らく@創作企画TRPG
2026-04-09 23:31:55
3493文字
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読書/映画感想 追記

プロジェクトヘイルメアリーがっつりネタバレ!

記憶違いとかあるかもだけど、勢いで書く!
タイムラインで話題になっていて気になって映画を観に行って、その後、小説を読みました。
感想としては、どちらもものすごく出来がいい。面白い。よい、よい、よい。

まだ小説を読んでいないなら、映画→小説→映画のコースが個人的にはよいかなと思います。推しときます。
小説を愛した方々がたくさんいたからこそ映画になり、そして、話題になって知ることが出来て感謝感激あめあられです。
しあわせ!しあわせ!しあわせ!ありがとうございます、プロジェクトヘイルメアリーの民たち。
フォロワーが楽しそうに話していなければ、いろいろと観たい映画がある中で選ばなかったろうなというジャンルだったので、キャッキャッ話しててくれてありがとう。

映画は映画でとてもよくて、小説は小説でとてもよかったです。
SF映画として最高だし、SFバディ小説として最高だった。

映画を観て小説を読むとどういういいことがあるかというと、
映画では「さすがにそうはならんやろ」みたいに思える映画ならではの箇所がそこそこあるんですけども、そこを掘り下げなくても損なわれない臨場感とストーリーラインが確立されているので快く観流せた「そうはならんやろ」箇所を、小説が全部補ってくれます。
まぁでも、読まなくても、映画は映画で面白いので、とりあえず観に行ってはもろて。
小説を読むと、逆算的に、あの映像は、こういう(何十ページにもわたるこの文章シーンが凝縮された)意図があったのねと紐付けできる瞬間がモリモリあって面白いです。

小説を読んだあとに映画を思い出して、映画ではシーンとして端折ってあるけど、端折ってあるだけで「映画のグレースとロッキーもここに至るまでトライ&エラーを重ねただろうし、めっちゃ研究してんだろうな。映像として描かれてはいないけど」という信頼感で映画の中の行間が補えてよいです。とても。
もう一度映画観たいな。
逆に、小説だと描かれる部分が少なかった(グレース視点なので)ストラットの人間的な部分を、映画は補ってくれていたなと思ったりしました。

ロッキーの食事のシーン、映画はポップにしてたんだね!小説に忠実にするとエグいから?笑
映像の親しみやすさ全面押し出しロッキー好きだからいいですけどw あれは夢がある。よい、よい、よい。

小説と映画の結末が異なるという感想を何度か見掛けたので小説を読むのけっこう身構えていたのですが、個人的にはほとんど同じ方向性の着地点だなと感じたので、うーん?となったりした。映画の方がやや明るくてヒーローみが増してるかな?くらい。報われ加減でいうと、小説の方が明確に報われるけど、居住環境で差し引きというか。

個人的に、映画と小説の一番の違いは、観る(読む)側が、グレースがプロジェクトメンバーに至るまでの過程を知る描き方だと思う。
胸に迫るやるせなさというか、空虚さが全然違う。小説の方が上げて落とす描き方だよね。グレースの誇りや自尊心を。

小説の方は一人称だから、徐々に記憶を取り戻していく過程で、結果として読者もグレースも、彼を勇敢な決断をした尊ぶべき人だと思って気分が盛り上がる過程がある。
いやほとんど科学実験で盛り上がっていたとは思うけど、でも、確かに自分はそういう人間だということを心の支えにする描写があったと思う。
映画の方は、その過程はなかったよなぁと思う。覚えてないだけかな。印象に残るような描き方ではなかったと思う、もう一度見返したい~!
映画は、初手からグレースをありのまま描いていたと思う。裏表なく掛け値なしの優秀ないい人間だってことがものすごく伝わってくる。臆病さも伝わってた。

小説の方は最後にひっくり返される。そんな人間ではなかった。けれど、やっぱりグレースは善人で、いい人で、ストラットの言うとおりになる。
この順番ほんとうにすごくうまい。映画では味わえないグレースの心情を味わえたなと思った。
だから、ラストでグレースがロッキーを助けに行くという決断をした瞬間がマジで尊いというか。
同じ片道切符の救済なんだよ。どちらも自分の意思で選ばないといけなかった。
地球ではほとんどグレースの意思は無視されている状態だったから、厳密には同じではなかったかもしれないけど、選ばないといけない条件は同じだった。
他人を助けるために自分の命を捨てる、という条件。
地球ではしなかった決断を、ロッキーのためにグレースはした。

