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小説
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校外学習
中学時代の煙熱錦の話。めちゃくちゃ途中で止まってますがキリは良いので供養します🙏
校外学習の一大イベント、カレー作り。それは野外の炊事場で少人数の班に分かれて行われる。
クラスの親睦を深めるのが目的だと言うが、大鍋で作れるから楽だとか、好き嫌いが少ない食べ物だからとかいう理由が大半を占めている。
(カレーなんか
……
)
草津錦史郎はカレーが大の苦手だ。味や匂いもさることながら、この忌まわしき物体がきっかけで、幼馴染である鬼怒川熱史との間に亀裂が生じたことも敬遠する理由の一つだった。
草津はもう何日も口を聞いていない鬼怒川と違う班になり少し安堵したが、もしかしたら会話の糸口になったかもしれないという僅かな口惜しさがあった。
「うわ、ルウ甘口じゃん。せめて中辛だろ」
ウッドテーブルの上に用意された食材を吟味しながらぼやくのは、草津と同じ班の由布院煙。カレーを食す人間を軽蔑する草津は、甘口も辛口も相違無いだろと心の中で吐き捨てる。やる気の無さそうな顔で一丁前に文句を垂れる態度が気に食わない。
草津が由布院に嫌悪感を抱くのは、鬼怒川と一緒にカレー屋に行く姿を目撃したことが原因だった。あの日から草津は鬼怒川を避け、一人で行動するようになった。鬼怒川と由布院は、そんな草津と反比例するかのように距離を縮め、仲を深めていた。
「なあ鬼怒川ー」
野菜が入ったボウルを抱え、洗い場へ向かう鬼怒川を由布院が声を張って呼び止めた。
「どうしたの」と鬼怒川が答えると、由布院はカレールウの箱を手に取って「甘口とかありえなくね?」と共感を求めるように愚痴をこぼした。
「言うと思った。由布院、苦手だもんな」
「辛口以外はカレーじゃない。鬼怒川もそう思うだろ?」
「いやそこまでは思わないけど
……
俺は甘口も好きだし。辛いのが苦手な人の方が多いんだから仕方ないよ」
「守備範囲広いなぁ」
二人が親しげに話す横で草津はどんな顔をしていればよいのかわからず、テーブルに分配されたまな板やピーラーを手元にセッティングするなどして、二人の世界をまざまざと見せつけられても気に留めない風を装った。
鬼怒川は、お構いなくと突っぱねるような草津の様相に居心地の悪さを感じ、
「ほら、由布院もちゃんと手伝えよ」
草津を見習え、と由布院の後ろに視線を送り顎で促す。由布院が顔をそちらに向けると、鬼怒川は静かに立ち去った。
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