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のき
2026-04-09 13:51:24
1229文字
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貴女から見たあたしの景色
前に書いたスタァライトの双葉ちゃんとクロちゃんのSSです。双葉ちゃん目線で書きました。カップリングではないこのふたりの関係性が、きらきらで、まぶしくて大好きです。
やっぱりあたしは追いつけないんだ
幼なじみの香子の半ば強引な誘いで聖翔音楽学園に入学した。受けるからには全力で、と意気込んでいたものの圧倒的な実力の差を見せつけられた。合格順位、30人中、30位。喜びよりも先の不安が頭から離れてくれない。スタート地点からあたしはダメダメだったんだ。
「双葉はん、見てておくれやす♪」
香子が舞うと花や鳥が道を開けるような、一瞬で場が華やかになるのを感じた。
……
やっぱり香子はすごい。
まだ入学して間もないのに、この99期生の中で存分に輝いている。
……
あたしも、
……
あんなふうになれるのかな、
憧れ、羨ましい、悔しい、そんな想いがずっと胸の内で渦巻いていた。
「出席番号2番、石動双葉。入ります!」
レッスン室に入るのはまだ緊張する。周りより小さい背がさらに小さくなりそうで、自分を鼓舞するように人一倍に声を出す。誰も気にもしないことだけどあたしにとっては一日の一歩として大切にしている。
「出席番号18番、天堂真矢。入ります」
99期生の中で一番の星。舞台や演劇に詳しくないあたしでも知っている、演劇界のサラブレッド、天堂真矢。長い髪を靡かせてポジションに着く姿にあたしも周りも息を飲む。同い年のはずなのに見惚れてしまいそうになる。
「出席番号11番、西條クロディーヌ。入りまぁす」
そしてフランス人形のように綺麗な子が少し意地悪そうに後を追う。
……
みんな天堂に夢中だったのに、すごい
肩で風を切るような輝きを浴びた。
……
ああ、
……
あたし、やっぱり、追いつけないんだ
朝練が終わり皆が更衣室へ向かう中、あたしは少し曲がった背で一番最後尾にいた。
……
天堂もクロ子も、香子も、
……
あたしより前を歩いてる
「はぁ
……
」
鬱々とした気持ちを大きく吐くと誰かに肩をポンッと叩かれた。
「おつかれ、双葉」
「クロ子
……
」
朝練以上の運動量をしたのに全然へこたれていないクロを見て何も言えなくなる。そんなあたしを察してか肩に触れた手が優しく撫でた。
「元気ないわね」
「
……
まあな」
「双葉らしくもない」
「あたしらしくってなんだよ」
わざとではないけど食い気味に突っ込んでしまった。
「双葉はレッスン室に入るとき、一番大きな声で入るでしょ?そういうところよ」
「えっ」
「殺陣だって誰よりも大きく飛んで動いてる。バレエも苦手だってわかるけどそれでも真剣にやってるじゃない」
「
…………
、」
「何もかもわからないことだらけって顔に書いてあるけど、がむしゃらにひたむきにやってるとこ、私は好きよ」
ずっと心に渦巻いていたものが晴れた気がした。
「
……
そっか、そうだよな。ありがとな、クロ子」
「 Je vous en prie ♪ 」
前に進めそう。
前に進みたい。
あたしも誰より輝きたい。
きらきら眩しい舞台少女になるんだ。
「99期生、石動双葉。気合い入れて突っ走ります!」
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