バラ肉
2026-04-05 21:58:52
3526文字
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⚙️🧊ギヤヘイ布教話①

⚙️のデカ⚪︎ンを馬鹿にする🧊…と見せかけてのギヤヘイです。
下ネタギャグですが、愛はそこにあるんや…😂

ジィー……
そんな音が聞こえそうなほど熱く見つめてくる三対の目に、ギヤマスターは居心地が悪そうに溜息を吐いた。

「おい、ヘイルマン。俺になにか用か?」

何か言いたいことがあるならさっさと言え。
睨みを効かせて尋ねれば、隣に立つ金色の目が揃って細くなった。

「え〜〜? べっつに〜〜」
「別にって……おまえ」

含みのある態度は、何かよからぬことを考えている証拠だ。
長い付き合いだからこそ、ギヤマスターは瞬時にヘイルマンが自分をダシに嫌な想像をしていることを悟った。途端、ムッと顔が険しくなる。
一人で勝手にニヤつくのは構わない。しかし、自身が関わってくるとなると話は別だ。

「なにか言いたいことがあるならハッキリ言え!」

ずいっとヘイルマンに近付くと、すごむように上から相手を見下ろした。
どうせ口の上手いこの男のことだ。気を抜けば、本人が得意とするスケート同様、上手くすり抜けられるのは目に見えている。だからこそ、敢えてそれを見越し、先に圧をかける。
真下にあるツンツンと尖った頭は、何気なく触れればサクリと皮膚を突き刺すだろう。油断したら怪我をする。悔しいくらいに持ち主そっくりだ。
だから敢えて、強気に睨みを利かせていると、ヘイルマンの顔がゆっくりと上がった。
少しは神妙な態度をとるだろうか。わずかな期待を込めて見つめる。
けれど、向かいあった顔は怯むどころかますます口角を釣り上げており、ギヤマスターは予想外のそれにヒクッと喉を鳴らした。

「えー、聞いちまう? マジで?」

半笑いで問い返す姿は、むしろ答えを言いたくてウズウズしている。

「仕方ねぇーなー。いやー、オレの口から言わせたいとか、本当にテメーってやつはよー」

ドンッと胸を叩くと、ヘイルマンはそのまま人差し指を立てて、ギヤマスターの腹部へと突きつけた。そのまま尖った指がツツッ……と下がり、下がり──やがて、ピタリと止まる。

「ギシュッ!」

指先は、ギヤマスターのお気に入りの真っ赤なコスチュームパンツの上。素の状態でも十分、見事に盛り上がったペニスを指していた。

「へ、ヘイルマン!?」

「カキカキッ……本当すげえ……

感嘆の声と共に、生え際の辺りを円を描くようになぞられ、ギヤマスターは無意識に腰をピクッと跳ねさせた。
そんな場所、他人に触られたことなどない。ゾワゾワと背筋が粟立つ。唐突すぎる展開と、慣れない感覚を誤魔化す代わりに苦しげに眉を寄せる──その時。

「ブフッ!! なーに感じてんだよ、スケベ」

嘲笑う声と一緒にグリッと陰毛ごと肉を掴まれたギヤマスターは、その痛みに一気に顔を顰めた。

「ギシュゥ゛〜〜ッ!?」

鍛えようのない場所への攻撃はもはや卑怯でしかない。

「カキャカキャッ! いや、本当すげーわ。お前のコレ、ホンッットに無駄に立派でさー。使い所なんてねぇーくせにな!!wwwww」

追い討ちとして、更にこれでもかと酷い罵りを受けた男はたまらずピシッ!と体を強張らせた。ちなみに物理的に凍らされたわけではない。あくまでも精神的ショック故にである。

「なっ、なっ……!」

「いやだって、お前、童貞くんだろ? そんなにデカいのに、使う相手がないってwww なんか悲惨www しかもパイレートのおっさんには勝てない中途半端さもさ、もはや哀れ?ww ブフッwwwwwwwww!!」

しまいにはオメガ随一の砲弾(隠語)持ちのパイレートマンを引き合いに出される羽目になるとは。
わなわな震える体は、湧き上がる怒りに全身の体温が上がっていく。金属は熱伝導が早いのだ。

