イヌノカニ
2026-04-07 22:37:54
4448文字
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【創作BL】ゲームでお互いに年齢性別詐称している

お互いにJKと勘違いして、騙してしまっていると思っている設定なので、もしかしたら不快に思われる方がいるかもしれません。

かなりグチャグチャなので、直すか、もう少し変えてポスノベで投稿して非表示にする。

受け目線
オンラインゲームでJKと偽っている32歳独身の受け。
上司と部下の板挟みになる日々のストレスを、ゲームで発散していた。JKと名乗るだけでチヤホヤされる。ちょっと敵を倒しただけで褒められる。それは「出来て当たり前」と思われている仕事では得られない物だった。

別にゲームの世界だから、と全く気にしていなかったが困ったことに最近仲の良い子ができた。
「やっほー⭐︎受けちゃん」
本物のJK、しかもギャルの子だった。
アバターは金髪にピンクの豹柄の盾を装備をしていて、肌は日焼けしている。多分めっちゃギャルだ。

オタクのギャルって本当にいるんだなと思ったが、不思議と気が合い、ゲームのことだけではなく、話していると居心地が良い。

例えば仕事の愚痴を、学校と置き換えて話しても

「先生に、授業が終わる一時間前なのに、明日の資料を作って欲しいって頼まれちゃってさ……。そうしたらクラスの子達、みーんな怒っちゃって、どうしてそんなこと引き受けたんですかー?って」

「うわあ〜めっちゃ辛いやつ!」

「でも断ったら他校に迷惑かかるし、私じゃどうしようも出来なくて、資料をなんとか居残りして作って、みんなの宿題も代わりに巻き取って、何とか終わらせたのに、先生は当たり前みたいに思ってるんだよ。嫌になっちゃうよ」

「はあ?なんだよその先生、クソじゃん」

自分じゃ言葉にできないことをハッキリと言葉にして怒ってくれるから話していて気持ちが良い。

しかし、これは非常にまずい。
32歳のオッサンが、JKと偽り、JKを騙し、それに加えて居心地の良ささえ感じている。非常によくない。
罪悪感がありながら、それでもこの時間を手放せないでいた、そんな時、オフ会の申し出がきた。



攻め目線

オンラインゲームでJKギャルと偽っている26歳独身攻め。特技は空気を読むこと。チヤホヤしてくる女性社員。嫉妬する同僚。無理難題を言ってくる営業相手。全てに苛立ちストレス発散として選んだのは、このオンラインゲーム。

顔の見えない相手になら、どうけ会うことのない人間なのだから、適当に仕事のストレスを発散させてフェードアウトしようと考えた。
攻めの目的はギルドクラッシャーになることだった。

参考にしたのは歳の離れた妹。高校生になりギャルになり、あの可愛かった面影は全くない。これは元からの性格だったが俺とは違い言いたいことをハッキリと言う。そんな妹が少し羨ましくて、容姿を参考にした。

ギルドクラッシャーになる前に出会った本物のJK。控えめでゲームが好きな子なんだろう、上品に笑い、どんなくだらない話もクスクスと笑って聞いてくれる。

例えば仕事の話を学校のことだと置き換えて、

「毎回学年二位の奴が、勝手にアタシのことライバル意識して来て、いちいち口出して来てウザイんだよね」

「攻めちゃん、学年一位なの!?すごい」

「アタシ顔めちゃくちゃ良いから、顔のお陰とか、他校で枕やってるとか、適当な嘘まで言いふらすんだよ」

「酷い!一位取るのって見た目の良さは関係ないのに、攻めちゃんが努力した証拠なのに、そんな風に言うなんてムカつく」

こんな風に、自分を肯定してくれて怒ってくれる彼女と話すと、クラッシャーになるよりもストレスは消えていった。

ところが、妹にJKと偽ってJKを騙しているのがバレてしまった。「キモっ……」妹はゴミを見るように俺を見て言った。

正月休みのとき、つい実家で受けとボイチャをしてしまった。「お風呂あいたよー」と声をかける妹、慌てて「あっごめーん、お姉ちゃんだ。またあとでね〜」と頭をフル回転させて僅か.01秒で咄嗟に言い訳を言い、妹からの信頼を秒で失った。

正座をして全ての事情を妹に話すと「可哀想」「ありえない」「普通にキモい」と罵られた。
「つーか、まじトラウマもんだからね、それ」
「はい」
「んー、私変わったあげようか」
……え?」
「だから、お兄ちゃんが本当はオッサンだった、じゃなくて、その子が本当にJKだったってことにすれば良いんじゃん?アタシ、友達一億人作るの目標だし」

Vサインを作りながら妹は言う。
「会う約束してよ。そうしたら友達になってくるから」
無理矢理説得させられて、オフ会を申し出たが、これもすぐに断られた。

「つーか、ウチらめっちゃ仲良いし、会おうよ」
「え、えぇー!?無理だよ」

ホッとしたような、悲しいような。

「そ、そっか、じゃ仕方……
横に立っていた妹からの手書きのメモを渡される。
「もっといけ!」とだけ書かれていた。

「理由、聞いてもいい?」
……は、恥ずかしくて」

またメモを横から渡される。メイク?これはこのまま読む。

「メイク下手なの?」
「メ、メイク?メイクしたことない……
「アタシしたあげる!メイクするとテンション上がるよ」
……いや、お、わ、私、似合わない、っていうか、その、」

妹の顔をチラッと首を振る。
ダメだ、無理強いするのはよくない。頭を横に振ると、メモをまた渡される。最後にもう一回お願いしてみてと書かれていた。

「受けちゃんと話しててすごく楽しいと思ったから、会いたかったんだけど、ダメ?」
「わ、私も、同じ気持ちだよ」
「じゃ!」
……せめて、保護者の方がいてくれないと」

――保護者?

