せうゆ
2026-03-28 23:45:39
2940文字
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Continue? Stage 1

高杉とニシキが住むアパートで、長州メンツ+龍馬がゲームをする現パロ話です。
気が向いたら続きます🎮

「おまんら!ゲームするぜよ!!!」
 玄関を開けて早々、龍馬の誘いにニシキは目を丸くする。驚くニシキをよそに、慣れた様子でアパートの玄関で靴を脱ぎずかずかとリビングへと歩いていく様は、まるでここが龍馬の家かと錯覚してしまうほどだ。
「さ、坂本さん?」
 突然現れた龍馬の姿にソファに座って映画を見ていた高杉も思わず立ち上がる。思い立ったら即行動。彼のアポなし訪問は珍しくはないが、困ったものだ。
 テレビの前に陣取った龍馬が、妙に大きいカバンを得意げにひっくり返す。と、中から大量のゲームソフトが出てきた。ジャンルはバラバラ、そもそも彼はこんなにゲームに熱心な男だっただろうか?
 高杉は山積みになったゲームソフトを覗き込むように観察する。値段のシールが上から貼り直されているものばかりだ。
「これ、どうしたんだ?」
「ふふ、よう聞いてくれた。」
 龍馬は嬉しそうにニカっと笑う。
「全部中古品でのぅ。何せこじゃんと安い!買わんと損や思うて買うたがやけんど
 話の途中で高杉はあぁと頷く。おおよそ、買ったはいいものの一人でやっても楽しくないとか、そういった理由だろう。
「やけんど安心せい!晋作!みんな呼んであるき。」
「は?みんな?」
「お邪魔しま〜す!」
 高杉が返事するのと同時に玄関から再び声がした。廊下に突っ立ったままだったニシキが慌てている様子がリビングからも伺える。まだ閉めていなかった玄関から賑やかな声がざわざわと近づいてきた。
「さぁ、ゲームパーティや!」


【龍馬とホラーゲーム】
 リビングの大きめのソファに座ったのは、高杉、そして久坂、伊藤。キッチンからニコニコとこちらを見ている文は、皆が持ち寄ったお菓子を大きめの皿に綺麗に盛り付けている最中だ。
 ソファの前のクッションに座ったのは龍馬とニシキ。言い出しっぺが最初にやるべきだと、意気揚々とコントローラーを握る。
なぜ私はここなんだ?」
 ニシキは眉を下げて龍馬を見る。ゲームなんて滅多にしないニシキはコントローラーの操作方法さえ先程教わったばかりだ。
「おまんはこっから全員のゲームに付き合ってもらうき。」
「そうだ、坂本さんにそう言われたから来たんだ。」
 久坂は腕を組みながらニシキを少し高い位置から見下ろす。なんでと質問をする前に、龍馬がその言葉を遮るように一本のゲームソフトを掲げた。
「これをやる!」
「ええ、いきなりですか。」
 伊藤がひぇ〜と見るからに嫌そうな顔をする。ゲームのパッケージには恐ろしい化け物の顔が大きく描かれており、誰が見てもどんなゲームかは察しがつく。
坂本さん、ホラーゲーム好きなのか。」
「いや、目を瞑ってとったらこれやった。」
 龍馬は改めてパッケージを確認すると、心底嫌そうに眉を顰める。
「これやらんとダメ?」
 恐る恐る後ろを振り向くと、3人は静かに頷くのだった。

