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モノクロ
2026-04-11 10:48:01
1996文字
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【レカペ7展示小説②】
ウル←♀デプ
※ウルは出てきません
※チャは♀デプを娘みたいに思ってます
背が高くて、ゴツくて、外見はほぼオリジナルと一緒な♀デプちゃん。
誰よりも女の子に憧れて、誰よりも女の子になれない自分を理解してる女の子の小話。
女の子ってなんで出来てるか知ってる?
正解は”お砂糖、スパイス、素敵なもの”分量は人それぞれだけど
――
って信じてないな? 嘘じゃないって、考えてもみろよ。女の子って甘い香りがして、時に刺激的でキラキラ輝いてるだろ? うんうん、分かってくれて嬉しいよ。
――
え? お前はどうなんだって? パパったら分かり切ったこと聞くんだな。俺は違うよ、当たり前だろ。唯一同じなのは刺激的ってとこぐらいじゃない? だとしてもスパイスなんて可愛いもんじゃないけどな
……
こりゃ毒だよ。
なぁに言ってんのパパ。俺のことちゃんと見えてる? なら答えは簡単じゃん。俺はさ、女の子じゃないんだよ。だってお砂糖も、スパイスも、素敵なものも、なんにも持ってないんだ。あるのは皆が怯えるゾンビフェイスとクソったれヒーリングファクタ
―
だけ。おっとゾンビなのは全身のお肌もだった。
……
まぁ、だからって男でもないんだけどさ。自分でも上手く言えないのがイラつくけどなんていうか
……
あー、うん、俺は中途半端なんだよ。身体の機能は女のくせにどこにも”女の子”の要素がないんだ。
この外見と能力を得る前は、だって? なにをそんな必死に聞きたがるかねぇ。アンタって忙しいんだろプロフェッサー、こんなことに時間を割いてる暇は
――
おいおい待てって! その手を頭から離せ! 勝手に俺の頭の中を見ようとするなよ! わかった、わかったよ、ちゃんと俺から話す。だからその手を下ろせ、頼むから、これは嘘じゃない。アンタなら分かるだろ?
……
はぁ、融通の利かないパパで可愛い子どもたちは大丈夫なわけ? 子どもって年じゃないって? そりゃそうだ。はいはいはい、ちゃんと言うよ。昔の俺に”女の子”要素があったかどうかって話だよな?
答えはノー、んなもん元から俺にはないよ。
〜〜〜〜
目の前には真っ赤なリボンが付いた手のひらサイズの箱がひとつ。誰からのプレゼントだと思う? 正解はプロフェッサーX
――
ミュータントの父。人の言うことを聞かないお節介野郎だ。
ぐちぐちと口うるさいチャールズの気が済むまでおしゃべりをしたのってどんくらい前だったっけ? そんなに時間は経ってないとは思うけどそれにしたって行動力がありすぎないか? めっちゃ爽やかな笑顔で渡されたぞ、これ。きっと君に似合うだろうってありがたいお言葉付きで。
「俺のことなんて放っておけばいいのにお節介なパパだこと。プレゼントなんて用意するとかマジで暇人じゃん。しかもそれが真っ赤なルージュとか
……
なに路線に行こうとしてんだろうねぇ、チャールズは」
華奢な作りをしたケースを頭の上に掲げる。どんな顔をしてこれを選んだんだか。
「にしても高そうなやつだな、いい値で売れそう」
草臥れたライトの光でもキラキラと輝く金色に目を細める。
「君に似合うだろう、ねぇ
……
。ちょーっと安直すぎない? 真っ赤なスーツが似合うからって真っ赤なルージュが似合うとは限らないでしょ」
きゅぽんと間の抜けた音と共にキャップを取り去る。
「
……
でも、まぁ、試すくらいなら。せっかく貰ったんだし、それに感想のひとつやふたつは考えとかないとパパの可愛い子どもたちが怒るかもしれないし」
うん、きっとそうだ。チビで、筋肉ダルマで、獣臭くて、短気で、こわぁい爪を持ってるクズリちゃんは特にお怒りに
――――
俺がチャールズから真っ赤なルージュを貰ったって知ったらなんて言うんだろうか。
馬鹿なことを言うな?、お前には勿体ない?、間抜け面を晒すな?
優等生って言葉が誰よりも似合わないアウトローなくせに妙な正義感を持っているし、それを突き通せるだけの力がある。
「似合う、なんてお世辞でも言わないよなぁ」
なにが言いたいかというと、良くも悪くもあの野生動物は真っ直ぐだってことだ。
――
あと女にめっぽう弱い。
普段は滅多に使わない手鏡を机の引き出しの奥から引っ張り出す。久しぶりに手に取ったそれを顔の前に持っていき、もう片方の手に握り締めていた真っ赤なルージュを唇に滑らせる。
「
…………
ははっ」
鏡の中にはボコボコと歪に引き攣れた肌に覆われて口元を真っ赤に染めたアボカドゾンビ。
「まるで血みたいな赤だな
……
モンスターにはお似合いってか」
手鏡をまた引き出しの奥底にしまってぎゅっと目をつぶった。
わかってる。俺はちゃんとわかってる。チャールズが善意でルージュを渡してきたことも、馬鹿にする気は一切ないことも。でも
――
「
…………
やっぱ、駄目だな」
気に食わないクズリが瞼の裏にチラつく。こちらを睨みつけてなにかを言っているが聞こえない、聞きたくない。だってきっとその言葉は俺が望んでるモンじゃないから。
「俺がちゃんとした、女の子だったら」
アンタは似合うって言ってくれたのかな、ローガン。
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