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梶間
2026-03-30 00:59:42
1688文字
Public
カブライ
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カブルー貯金(週ドロ週ライお題)
カブライ週ドロ週ライに書いたもの。
凡そ現パロで同棲している二人。
このライはきっちり定時上がりで生活リズムを大切にしているタイプ。
「ただいま帰りました
……
」
「おかえり」
仕事から帰ってきたカブルーは疲れていた。朝にセットした髪はくたびれ、少しの乱れもなかったネクタイは緩んで形が崩れている。
玄関のドアを閉めると大きなため息を吐きながらネクタイを緩めた。
ドアが開く音を聞きつけて出迎えたライオスが、仕事用の鞄を受け取り手早く片付ける。
「お疲れ様。随分疲れてるな」
現在の時刻は午後十時。いつもなら午後八時前には帰ってきてゆったりとライオスと過ごす時間を設けているが、最近は忙しくて遅くなりがちだった。
「仕事が順調に行きすぎててつい」
「あまり根を詰めすぎると体に悪いぞ。君の悪い癖だ」
「もう少ししたら早く帰ってきますから」
仕事がうまく行き始めると連日遅くなるのはよくあることだったので、ライオスは分かっていつつも口を挟んでしまう。
カブルーも恋人が自分の身を案じてくれているのはよくよく分かっているので、せめて心配させないように笑顔で返した。
仕事が楽しくて仕方ない、と活力に満ちた笑顔だが、目の下に隈ができておりいつもより大分精彩を欠いた笑顔だった。
そんな仕事中毒の気がある年下の恋人の疲れた笑顔を見て、ライオスも仕方ないなとため息をはいた。
「夕食と風呂は準備してあるから。今日はもう早く寝た方が良い」
「ありがとうございます。
……
ライオス、」
カブルーの呼びかけに、ライオスは無言で相手を抱きしめた。カブルーはライオスの胸に顔を埋めるようにしてぎゅう、と腕に力を込める。
ライオスの視界にくるくるした巻き毛とつむじがよく見える。その頭を優しく撫でると、カブルーはもごもごと何かを呟きながら抱きしめる力をさらに強くした。
「ライオス
……
」
カブルーはライオスの腰回りにそっと手を這わせた。そろそろとライオスの履いているスウェットに手をかけながら、顔を上げてじっと相手の瞳を見つめる。待て、をされた子犬のように切実な仕草だが、ライオスは毅然とした対応をとった。
名前を呼ばれるだけで彼がなにを要望しているかは分かるが、今は体調を整えることが優先だ。
「仕事が落ち着くまではダメだ。早く帰ってこられるようになったら、な」
カブルーも誘いはしたものの、今の自分の状況では断られるのは分かっていた。それもこれもすべて自分のことを心配してるからこその対応に、どこまでも甘えたい気持ちが出てしまう。
「仕事頑張ります
……
」
ライオスとしてはあまり無理をしすぎて欲しくないのだが、相手がやりたくて望んでいることに水を差すようなことはしたくない。できる限りのことをしてやりたくて、仕事にのめり込みがちな恋人の応援をするだけだ。
カブルーは夜の誘いを断られて、現実と甘えで葛藤しながら若干ふてくされてような顔をしている。
ライオスはその顔を両手で挟んで優しく口付けを落とした。
「
……
貯金にしとこうか」
「貯金?」
「君の仕事が終わるまでこうやって、」
ライオスはそう言ってもう一度カブルーに口付けた。今度は舌を絡めて互いの熱を高めるような、情欲の籠ったキスだった。
顔を離すとお互いの熱い息が顔にかかる。高められた熱が、瞳に灯る様がお互いに見てとれた。
「
…
ん、」
「ライ、」
「貯金。こうして、君の仕事が無事に終わるまで貯めといて。ちゃんと終わったら、全部使おう」
ライオスはからりと笑ってカブルーを抱き上げた。
「わっ」
「その前にきちんと食事と風呂を済ませないと」
カブルーは、自分より背の高い恋人に抱き上げられて慌てて首にしがみついた。
ライオスが恋人をしっかり抱き上げてリビングへ歩き出すと、カブルーは床から浮いた足を楽しげに揺らす。
二人は穏やかに笑いながら、幸せそのものの顔で言葉を交わした。
「えー、今のでどれくらい貯まったんですか」
「それは君の仕事がいつ終わるかによって変わるなあ」
その後、貯金の効果か、カブルーのプロジェクトは会社内でも評判の成果を納めた。
ついでに貯金を全額使った時の二人の散財ぷりも、大層すごいことになったとか。
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