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ジルク
2026-04-01 20:50:33
2584文字
Public
白鳥自カプ
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これはギャグバージョン後天にょた
CoC「白鳥の歌を謡うとき」ネタバレ
Q.「シリアスバージョンがあるんですか?」
A.「戻り方がわからなくてその後ずっと女体で生きていくことになる話とか?」
朝起きたら身体が女性になっていた。
誰に言っても何を言っているかわからないという反応をされるだろう。俺も自分で何を言っているのかわからない。
何でもない休日のはずだった。いつも通りの時間に目が覚めて、身体を起こそうとして、なんか変だなと感じた。頬に何かが当たってくすぐったい、身体の重さがなんか違う、ベッドの沈み具合がなんか軽い
……
?
そこまで気付いて、自分の手を見た。指が細い。手の平が薄い。手首も、腕も、明らかに細く滑らかな輪郭になっていて
――
、ふと胸元に視線が止まる。そこにあったのは自分の身体にないはずの二つの膨らみ。普段から筋肉でそれなりに大きさのあるそこを指摘されることはあるが、そういう話ではない。今ここにあるのは、まぁるくて豊かで柔らかそうな
――
。
よし、もう一回寝よう。
きっと夢だ、もう一回寝て起きたら元に戻っているはず。そう信じて布団の中に戻り、目を瞑る。
しかし習慣となっている規則正しい生活のせいか、うまく二度寝が出来ないまま十五分が経った。こんなときばかりは己の健康が恨めしい。
諦めて布団から這い出てベッドを降りる。腰も脚も細くなっていて、着ていたスウェットのズボンと下着が床に落ちる。脚の間があり得ないほどすーすーする。
泣きそうな気分になりながら、脱げてしまった服を持って、Tシャツ一枚の姿で寝室を出る。一人暮らしなので誰と顔を合わせるでもないが、こんな格好をしていることが恥ずかしい。本来の自分の身体でもないのに。
寝室を出たらバスルームへ向かう。こんなときにシャワーを浴びるのは悪手な気もするが、悲しいかなルーティンとは恐ろしいもので、なんとなくいつも通りの行動をしようとしてしまう。
見ないようにしたかったが視界に映ってしまえば好奇心の方が勝ち、恐る恐る洗面台の鏡を覗く。そこにいたのは自分自身の面影を残した女性だ。
髪は鎖骨の辺りまで伸びている。どこを前髪と呼ぶのかわからないのだが、ただ左右に分けただけで全体と同じ長さに揃えられた前髪が、先程から頬をくすぐっている。
そしてやはり目を引くのが胸だ。サイズの合わないTシャツを引っ掛けるように緩く着ている状態なのに、それでもシルエットが浮かんでくるほどの大きさがある。あまり女性の胸元をまじまじと見たことはないが、多分
……
かなり
……
大きい方だと思う。
意を決して自分の胸に触ってみる。
……
柔らかくて、思ったより重い。姿勢のバランスを取りづらいのは筋肉量が変わったからだけじゃなかったのかと合点しつつ、ふわふわと触り続けてしまう。柔らかいだけじゃなくてハリもあって、結構触り心地がいい。
暫くそうして触っていたが、急にいけないことをしている気分と虚しさに襲われてやめた。や、誰かにこうして触ってみたいと思ったことは本当にないんだが、自分のものとなったら話は別というか、構造的にどうなっているかの興味はあるというか。
自分に言い訳をしながら服を洗濯機に放り込み、シャワーを浴びる。力加減も扱いも普段と違っていて、感覚の変化には戸惑うが、気分転換にはなる。
……
怖くて下は触れないけど。
シャワーを済ませ、再度着るものに困るが、とりあえず素肌の上から部屋着用のTシャツとハーフパンツを身につける。下着は合うものがないので仕方ない。ハーフパンツはジャージ素材で、腰の紐を絞ればどうにか履くこと自体はできる。
なんとか服を纏ったとギリギリ言える格好でリビングに出れば、ソファに腰かけたアポロと目が合った。
「よ」
「お、お、お前なんでいんの!?」
自分の喉から出た声はいつもより高く柔らかくて、そのことにもびっくりする。
一方のアポロはいつものように笑っていた。
「お前が困ってるかなーと思って」
そうして彼は大きめの紙袋を差し出してくる。
「着やすそうなの見繕ってきたから」
「
……
は?」
袋の中を見ると、入っているのは衣服一式だ。
「いや
……
なんで?」
「お前がその格好のままでいいって言うならいいけど」
「
……
」
なんでお前がこの状況を知ってるんだとか、カメラで見て知ったにしろ早すぎるだろとか、サイズどうやって知ったんだとか、そもそもこの時間にどうやって買ったんだとか、ツッコミどころはいろいろあったが、とりあえず飲み込んで紙袋を持ってバスルームに再度引っ込む。
アポロが持ってきたのはレディースだけどユニセックスなデザインの服で、そのまま街に出ても違和感のないスポーツウェア、といった感じのものだった。下着もボクサータイプのショーツと、所謂スポーツブラだ。どう着たらいいのかわからないものじゃなくて良かったと思いつつ、これを持ってこられたことをどう解釈していいのかわからない。
着てみるとサイズもちょうど良く、過度に締め付けられる感じもなければ緩すぎることもない。
溜め息をつきながらリビングに戻る。
半分扉で身を隠すようにしながらそっと出て、アポロの前に姿を見せる。
「
……
変じゃないか?」
わずかに頬が熱くなるのを感じる。何を恥ずかしがっているのか自分でもよくわからなくて、目を伏せてしまう。
無言でアポロが立ち上がって近寄ってくる気配を感じる。伏せた視線の先に彼の足が見えて、目を上げる。
……
あれ。
コイツこんなでかかったっけ、とか、立ってるのに見下ろされるの新鮮だな、とか、断片的に思考が立ち上がって、しかし速くなる鼓動にかき消されていく。目が合ったまま逸らせない。呼吸が浅くなって、ドアノブに触れたままの手に力が入る。
アポロの手がシャツの胸元に伸びてきて、襟ぐりに指をかけられる。何をされるのかわからなくて、反射的に目を瞑って身を竦ませた。
そのまま襟ぐりを引っ張られ、胸元に手を差し込まれる。その手はブラジャーの中まで侵入してきたかと思うと、脇の奥まで突っ込まれ、背中から贅肉ごと肌を引き寄せられる。する、きゅむ、ぽん。反対側も同じように。する、きゅむ、ぽん。
「
……
?????」
何が起きたかわからないままもう一度アポロを見上げる。
彼は心底楽しそうに笑みを浮かべた。
「ちゃんと着けないと胸垂れるよ」
「!??!!!!???!?!?」
何も言えないまま立ち尽くす俺をそのままに、アポロは朝食をどこに食べに行くかの話をし始める。
……
これで外行くのか!?
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