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A4
2026-04-12 10:49:23
1935文字
Public
助手2号のお兄ちゃんのイトアキ
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バニーガールで奉仕する
難問を突きつけられるチャンピオンなのであった B面に続く
「ねえ、ライトさん、この中だったらどれがいい?」
アキラは二つ折りになるタイプの薄型ガーメントケースをベッドに広げた。
ジッパーを開き、中から出てきたのは数種類の衣装だった。
それを見て、ライトの頭の中には様々な疑問が生まれた。
何故、そんなにもたくさんのバリエーションがあり、それをアキラが所有しているのか。
何故、今ここに広げられ、選択を迫られているのか。
大きく占めていたのはこの二つであるが、他にもある。
アキラはコスプレで性行為するのが好きなのか。
この衣装はどうやって手に入れたのか。
これらはどこに保管しているのか。
どんな気持ちで選んだのか。
…………
。
「ライトさん、おーい、聞こえてる?」
ハッと気づくと、アキラの顔が目の前にあり、彼は軽く眉根を寄せていた。怪訝な表情をしている。
「すまん。気が遠くなっていた」
「休んでないんじゃないかい。また、いざこざがあったってパイパーから聞いたよ」
「あんなもん日常茶飯事でトラブルにも入れられないやつだ」
「ならいいけど。でも、気をつけてほしいな。いつだって慢心が命取りになるんだからね」
アキラの言うことに神妙に頷くが、視線はベッドの上に丁寧に並べられた衣装に釘付けだった。
それは、バニースーツだった。
いわゆる、肩出しのボディスーツで、足が出るところはハイレグにカットされている。ウサギの耳がついたヘアバンド、蝶ネクタイ、カフスで一式となっていて、それが三種類もあった。
ひとつはカジノやテレビのバラエティ番組のアシスタントが身につけているような、一般的なタイプ。すなわち、黒のウサギ耳、黒のスーツ、黒の蝶ネクタイに白のカフス。薄地のストッキングがセットされている。
ひとつは白のウサギ耳、白のスーツ、赤い蝶ネクタイに白のカフスに白の網タイツ。
最後はひときわ目を引くカラーリングだった。白のウサギ耳にピンクのスーツ、赤い網タイツで、蝶ネクタイとカフスはウサギの毛皮を思わせるふわふわの素材が使われていた。
改めてアキラの顔を見る。
どうだと言わんばかりの、何やら自信に満ちあふれた表情をしていた。
ライトは眉間を自分の指でもんだ。
目がかすんできた。
ここのところ、ほこりっぽい郊外で肉体労働に従事したせいだろうか。
ファンタジィ・リゾートで休養した方がいいのかもしれない。
「ライトさん?」
再び、アキラの声で現実に引き戻される。
何度見たって、そこにはバニーガールの衣装があった。男が着たらバニーボーイなのだろうか?
「ああ、この中だったらどれがいい、だったな」
ちゃんと、アキラの質問を覚えていた。
ライトは腕組みをして考える振りをする。
正直なところ、どれでもよかった。
たぶん、アキラなら似合うだろう。彼は何を着たって似合うのだ。パンダのかぶりものやら馬のかぶりものをつけていたってそのうち見慣れてしまうのだから、この三つの中、どれを着たって遜色ないに違いない。
そのため、ライトは慎重に選ばねばならなかった。
これまでの経験上、ライトが答えたことが、ライトの好みであると判定されてしまうためだ。
どれを選んだって、彼は「ふうん」と不思議そうにして、「こういうのが好きなんだね」と言う。バーニスのニトロフューエルを賭けたっていい。
こんなに悩んだことはないのではないか、というくらい、ライトは正解を探した。
オーソドックスな黒? やっぱり、なんて笑われる気がする。
白を選んだら「清楚だからね、これ」というのではないか。以前に街を歩いているときにショーウインドウを見ていて、女性ものの服について言及したところ、「ライトさんはそういうのが好きなんだね」などと言ってきたのだ。
ピンク。難問だ。正直、このバニースーツは惹かれた。ふだんアキラが身につけない色であるし、ふわふわのチョーカーとカフスは、たとえ成人男性であったとしてもアキラなら、かわいいのではないか。
しかし、ここでピンクと答えるのは果たして、正解なのだろうか。
それに、と、またぞろ疑問が芽生える。
「その、答える前の確認だが、あんたがこれを着てくれるんだよな?」
「申し訳ないが、ライトさんのは特注になるよ。採寸しないと。着たかった?」
「いい、変な気を回さないでくれ、間に合ってる、あんたが着るならどれがいいかってことで、合ってるよな?」
「ああ」
「着て、何をしてくれるんだ?」
「バニーガールになって、奉仕してあげるよ」
アキラはニコッと笑った。
かわいらしい笑顔にほだされそうになるが、警鐘が鳴る。
①黒の正統派
②白の清楚?
③ピンクのバニー
三つの選択肢を提示されて、ライトは冷や汗をかくのであった。
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