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ortensia
2026-04-02 04:01:51
1254文字
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傭リ
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(割と強めに)霊感持ちリの傭リ。全ての鯖狩が同じ荘園で過ごしている時空。
リッパーは礼儀正しい、少なくとも表面上はそう見える。通り掛かれば誰にでも会釈をする。
だが、誰もいない筈の暗所に向かってさえそうするのを見る。
「そりゃ挨拶くらいしますよ、そこに居るのだから。」
そんなことを言う。
いったいなにが居ると言うのか。
「だってあゝほら、おまえの後ろにも。」
おどかしているつもりなのだろうか。
「なら何故最初おれ相手にしたように、そいつにも挨拶をしなかった?」
「一人一人、人数分の回数だけ挨拶の言葉を述べよと?その周囲に居るなら、挨拶は一度で済ませば良いでしょう?」
確かに。その場で数人固まっているならば、挨拶を一纏めに言うのは何もおかしくない。
「
……
おまえ自身の後ろには居ないのか?」
「居ますよ。」
リッパーは妙に得意気だ。こんなタイミングでそんな気分になれる意味が分からない。
「寧ろ、夜にわたしの作品になってもらった後の方が、わたしのそばに良く居てくださいます。」
見えているリッパーにとって、それは本気で思っていることらしい。リッパーがその相手に本当に取り憑かれているとしても、取り憑かれている方がこれでは、呪う方が気の毒だ。それに、生前の犠牲者なのだから、正しく被害者は亡霊の方であろう。
それをリッパーは、生者のしがらみがなくなった方が自分に構って貰えていると思って、喜んでいる。昼夜を問わず、人の予定など考えなしに、いつまでも自分と一緒に遊んでいてくれとねだる子供そのものだ。
リッパーに見えているものは、この男にとっての都合の良いおもちゃでしかない。
だからこそ、例え亡霊相手でも律儀に挨拶しているのだというのなら、理に叶っている。自分に構ってくれる相手には、それなりに礼儀を返すという道理ならば。遊び相手に、挨拶をしない理由が寧ろない。
呪縛霊とやらは場所や物、人に憑いて、そこから逃れられないと言う。正しく縛られている。もし霊が自分が縛られる対象を選べないのならば、こんな男に縛られては、間違いなく被害者だ。何せ縛っている側が、こんなにもご機嫌なのだ。
こちらにはちっとも見えないが、男は人々、死んでいるが、彼らに囲まれて実に楽しげだ。いつでもどこでも男に着いて来る、憑いているため。男は孤独じゃないのだ、いつだって。
そのため、今ここからこの男に何か充足感を与えるのは、酷く困難な話であろう。霊という非常識な存在相手に、対抗は難しい。本人にとっては日常であるとは言え、だからこそとも言えるだろう。
つまり。
「そいつらよりもおれを優先してくれないか。」
男は首を傾げた。驚いているようだ。幽霊を見ても驚かないリッパーが。
「わたしが何を優先するかに関わらず、彼女達はずっとわたしと一緒ですよ。」
「その彼女達が居る居ないに関わらず、おれを見てくれ。」
男は更に驚いたようだった。だから。
「見てますよ。」
今はね。
平然と幽霊を侍らせて喜んでいる男の気を引くのは、霊力よりも骨の折れる力量が試されそうだ。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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