氷酒
2026-04-12 22:36:27
1257文字
Public SS
 

『幕間  真夜中のエンジン音』

まりみや組SS。ついったでのネタより。

「あ、真倫ー。今日外で食べてくるから夕飯作らなくて大丈夫」
「ん、了解。何、友達と?」
「いや、仕事の関係。記事書かせて貰ってる雑誌の編集とか、なんか若い人で集まるんだって。打ち合わせの後に折角だからって言われて」
「ああ、そういうやつ。コネは大事にしとけよー」
「言われなくても分かってるって!」
……ま。無駄だと思うけど飲みすぎんなよ」


『幕間  真夜中のエンジン音』


『二次会にバー? みたいなところ連れて行ってもらった!』
『見て見て真倫! すっげー綺麗なカクテル! なんたらアイランドって言うんだって』
『飲んでみたけど甘くてあんまり酒っぽくない。カクテルって美味しいかも』
『カクテルって色々あるんだな。おススメあるって言われた』
『まりん、仕事してる? いそがしい?』
『こういう店、こんどまりんもいっしょに行きたい』
『まrんいまなにs』


……いやいやいやオイ」
 会議用の通話ルームから退出したところで一連のメッセージを確認し、俺は盛大にため息をついた。
 ちらりと時計を見遣れば、時刻は夜23時。次の企画やコンセプト、スケジュールのすり合わせやらで想定よりも話に熱が入ってしまった。ようやくひと段落ついたころには、夜も随分と更けていた。
 いくつになっても育ちざかり食べ盛りの隣人がいるため、毎日の俺のルーティーンは基本的にあまり変化がない。その分、逆に例外があると、その日はとことん乱れてしまう。そうして仕事に熱中し、しばらく見落としていたスマホの通知を見れば、この様だ。
 なんとなしに思っていたより帰ってくるのが遅いなと感じていたが、まさか次の店にまで連れていかれとは。しかも映っている写真、めちゃくちゃ度数が高いやつじゃねぇか。
「もー、酒飲みなれてねェんだから少しは警戒しろっての」
 昨今、酔い潰されて危険なのは女子だけじゃねぇんだから。なんて、いくら悪態をついても本人不在のこの場では全く意味がない。いや、もし聞こえていたとしても、メッセの文章から察するに全く覚えていないで終わるだろう。
 送られたカクテルの写真にちらりと写っていたコースターから店の名前を確認し、ネットで検索をかける。今日行くと言っていた職場の付近で検索すれば、どうやら場所はそう遠く離れていないようだった。
 これなら、近所にすむ仕事仲間から車を借りればすぐにつくだろう。

「あ、わりぃ。今からそっち行くから車貸してくんない? ガキが酔いつぶれたから回収しに行くわ」
『うわ出たよ人妻子持ちの子煩悩』
「ウッセ黙れ。まだ独身だし子供じゃねぇよ」
 
 もはや聞きなれたからかいをあしらいつつ、上着を羽織る。今が素面で良かった。これが電車だったら、入れ違いになる可能性だってあったかもしれない。
 今夜に限っては直前まで仕事をしていて良かったと言えるだろう。
 
 
 ……まぁ、もともとアイツが帰ってくるまで飲む気なんてなかったけど。
 
 
 
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 ついったのネタより。