーリンランデヴー!
観覧車は頂点をすぎ、降り始めている。下に着くまでのわずかな時間で、目の前のダーリンをどうするのか決めねばならなかった。
イライジャの葛藤と裏腹に、ラダは腹立たしいくらいの平坦な温度だった。彼女を人間らしいと思うことができたのは、妻について語るときだけだ。
「俺は、妻の姿が利用されていることに、憤っています。それに対して何もしないのは、怒りの対象が俺自身だからです。そして貴方たちは何百年経とうと、所詮そのようであるという諦めがあります」
「怒りから、俺を騙したのか?」
「貴方に嘘を吐くという行為は、結果として生じたにすぎません。たとえ偽物であってもこれ以上奪われるのは嫌だ。理不尽だ。そう感じたのです。それで私が破滅したとしても、もともと死んでいるから構わない。そのように思いました」
それはラダに感じている危険性を補強するだけの答えだ。
「お前に今、俺を監視役としてある程度の自由が許されているのは、協力で従順だったからだ。それがなくなるのなら、こっちも対応を変えなちゃならなくなる」
従うふりをして騙そうとしていたというのは、行動の自由だけでなく彼女に対する危険度の評価にも関係する。生前人を陥れるようなところがあると評価されていただけに、厳しい処分が降り二度と外に出られない可能性もある。
「妥当な判断です」
「お前も同じ意見か?」
イライジャはラダのmeme_@に目を向けた。
「お前たちは微妙に違う。そっちの方が感情的で、ラダは余計なことを何も話さない」
この街には何もない。そんな感情的なことを言ってしまったのは、彼女が本人ではないからだ。思考は同じなのだろうが、ラダは怒りを表に出さず、meme_@は言葉にしてしまう。
「外に出られなくなるのは、困ります」
こいつはこう言っているが、という目をラダに向ける。同じ思考だというのなら、別にそれで構わないと言いながら、それだと困るという気持ちもどこかに持ち合わせいるということになる。
ラダは素直に白状してしまう複製体に少し呆れた、しかし子供を見るような慈愛に満ちた目を向けて、頷いた。
「そうですね。困ります。どうしたら許してもらえるのか、イライジャに相談しましょう」
観覧車が地面に到着し、流れ作業のようにイライジャたちは外に押し出される。そう言えば、¡.am?を探すのを忘れていた。
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