「貴様……な、なんて低俗なことを……! あと、パイレートマンと比べるな! あれは規格外だ!!」

怒涛の勢いで言い返すと同時に、胸のギヤが回転し出す。これでも自分は六鎗客の一人なのだ。いくら仲間とはいえど、ここまで一方的に言われっぱなしになる謂れはない。

「そっ、それに、そういうお前はどうなんだ!! 人のことを偉そうに批評できるような「オレはそもそもついてないもん」──モノを……って、んん??」

責め立てる言葉は、途中で割り込んだ茶々によって見事に遮られた。

ついてない、ツイテナイ、付いてない。

ヘイルマンの唐突な告白が頭の中でぐるぐると回る。

「いやいや、何その反応? 今更だろ? 氷超人は──ってか、オレが無性生殖なの。お前も知ってるだろ?」

呆れたと肩を竦めるヘイルマンの姿に、ギヤマスターはハッと彼の胸のダイヤ型のコアを見た。彼の命の核であるソレは、この男が親の腹ではなく自然発生で誕生した超人であることの象徴に他ならない。

「ま、オレは氷の超人だ。形を変えることはお安い御用。……だからまあ、生殖機能はねえが、体だけならどっちにもなれちまうんだけど」

言いながら、そろりと腹から下にかけてゆっくりと指を這わせる。
つるりとした股間は、男性器を形造ることもできれば、望めば女のように柔らかな秘部に変えることも可能だ──そう示すように、股の上で氷の指が明らかな意図を持って左右に開く。

「ほら。こんな風にな」

わざとらしい上目遣いは、分かりやすく相手の反応を楽しんでいる。

「ッ!?!?!!」

そう分かっていても、誘うような笑みと怪しい動作は、仲間内で散々「ロマンチスト」だの「純粋すぎる」と囁かれる男には、あまりにも刺激が強かった。
機械の顔が見る間に真っ赤に染まる。それと同時に、股間がズクンッと熱くなり、ペニスが連鎖反応で緩く持ち上がる。
咄嗟に手を伸ばしたものの、鈍くなった思考のせいで反応が少し遅れた。
だから、そばに立つヘイルマンの目に布地が持ち上がる様子がバッチリ見えて当然。

「プハッ! 何半ダチにやってんだよっwww まじ童貞すぎるwww カキャカキャッ! ちょ、も、あ〜〜腹いてぇ〜!!www」

腹を抱えて笑いつつ、バンバンッと前屈みになった体を乱暴に叩く。

「ああ、おかしいwww 本当にお前って奴はよ〜www」

金色の目からは涙まで溢れていた。
この辺境の地において、こうして大笑いをする機会なんて滅多にないのだ。慣れない腹筋の動きにつられ、体が小刻みに震える。

そんなヘイルマンに対し、ギヤマスターはというと──ただただ黙って耐えるしかなかった。
いくら腹立たしくても、こんな失態を晒した後では何を言っても意味はない。下手に言い返したところで、最終的にボロクソに言い負かされるのは目に見えている。

「ギシュゥッ……!!」

こちらもこちらで半泣きになりながら、ギヤマスターは甲高い友の笑い声に顔を顰めた。

(お前がエロい真似をするのが元凶だろうが!!)

心の叫びの通り、目の奥にチラつく幻影は鮮やかで、艶美で、悪戯めいていて。
もしもその体に押し入ったら、この男はどう泣くのだろうか。甘えた声で自分の名前を呼んだら。
『ギヤ、マスタ、ァッ……!』と、縋り付いてきたら。

「ぐぬぅ〜〜〜!!!」

実際の相手は泣き笑いしながらこちらを全力で揶揄っている。
なのに先程の仕草があまりにも生々しくて、妄想が止まらない。

一向に治まらない股間を必死に抑えながら、ギヤマスターは容赦なく嘲笑う男を睨んだ。

(いつか目にもの見せてやる!!)

決意だけは熱く滾らせる男は──自分がどうして目の前の男に劣情を抱いたのか、その理由を深掘りする余裕などなかったに違いない。
そんな彼だからこそ、この氷の”フィクサー”が面倒なぐらい絡んでくる理由も、当然分かるわけがないのである。

「テメェのデカチンをハメることができる奴は、オレの目が黒いうちはきっと出てこねーよ!! カキカキッ!!」

わざとらしいほど下卑た台詞に秘めた想いは、悲しいくらいに分かりにくかった。

本気で笑う傍ら、

(お前を受け入れられるのはオレだけだって、いい加減気付いて、告れよ。このクソデカ鈍ちん!)

そんな天邪鬼な想いがあると気付けるとしたら、相当な物好きくらいなものだ。



そうして今日もまた、透き通った氷の体の中で、ヘイルマンは心だけを上手にベールに包むのだった。




*****



後日。

飲み会でベロンベロンに酔った二人が、この時のやり取りを思い出した末。
勢いのまま抱き合うことになるとは、誰も予想しない未来である。

また、痛くて死にそうになる覚悟していた巨根が、泣きたくなるほど優しく解されたせいで大変気持ちよかったなんて──きっとヘイルマンは死んでも言わないだろう。