ゆべし
2026-04-11 19:01:22
1405文字
Public 銀色の夢
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ヒーロー参上

gntk夢
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さくらさくら 私は昔から不運で、間が悪いとか、空気が読めないとか、自分ではどうしようもないようなことで人から嫌われたり、目を付けられたりする。
 今もまさにそんな状況で、柄の悪い輩に連れ去られてしまった。どうやら銀さんに仕事を邪魔されたことがあるみたいで、私が、その、銀さんの女だから取引の道具にしようって話らしい。
「私なんかを助けに銀さんが来るわけない!」
「嘘言っちゃいけないぜ、お嬢ちゃん。男には分かるんだよ。アイツがアンタをどれだけ大事に思ってるかくらいはなァ」
……
 怖いか怖くないかで聞かれると、何をされるか分からないし怖い。でも、もし、本当に銀さんが助けに来てくれたなら、私は小躍りするくらい喜んでしまうに違いない。こんなにも名誉な展開は生まれてはじめてだから。
「それにしても遅くないですかい?」
「確かになァ……ちょっと、暇つぶしにこの女で遊ぶか」
「えっ……
「ただ殺すだけじゃ勿体ねェもんな」
「さ、触らないで!」
「口ごたえすんじゃねェ!」
 振りかざされた手が迷いもなく振り下ろされる。衝撃をできるだけ受け流すために目を瞑って下を向く。痛い思いをしたって、最終的にあの場所へ帰ることができればいい。だけど、奥歯を噛みしめて待てど暮らせど衝撃はやってこない。
「あ、れ?」
「ぐはっ!」
「汚ェゴミでも落ちてるかと思って踏んづけちまった」
「銀さん!」
「悪ィ、遅くなっちまったな」
 静かにメコッと顔に足を踏み込んで、銀さんは華麗に現れた。途端に込み上げる感情に鼻の奥がツンとした。待ちに待った銀さんの登場だというのにさっきまでの威勢はどこへやら。さっさと縄を切ってくれて、あっという間に抱き上げられた。
「ぎぎぎ、銀さん!」
「なんだよ、油切れのオモチャじゃねェぞ」
「私、歩けるから!」
「いーから護られてろって。口は閉じとけよ? 舌噛んでも知らねェからな」
「おおい! こっち無視して話、進めんなよ?!」
「あぁ? 無視してねェって、いないもんと思ってるだけだ」
「そっちのほうがタチ悪ィだろ!!」
 煩いよ、そう言って一振りすれば周りにいた人たちはあっさりと吹っ飛んでしまう。銀さんにとってはそれだけの相手ということだ。そんな輩に捕まってしまって不甲斐ない。
「おい、さくら
……
「おーい、さくらちゃーーーん」
「えっ? あ、何?」
 悶々と考えていたら銀さんに呼ばれていることに気づかなかった。抱き上げられているから見下ろした形で視線を向ける。ムスッとした顔の銀さんは私のお腹に顔を埋めてギュッと抱きしめてくれた。
「どうしたの?」
「なんであんな奴らに捕まったのかって思ってんだろ」
……うん」
「あんな奴らでも喧嘩は強ぇし、何より相手は男だ。オメーじゃ捕まるのは当たり前なの」
「でも……逃げることは、出来たかな?って」
「逆上させて殴られたらどーすんのよ」
「それは……
「だからさ、無理しなくていいんだよ」
 俺をヒーローにさせてくれ。そんなこと言われたら、言い返したくなる。あなたはいつだって、私のヒーローだよって。
「けーるぞ。出てくる時、神楽が半ギレしてたから新八がどうなってることか」
「そ、そうなの? 新八君に悪いことしちゃったな」
「俺もめちゃくちゃ心配した」
「助けに来てくれてありがとう、銀さん」
「どーいたしまして」