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三毛田
2026-03-31 21:03:55
1078文字
Public
1000字7
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13 【13/もう一度笑って】
13日目
君が笑ってくれればそれで
『奇物の影響で、表情が動かなくなったみたいなんだ』
いつもならへにゃりと、だらしないというか、緊張感のない笑みを浮かべているであろう言い方。
しかし、今の彼は出会ってすぐの頃のように、表情が動かず。
そして、やけに他人行儀に聞こえて。
「ニコリともしないと、ちょっと怖いな」
「仕方ないだろう」
俺の上着をそっと掴み、三月がボソッと。
大変なのは、気持ちが追いつかないのは本人もだろう。
「しばらくヘルタにいることにした。そっちの方が、何かあった時にすぐに対応してもらえるからさ」
「
……
」
「丹恒? どうした?」
三月の気持ちが、今分かった。
怖いという気持ちはないが、普段の姿と違うというだけで心が締め付けられる。
もう一度笑ってくれと、焦りを含んだ気持ちばかりが胸を占めていき。
「た、丹恒?」
思わず抱き着く。抱き着かれた彼の声は驚いている。でも、表情は変わらないのだろう。
「うう
……
」
「なのも。どうしたんだ?」
俺が前から抱き着いたからか、三月は後ろから穹に抱き着いたようで。
二人で彼を抱きしめ、泣きそうな顔を必死で隠す。
「寂しいのか~? 二人とも可愛いな」
茶化すように言いながら、俺と三月の頭を撫で。
「直ぐ、戻って来るから」
いつもより少し低い声で、そう告げ。それから、抱きしめてきた。
そして俺たちを離すと、穹は宇宙ステーションへ。
「戻ってきた穹は、いつもの穹になってるよね?」
「確証はない。だが、そうであればいいと願うことしか出来ない」
「それなら、ウチらはいつものように笑って出迎えないと」
三月は笑うけれど、いつもと違って引きつっている。
「たんひょう、いひゃい」
「そんなに強く引っ張っていない」
表情が硬いので、頬を軽く引っ張ってみる。と、仕返しというようにこちらの頬も引っ張られて。
こうして不安を紛らわせることしか出来ず。
俺も彼女も、穹と出会う前はどう過ごしていたのかを思い出せない。
こうして不安になることなどあまりなかったというのも、大きい気がする。
「ただいまー! 丹恒! なの!」
不安を感じながら、数日。
満面の笑みでラウンジに飛び込んできた穹。
「わっ」
三月と二人で抱き着くと、彼は驚いたように少しだけふらつく。でも、すぐに持ち直して。
「心配させてごめんな」
俺たちを抱きしめ返してくれる腕の強さに、泣きそうになって。
「寂しかったよぉ」
「俺も、二人に会えなくて寂しかった
……
」
三月の言葉に、穹は泣きそうな声。
でも、俺は泣かない。
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