「ひぇぇぇぇ!!」
 画面に出る赤く書かれたdeadの文字。ゲームオーバーのジャンプスケアで毎度投げられるコントローラーは、可哀想に、また床に転がっている。
「龍馬、目を瞑ってしまっては毎度やられてしまう。」
 ニシキはコントローラーを拾い上げ、容赦なくコンテニューのボタンを押した。
「ち、ちっくと待って、ちっくと休憩させて。」
「始まったばかりだろう。」
 高杉はそのやり取りが面白くて堪らないようで、ずっとくすくす笑い続けている。ニシキは、ありきたりなホラー演出に驚かない。いや、理解できていないのかもしれない。
「あ゛!!右から、右からきちょる!」
「右の扉を閉めるんだ。」
「閉めた、閉めた!!」
「左だ、左を見て。」
「来ちゅう!?!」
 ルールは単純、部屋に篭って夜が明けるまで怪物が部屋に侵入しないよう、扉を開け閉めするだけ。しかし、扉は同時には閉められない。容赦なく襲い来る恐ろしい怪物たちを反射神経のみで対処するのは中々難しい。
「あ、上だ。」
「上!?ぎゃーー!!!」
「ぎゃーーー!!!」
 同時に叫んだのは伊藤。ソファのクッションを抱えて怯えている。
「全く、情けない。こんな化け物、隠れないで倒せばいいものを。」
「ホラーゲームにならんだろそれは。」
 高杉の冷静なツッコミはイマイチ久坂には響かない。
「なんでホラーゲームって毎回主人公いるところ暗いんですかね!!電気つけろって!」
 恐怖からか理不尽に怒る伊藤に、龍馬もそうだそうだと雑に賛同する。
「電気がつくと、余計はっきり化け物の姿が見えてしまうがそれはいいのか?」
 純粋なニシキの疑問に龍馬は強めに首を振る。
「そりゃ嫌やけんど暗うて見えんのも嫌や!!」
 難しいなニシキはうーんと首を捻る。
「ホラーゲームといえばやっぱり音が、怖いですよね。」
 ソファの横の小さなテーブルにそっと全員分の飲み物を置きながら、文はふふ、と微笑む。意外とホラーゲームを見るのに抵抗はないようだ。
「音がない方がいいのか?」
「そうですね……いや
 伊藤は少し考える。
「音のないお化けも怖いかも
「あ、下だ、龍馬。」
「えっ、うぁぁぁぁぁ!!いつの間に!!?音がないが一番怖い!!!!!」
 奥が深いなと妙に感心した様子で、ニシキは再び画面に浮かび上がるdeadの血文字をまじまじと見る。
「わしはもう、もう無理や、ニシキがやってくれ。」
「ダメだ、これは龍馬がやると言った。」
「そうだぞ坂本さん、漢なら、覚悟決めて最後までやり切るべきだ。」
 いたって真剣なニシキとは違い、明らかに悪ノリをしている高杉を恨めしそうに一瞥し、龍馬は渋々コンテニューのボタンを押す。
 薄目で画面を見つつ、神経を集中させる。怪物が動き出す音を聞き逃さないように。集中すればするほど恐怖は増していく。怪物が閉じた扉をバンバンと叩くたび、ひぃ、と情けない声が出る。
 ちらりと横を見ると、手をぎゅっと握り真剣に画面を見つめるニシキが目に入る。こいつはこんなに真剣に見守ってくれているここで本気を出さねば、ニシキに示しがつかん
 龍馬は力強く目を開け、素早い動きで冷静に怪物に対処していく。ソファで見ていた面々も突然の覚醒におぉ、と思わず感嘆の声をあげる。これはパズルゲームのようなものだ。落ち着いて開閉のタイミングを組み立てていけば恐るるにに足らず!
 ゴーン、という鐘の音が鳴る。画面にはクリア、の文字。朝だ。朝が来たのだ。
「や、やった
 龍馬はコントローラーを力強く天に掲げる。
「夜明けぜよ!!!」
 パチパチと小さく拍手をして、その様子を嬉しそうに見つめるニシキの肩を龍馬はガッシと掴む。
「ありがとうおまんのおかげじゃ。おまんが隣におったから
 その言葉を遮るように、ごほん、と大きくわざとらしい咳払いが後ろから聞こえる。咳払いの犯人である高杉は、振り返った龍馬に画面を見るよう指を指す。
「やらなくていいのか?書いてあるぞ、〝DAY2 続ける〟ってな。」
 龍馬は画面を見たまましばらく動かない。そして突然大声で叫ぶのだった。
「もう勘弁してくれ〜!!」