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三毛田
2026-03-29 21:24:19
1079文字
Public
1000字7
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11 【11/遠い場所には届かない】
11日目
まだ君は遠い存在
手を伸ばしても、窓の外の遠くの星には届かない。
当たり前でわかりきっているのに、それでも手を伸ばして触れたいと思ってしまうのだ。
羅浮で彼の過去を知るまでは、俺にとって丹恒もそれに近い存在だった。
「なのはわかりやすいんだよな」
「馬鹿にしてる?」
「一応褒めてる」
クッキーを食べようとそろっと手を伸ばしたけれど、叩き落された。残念。
「欲しいなら、言って」
「ください」
「はいはい」
頭を下げたら、数枚もらえた。ラッキー。
「なのから見て、丹恒ってどう?」
「どうって?」
「分かりやすい? 分かりにくい?」
「分かりにくいところの方が多いよ。でも、姫子やヨウおじちゃんの前だと結構わかりやすいかな」
「やっぱり?」
俺たちよりも付き合いが長いからか、二人には甘えているというか二人のことは頼っている気がする。
だからわからないが、丹恒は少し遠く感じてしまう。
「丹恒だ」
「なんだ」
「目の下真っ黒」
なのがそう口にすると、彼はそっと自分の目の下を指で撫で。
「
……
」
「何日寝てないんだ」
思わず怒った声が出てしまった。だが、仕方ない。
「俺の部屋で寝るぞ」
「あと一日くらい寝なくても問題ない」
「パムに心配されるからな」
そう告げれば、大人しく俺に手を引かれながら歩いて。
どうやら、パムに心配されるのは嫌らしい。よくわからない。
「布団掃除機を使ったから、ふわふわだし。タオルケットも、洗って乾燥機で乾かしたから綺麗だぞ」
「そうか」
ベッドに腰かけ、靴を脱いでからそっと上がって。
「
……
ふわふわ」
布団を両手で押しながらボソッと。
「嫌か?」
「俺の布団は、薄いから違いに驚いている」
「なるほど」
確かに、丹恒の布団は常に敷きっぱなしだもんな。
「子守唄歌ってやろうか?」
「それは遠慮する」
小さく首を横に振り、もそもそとゆっくり潜り込んで目をつぶり。
「おやすみ、丹恒」
カッコつけて前髪を上げ、額にキスをしてみる。
驚いたように目を見開いたけれど、布団に包まれたら眠気が来たのか、瞼が落ちていく。
「丹恒ね貸しつけてきた」
「よくアンタのいうこと聞いたね」
サクサクと音を合ってながら、クッキーを頬張っている。
「布団の魔力には抗えなかったんだろうな」
「なるほど。アンタは何処で寝るの?」
「もちろん、丹恒の隣」
ウインクしながら親指を立てると、ジトッとした目を向けられて。
「それ狙ってたでしょ」
「バレたか」
「バレバレ」
まだまだ遠い存在だから、ちょっと強硬手段をとったまで。
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