三毛田
2026-04-01 22:01:23
1080文字
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14 【14/前向きに考えよう】

14日目
前向きに考えないと落ち込みそう

……
「ま?」
「犬に噛まれたとでも思っていてくれ」
 いやいや。
 犬に噛まれた場合、もっと大騒ぎするべきじゃない!?
「すまない。一人に、してもらえるか」
「あ、はい」
 資料室を出ると、すぐに鍵が閉められた。
「なんか……思っていたより柔らかかったよな」
 唇に触れると、まだ丹恒とキスした時の感触が残っているような気がして。
「はあぁ……
 資料室のドアの飴で座り込む。
「わっ。ど、どうしたの? 具合でも悪い?」
 鼻歌を歌いながら出てきたなのが、驚いたように声を上げて。
 それから、俺がうずくまっていたからか心配そうに声をかけてきた。
「大丈夫。ちょっと考え事していただけだから」
「そっか。でも、具合が悪かったら、早く診てもらうんだよ?」
「わかった。ありがとう」
「どういたしまして~。じゃあ、ウチは車掌さんの手伝いしてくるから」
「そっちは頼んだ」
 と、別れる。
 もうしばらくそこでうずくまったまま凄し。
 それから部屋へ戻り、お風呂に入ってからベッドに飛び込み。
「丹恒とキスしちゃった……
 ほぼ事故のようなものだったが、キスしたことには違いない。うん。
 驚いていたような表情をしていたのは、俺のこと好きなのかなぁ? なんて。
 ちょっと前向きに考えないと、落ち込んでしまいそうだから。
「はーい」
 ちょっとうとうとし始めたところで、ノックが聞こえて応えると。
「すまない。寝ていたのか」
「丹恒! ううん。眠いなぁって思ってたところなだけで、寝てなかったから大丈夫!」
 ベッドから飛び降りて、丹恒の元へ。
「ぎゅってしていいか?」
「急にどうした」
「ぎゅってしたくなったんだ。駄目?」
 両手を広げて懇願すると、恐る恐る腕が伸びてきて。
 そっと抱きしめられた。嬉しくて、ぎゅっと抱きしめてしまいそうになるけど我慢。
……だ」
「ん?」
 抱きしめ返して丹恒のぬくもりに浸っていたら、耳元で何かを呟かれた。
「なに?」
 聞こえたような、聞こえていないようなよくわからない声量だったので聞き返すと。
「お前が、その……好きだ」
 と、言葉と同時に俺を強く抱きしめてくる。
「俺も好きだ、丹恒」
 余りの力強さに内臓が飛び出そうだし、骨もミシミシ音を立てている気が。
 それを口にして、実は噓でした。とか言われたた立ち直れないし。
「嘘……ではないよな」
「うん。本当! 丹恒が好きだから、もう一回キスしたい」
「それなら……構わない」
 ようやく離してくれて、そっと頬に手を添えてから徐々に顔を近づけキス。