和泉 小夜
2026-03-30 19:08:10
2621文字
Public
 

復活の七雄_02

此方の企画の文章。ちょうギリギリに投稿する。
https://x.com/XX_10100909/status/2024037324275781779

 雨の日に外へ出たら人魚が倒れてたので、拾った。
 時雨って普段は魚を喰わないし、人魚なんて伝説だと思ってた。
 天空の君主であるツナに聞いても、人魚なんて伝説だと言ってたし、
 抑々、人魚って何を喰うか分からない。
 どうすればいいんだろう。

「山本、人魚を拾ったんだってな? 大丈夫か?」
『ディーノさん。いや、ダメかも……。何を喰うかも教えて呉れなくて……
「魚じゃねーんだ?」
『魚だったらよかったのにと思うくらい何も喰わないし、名前も教えて呉れない』
「言語が違うとか?」
『でもオレの言葉には反応してるんで、分からないってワケじゃなさそうなんだよなぁ』

 アイツの言ってるコトは何も分かんねぇけど、向こうはおれの言葉に反応してるんだよな。
 何て言ってるんだろ。此処よりも、もっと外から来たんだろうか。

 時雨は水辺が近くにあるから、魚なら腐るほどある。腐ると困るから輸出してるんだけど。
 でも逆に肉は無いから、天空や浮雲から輸入してる。ま、アイツは肉も喰わないんだけどな。

「少なくとも天空と快晴には人魚伝説なんて無いし、他も調べてみるか」
『オレも獄寺に聞いたんだけど、花嵐には人魚の話が何も残ってないらしくて』
「それ、詰んでないか?」
『でも、そのあとに雲雀と骸が来たから大丈夫!』
「何が大丈夫なんだ……?」
『浮雲と夢幻は人魚が来た伝承が残ってるから、あとで資料を送ってくれるって!』
……そっか、じゃあ残りは雷鳴だな。その辺りはオレが調べとくから、安心しろ」
「あざっす!」

 でも言われてみれば、花嵐って砂漠地帯だもんな。快晴は旱魃地帯だっけ。
 花嵐も快晴も、うちとは真逆だ。時雨はよく雨も降るし、海も川も湖も近くに在る。

 帰ったら浮雲と夢幻から資料が届いてた。
 オレが資料を読んでいる間も、人魚は何か喚いてる。

……悪い、何て? てか、名前教えてくれねぇかな? 何て呼べばいいかも分かんねぇし』

 名前を聞いたら、首を傾げられた。もしかしたら名前が無いんだろうか。
 オレが適当に付けていいのかな。
 そういや此の時期は、森にブルーベルが咲くんだよな。

『なぁ。名前、ブルーベルなんてどうだ? 綺麗な花だから、今度見せてやるよ!』

 そう言うと、人魚は嬉しそうに笑ってた。