望月 鏡翠
2026-04-08 10:58:13
959文字
Public 日課
 

#2044 THE MEME! その12

#毎日最低800文字のSSを書く/ダーリンランデヴー!


 時間を潰すのが理由だったので、一番金額が安いブレンドコーヒーを一番大きいサイズで頼んだ。生クリームとシロップをたっぷりと加えたドリンクもあるし、アニバーサリーの記念ドリンクもある。注文すると記念グッズが付くらしい。
 仕事が終わったら経費請求をするつもりのコーヒー代、大人気なく一番高いメニューを注文しても良かったのだが、記念グッズが付くというならワクワクする子供のために取っておこう。
 商品の価値をあげるためか、ただのブレンドコーヒーにもそれなりのストーリーが付属されているらしい。味の違いがわからないから、香りの違いも、味わいの違いも感じない。酸味が強いか苦味が強いか、書いてあるからそのような味の違いがあるのだなと思う程度だ。
 これを飲み終わったら、流石に移動しなければいけないだろうか。
 ベンチに余裕があるわけでもなく、待機というのは側からみたらサボりと大差ない。待機状態で、一体どこにいけばいいだろう。
「ラダ」
 声をかけると、二人が振り向く。考えようによっては人間味が薄くて君が悪いが、シュールな面白さも感じてしまう。
「そんなに気に入ったのなら、買い物にでも行くか。服でも着て、着飾ってやればいい」
 どちらがどちらをかは、二人で決めてくれればいい。元々彼女に、街での生活を見せるつもりだったのだ。同行者が増えたところで、かまわないのではないだろうか。
 ダーリンにも一応給料は支払われる。経費では通らないし通さないが、個人的にというのであれば、好きにすればいい。
 思った通り、自分で着飾るかと言われれば否定したラダも今回ばかりは乗り気だった。
「仕事中ですが、そのようなことをしてよろしいのでしょうか」
「そう思うなら、自分と同じ顔をしたものとうっとりと見つめ合うのはやめてくれ。仕事中だからな」
 仕事にならないよ、上もこの状況で俺たちに動かれても困ると思っている。だからしばらく仕事は待機だけだ。うまい時間の潰し方をそちらでもkん変えてくれ、見つめ合う以外のな。
 そう付け加えると、ラダは買い物に行きたいと口にした。
 生前の彼女に、してあげることができなかったことを、全てしてあげたい。
 好きにすればいい。
 ショッピングモールには妻に着せたくなるような服がたくさんある。