自分の実験の結果が招いた事態でロッキーが死にかけているという事実がグレースの決断にもっとも効いたと個人的には思っていますが、ロッキーは一度、グレースを助けるために命を捨てるような選択をすでにしているっていう事実が、たぶんいちばんグレースを臆病にはさせなかったんだろうとも思う。
グレースはリスク(失望、裏切り、落胆)が怖い。だから臆病になる。でも、ロッキーは彼を立ち止まらせるリスクを持ってない。

地球でも、アストロファージの爆発がグレースに責任の一端があったらグレースは同じ決断してたと思うな。ストラットたちに対して『いちばん親しい仕事仲間たちが声をそろえてきみは死ぬべきだと言っているような』って思うくらいには、親しみと情を感じていたので。
ストラットたちは、グレースを秘密裏に第三候補者にするという裏切りを犯してはいたし、最悪の形でそれを表に出したけど、グレースに決断させるためにそういう濡れ衣を着せたり、嘘を言わなかったあたり、彼女たちができる最大限どうにかギリギリ誠実に、グレースを尊重していたと思う。
でも、それでグレースが納得して決意して行ってたら、きっとヘイルメアリー号の中で目覚めなかったし、プロジェクトは失敗に終わっていたんだろうなと思うと……
(昏睡状態から目覚めるためには、生きる意思が必要っていう感想を目にして、やるせなさと胸熱さが行ったり来たりしましたので)
プロジェクトヘイルメアリーは全体的に人間の醜悪さが少なくていい。

頭のいい優秀な善人の凡人であるグレースは、最後まで、頭のいい優秀な善人の凡人のままで、それでも、誰かのために尊ぶべき行動を取ることができるという結末が、私はとっても好きでした。
ロッキーは逆に、ちょう主人公準拠の行動だったよね。戸惑いなく命を投げ出してグレースを助けちゃうし、ぼくはきみを死なせないって言うし、きみにここにいて欲しいって言うし。……ヒーローだな?思ったよりヒーローだったわ。

そう、だから、小説も映画も、大体同じことを描こうとしていたなと思えたので、すごい!すごい!すごい!
小説読めてよかった~。もっかい映画観たいよ~(鳴き声)ありがとうございました!



きみもプロジェクトヘイルメアリー観る?質問。


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追記感想

そういえば、小説を読んでた途中で、ストラットがグレースを右腕?みたいに扱う理由付けが弱いというか、分かんないなって思いながら読んでた部分があって。

ストラットが、グレースに弱さを見せる場面がある。昏睡耐性の話をグレースに相談する下りを、私はストラットが唯一グレースに見せた彼女の見せない部分だったと思うんだけど、彼女はグレースに吐露して相談した。
その時はまだグレースが昏睡耐性者だとは分かっていなかったはずで、アストロファージ研究の第一人者だったに過ぎない。でも、彼女の気持ちを整理するために話を聞かされる人として選ばれたのはグレースだった。
なんでだろう?って私は思ってた。そんな大事な話をなんでわざわざ呼び出してまでグレースに?って。
それがずっと引っかかって、全部読み終えて、グレースが明確な第三候補者だったからだという理由はその答えの半分(後半部分)の謎しか解いてくれなくて

あとの半分(ストラットは何故ただの研究者だったグレースを相談相手に選んだのか?)はグレースが政治の駆け引きもなく、人類を救うためだという義務感でもなくメリットもなく義侠心で研究を続けることを希望したただ一人の一般人だったからではという理由に私の中ではなった。

ストラットとグレースの人間性の根っこの部分に共通点っていうものがあったのではないかなぁと思うのだった。

グレースはストラットもほぼ友人として扱ってるもんね。親しい仕事仲間を友人とカウントするかどうかの議論は横においといて。
ストラットへの接し方も何もかも線引きしてないのグレースくらいではと思うし。


※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。