Spoooon
2026-04-10 12:19:28
2540文字
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15回キスしないと出られない部屋(ガイセイ)

ぜんぜん致してはないんですけどキスがえっちになっていくので念のため隔離しています。小説ではないただの文のつぎはぎみたいな感じです。

(前座)
 ※一応両片想いという背景がある
 頬や手の甲にキスするも、カウントに変化がない。
「やっぱり口じゃないと駄目か」
「うん……

1.沈黙。ガイは目を伏せて「好きな男のこと、想像しててくれ」と口にした。返す暇も無いまま唇を寄せられる。ちょんと触れるだけの、今キスしてる、と思う間も無く離れていくものだった。

2.物音一つもしない部屋にガイの重たい息遣いが響いている。何か言わないと、と思っていたけれど、無言で顔が近付いてきたから目を閉じた。

3.「もうちょっと我慢してくれ」
顔が近いことを気遣ってか潜められた声に心臓がざわめいた。目を開くことは出来なかった。ガイがどんな顔をしているのか見るのが怖かったから。そうしていたら眉間を押されて「力抜いとけよ」と囁かれる。その声はとんでもなく優しかった。もちろん落とされる唇も、ほんの少し触れるだけの紳士的なものだった。

4.「どうした?」「なんか……柔らかくて。柔らかいだけなはずなのに、どうしてこんなにどきどきしちゃうんだろうって」そう説明する自分の声が、今まで聞いたことのないほど上擦っていた。反応が無いことが怖かったから恐る恐る目を開くと、ガイの顔が歪んでいた。「何でだろうな。続けてたら分かるんじゃないか?」吐き捨てるような言葉に困惑している間にキスされる。さっきよりも長い。まるで感触を確かめさせられているかのようだった。

5.「……はっ」「鼻で息しろ。窒息するぞ」「じゃあ、すぐに終わるやつしたら良いじゃんっ」「けどオレも気になるんだ。すごくどきどきしてるから」それから反論を受け付けないと言わんばかりに口を塞がれた。「ぁ、う」いま、くちびるを柔く噛まれた。変な声が出て、身体がかっと燃えるように熱くなる。

6.くちびるが離れたと思えばまたすぐ角度を変えて重ねられた。下唇を何度か食まれる。わたしの身体はガイのくちびるの動きを丹念に読み取って、やがて甘く痺れていく。

7.はあはあ、と息を整える。いつの間にか彼のジャケットの袖を握りしめていたことに気づき、慌てて手を離した。「嫌だったか?」「嫌じゃないの。ジャケット皺になっちゃうと思って」「キスは、嫌じゃないのか?」「嫌じゃないよ、むしろ……」「なんだよ」わたしがしどろもどろになっていると、ガイは足をとんとん揺すりはじめた。足音に急かされて、わたしは恥ずかしくて浅ましい言葉を気がつけば口にしていた。「もっと、したい……っ?!」言葉を奪われた。あまりの性急さにパニックになって胸板を押すも、彼の身体はびくとも動かない。

8.一瞬離れて、また押し付けられる。くちびるが食べられた、という表現が似合うだろう。丸ごと口に含められ、ちゅうと吸われると媚びるような甘ったるい声が勝手に喉を震わせる。

9.ぺろりとくちびるを舐められて反射で開くと、口の中に何かが侵入してきた。あつい、あつい。それはねろりとわたしの舌を絡め取っていく。舌と、舌が触れ合っているだけなのに。こんなこと知らなかった。キスって、こんなに、苦しくて、きもちいい。舌が絡むたび思考がどんどん曖昧になっていく。

10.身体がじわじわと熱に浸食される感覚が恐かった。だから顔を逸らして息を整えて、一旦理性を取り戻そうと思っていたのに。「もっとしたいって言ったのはそっちだろ」「あ、ぁ」顎を掴まれ無理矢理視線を合わせられた。彼の眼差しを一心に浴びているだけなのに、ぞくぞくと背筋が震えて、呼吸が荒くなる。ただ恋慕していたときは、目線が合っただけで嬉しくて、ちょっと恥ずかしいみたいな気持ちだったのに。キスを重ねたことによって、目線の意味がすっかり変わってしまった。「はは、物欲しそうだな」また口の中をかき回された。キスと同時に身体が疼いていることは、もう無視できない。

11.「……はあ」ガイは大きな溜め息を吐いた。身体の中に溜まった熱を吐き出すかのように、野性的だった。わたしも体勢を整えるために身じろぎしたら、その弾みで彼の指が耳を掠めてしまったらしい。「っ?!」ほんの一瞬息を呑んだわたしの反応を見過ごさなかった彼は、すりすりと耳をいじめ始める。「ちょっ、と、ん、あ、あ、はぁ」「はあ……耳にキスしても、カウントされないんだもんな……」わたしがとっくに頭から飛ばしていたルールを口にしたガイは、わたしの耳に手を添えたまま口付けてきた。

12.耳をいじめる手は止まらないまま舌を吸われた。もう何が何だか分からなかった。いつのまにか身体の力が抜けていて、腰にガイの手が添えられていた。「ぁあ、うう」何度も舌を吸われ、上顎を舐められて、きもちよかった。

13.ガイの瞳は据わっているように見えた。わたしとガイが胸を上下させる音が、静かな部屋の中に生々しく響いた。それがとても恐ろしいのに、このまま彼に飲み込まれてしまいたいという欲望も湧いてくる。それに突き動かされるがまま、わたしはぼんやりとしている彼に口付けた。自分から舌を入れるのは恥ずかしかったから、触れるだけ。それだけでも十分きもちよかった。くちびるの温もりや、ささくれだった皮の感触を感じるだけで、脳がじんじんと痺れていった。

14.さっきのキスが甘ったれていると言わんばかりに、間髪入れずに舌をねじ込まれる。こんなにも近いのに、ガイは目を全く逸らそうとしなかった。眼差しに籠った熱で拘束されてしまったみたいに、わたしも目を離すことが出来なかった。そういえば一体いつから、ただ部屋を出るためにやっていたキスは、快感を追い求めるためのキスに変わっていたんだろう。

15.「んっ、ぅぅ~~?!」耳を塞がれたせいで、ぐちゅぐちゅと浅ましい音がより鮮明に響く。その音の一つ一つがわたしの正常な思考を奪っていく。やがてくちびるが離されると、ガイはちらりと横を見遣って言った。「……セイカ、もう、キス、終わりらしい」「……え、っ、ええ……」こんな、熱を持て余した身体をわたしは、どうすればいいの。そんな絶望に打ちひしがれていたら、ガイはとろけた眼差しをこちらに向けて、甘えるように言ってきた。
「足りない、なあ、セイカ」