ortensia
2026-04-01 13:53:56
531文字
Public 傭リ
 

都市伝説かくれんぼ(傭)リ

ひとりかくれんぼするリと人形の傭

 綿は全て抜いてしまう。腕や足から飛び出たものは、チャームポイントだと思って良いだろう。中の綿ではなく、飛び出したものなのだから。
 中身は代わりに生米を入れる。おまえお米も好きですものね、お腹いっぱい、たんとお食べなさいな。それから自分の一部も入れる。欠けた爪の欠片と、おまけで霧も詰めてあげる。
 綿を抜いて薄くなった腹は、元の厚さまで戻った。綿をくり抜いた穴は赤い紐で縫い合わせて塞ぐ。綿を取り出すために裂いたのだったが、本当は切り裂きたくて、腹に穴を開けたのだったかもしれない。そうしてかくれんぼを始めたのだったか、いや、忘れてしまった。
 さて、これで人形はひとりでに動いて、一緒に遊んでくれるというのだろうか。
 鬼を交代するためには、せっかく縫い合わせた相手を再び切り裂かなければならないらしい。
 それよりも、もっとずっと遊んでいよう。だから刃は仕舞う。
 赤い縫い目を撫でる。ずっと遊びましょう。この糸が千切れるまで。千切れてもずっとずっと。おまえは切れた赤い糸を垂れ下げながら、体の中から生米をぽろぽろ零しながら。わたしとずっと、一緒に遊んだままで居て。
 だからこの遊びは終わらない。まぁだだよ。まだまだまだ、ずっとずっと、ずぅっと。


—————————————————————
いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。