三毛田
2026-04-04 14:22:30
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17 【17/難しいコトは分からない】

17日目
分からなくても、分かることもある

 専門用語を羅列されると、さすがにわからない。
 頭がいいとか悪いとかの問題でなく、前提となる基礎知識がないと理解できないということ。
「なるほど……他者に説明するには、初めて聞く単語の意味を理解してもらうほうが先決なのか」
 難しいことは、わからない! という至極当たり前なことを口にしたなのにより、説明していた手を止めてどこがどうわからないのかを、丹恒は訊ねてきた。
 それで、俺は知らない単語が多すぎることを。なのは、そもそもそのことについて深く知りたいわけじゃない。と返し。
「そういうこともあるのか。俺は、論文を書く過程やアーカイブの整理の途中でそのことを自然と覚えたが、お前たちは違うんだったな。だが、三月。こことここは覚えておいて損はない。星によっては、この知識がないと会話も交渉も上手くいかない」
「ってことは?」
「お前の好きな買い物も、まともに出来ない」
「わ〜ん! じゃあ、必要なことは覚える……
「その意気だ」
 珍しく優しく微笑みかける丹恒に、なにに対して嫉妬した。
「穹、お前は?」
「えっと、こことここ。それから、こっちは基礎を教えてもらえれば」
「そこは……
 と、教えてもらっている内に、元々の予定時間を大幅に過ぎており。
「三人とも、おやつはいらんのか?」
 少し困ったような表情のパムに、俺となのは。
「食べる!」
 両手を挙げて、教材を片付け始め。
「丹恒、ありがとう!」
「今度はもっとわかりやすくしてね!」
 と声をかけて、パーティー車両へ。
 パムがプリンアラモードを目の前で作ってくれたので、それをいただいた。
……
「丹恒?」
「お前は、俺が好きだと言っていたな」
「うん!」
 勉強会から数日。何かを悩んでいる様子だった丹恒を呼ぶと、そう問いかけてきて。
 満面の笑みで元気に答えれば、ちょっと戸惑った様子。
「それがどうしたんだ?」
「俺もお前のことは好いているが、お前から向けられているものと違うということはわかるだろう?」
 何だそんなことか。と言わなかったのは、偉い。
「わかってるよ」
「それなら」
「難しいことはわからない。それは、勉強も恋も一緒だ」
 そっと丹恒の手を自分の手で包む。
「それでも、お前を好きであることは変わらない。ぶっちゃけ、恋って下心だからさ」
「下心……
 驚いたように、彼は目を丸くして。
「そう!」
 元気に答えたら、手を引っ込めようとされた。
「丹恒の奥の奥まで触れたい。そういう下心。覚えておいて」
 笑顔で告げる。