「親がいればOKってこと?じゃ、親と、お兄ちゃん連れて行く」
「お、お兄ちゃん……?まで?」
「お兄ちゃんは絶対に必要」

妹に小突かれるが、ここは譲れない。
二人が楽しそうに話している様子を、美味しいお茶でも奢りながら眺めていたい。そんな欲望が生まれた。

「あっ、じゃ受けちゃんも親連れて来なよ!それなら安心でしょ」
「えっ……、う、うん」

こうして、親同伴のオフ会が決まった。



受け目線

非常にまずいことになった。
気が付いたら会う約束をしてしまった。未成年者と三十過ぎのオッサンが二人で会うわけにもいかないだろうと、せめて御両親と一緒に来れば安心だろうと提案してしまったが、まさか自分も連れて行かないといけなくなるとは思いもしなかった。

いや、これはもう。自分への罰だ。
JKを騙した自分への罰だ。
きっと向こうもウチの母のような女性がいれば、二人で会うよりは安心できるかもしれない。
勘当される覚悟で、両親に「今度一緒に会って欲しい人がいるんだ」と頭を下げてお願いをした。

「まあ……!」
母は両手に手を添えて嬉しそうに笑った後に、「お父さん!お父さん!受けが今度会わせたい人がいるらしいですよ!」と興奮気味で声を掛けていた。
母だけに来てもらうつもりが、そこからトントン拍子で父も来ることになってギョッする。

「そうだ!〇〇ちゃん、覚えてる?」
「〇〇ちゃん?」
「ほら、お正月の時にいつも角の方でゲームしてる子よ!今年高校生になったんだけど、あんまり上手くいかなくてお休みしてるんだって、だから気分転換に東京観光させたいって来週遊びに来るのよ」

願ってもいないチャンスだった。
ゲームの正体がオッサンでも、代わりに本物のゲーム好きのJKを紹介できるかもしれない。
気が合うかは分からないが、あんだけ良い子だ。

「ぜひ!〇〇ちゃんも、一緒に!」

とりあえず、攻めが前に「学校の給食で食べた鰻が美味しかった」と言っていたことを思い出し、前に上司に連れられて行った鰻のお店を予約した。
あちらはご両親とお兄さんの四人。こっちも両親と親戚の子と合わせて四人。

全員分奢るつもりで、特上鰻を八人前予約した。
さらに、娘さんを騙したお詫びとして、手土産の羊羹も用意して、準備は完璧だった。

あとは……〇〇ちゃんにお願いしよう。

「え?JKってネカマして本物のJKと仲良くなってって……?キモっ、オジサン、マジない」

当日。
父と母が離れた隙を狙って、土下座をして事情を説明して彼女と友達になって欲しいと説明すると、ゴミを見るような目で見られた。

「はい。自分でも承知しています、……が、どうにか、少しでも、良い、想い出と思いまして、」
「いやいやいや、オッサンに騙されている時点で人生で一番最悪な日だからね」

ぐうの音も出ない。

「てか、ギャル?とか苦手すぎる。無理無理。」
「向こうもゲーム好きだから盛り上がれると思う」
「いや、関係ないって、同じものが好きでも、ノリとか違ったら仲良くなれないし」
「挨拶だけでも……、なんとか……、」

はあーと大きく溜息を吐かれると、両親達に呼ばれて話は切り上げることになった。
自分が悪いんだが、何もかも上手くいかない、どうしよう。

そしてついに、約束の時間が来てしまった。



攻め目線

約束の場所は鰻が有名な日本料理店だった。受けが前に自分が話したことを覚えていて予約してくれたのだろう。
その値段の高さに驚いたが、その気持ちが嬉しかった。

騙してしまったという事実は変わりないので、前に取引先で評判が良かった焼き菓子を手土産に持って来た。

妹は「こんなところで、オフ会?ウケる」と言っていた。

父と母は何故かスーツと着物という装いで心なしか緊張しているようだ。まあ、俺も社会人で接待とかしなかったら、こんな所来ることはなかったし、緊張していただろう。

「失礼します。お連れ様がいらっしゃいました」

料亭の女将が襖をそっと開ける。
そこに現れたのは、一瞬で目を奪われてしまう程の美人な、――男性。
そこから向こうの両親。そして彼女と思われる女の子が入って来たが、俺はこの人にずっと目を奪われていた。

すると向こうの両親が「まあ」と感嘆の声をあげる。

「お、男の人なのか?」とウチの父親が俺の顔を見てそう言った。

……ん?

向こう側に座る、美しい男性と二人で顔を見合わせる。

「今どき、珍しいことじゃないですよ、ねっ、」
「はい、そうよねぇ」

一番最初に意気投合したのは母親達だった。

……んん?

え、何この流れ。
ただ、俺は持ち前の頭の回転の速さと、空気を読むことに長けた能力で、頭が答えを出すよりも早く口が話していた。

「彼とお付き合いさせていただいている、攻めと申します。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」

頭を深々と下げながら、汗が止まらない。
向こうも、何故か同じように、いや少し声を震わせながら、「挨拶が遅れました。私は受けと申します。本日は私たちのために、お集まりいただき、ありがとうございます」と同じような言葉を繰り返して頭を下げる。

「まあまあ、硬い挨拶はそれくらいにして……」と母が間に入りながら、二人で汗をダラダラと垂らしながら顔を見合わせる。

そんな様子を、二人のJKは笑いを堪えながら見ていてた。