榎本奏江
2026-03-28 05:07:44
1631文字
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【ふたさに】その世界に"自分"は含まれていない

小説未満の小話。今後、漫画or小説になる予定のモノです。
Twitterに上がっていたものを最低限の加筆修正のみです。
突然始まって、途中ではしょったり、突然終わります。
二筋樋に柔道を教えてもらいたい審神者。

桔梗:ヒサは柔道できる?
二筋樋:できないことはないが、どうした?
桔梗:ちょっと教えてもらいたいんだけど
二筋樋:警察学校で習わなかったのか?帯持ってなかったか?
桔梗:持っているのは持っているんだけど、実は術科のなかで一番苦手なんだよね。逮捕術も。逮捕術はまだ、応用が利くんだけど、柔道だけは入校から習ったし、体格差で苦手意識あるから、なるべくできるようにしたいんだよね
二筋樋:確かにあんた、ほかの警察官からしたら小柄だからな。不利なのは間違いない。だが、あれだけ対応できてたら十分じゃないのか?
桔梗:やっぱり、苦手意識があるだけでもマイナス要素だから、苦手意識や不安要素は可能な限りは取り除きたい。実践的な組み手とかはほかの刀に頼めるけど、【柔道】になると限られちゃうから
二筋樋:そういうことならわかった。俺で良ければ相手になるぞ。いつやる?



二筋樋:……あんたは、真面目なんだな。自分の苦手分野にも逃げずに克服しようと努力する。どんなに負けても挑み続ける。大したもんだ
桔梗:真面目なんかじゃないよ。できないまま、苦手なままで犯人を前にしたとき誰が苦しい思いすると思う?誰が一番つらい思いをすると思う?罪のない県民だよ。私がただ1人で殉職するぶんには構わない。それは運が悪かったことだし、力不足で招いたことだと思うから。でも、ただそれだけじゃない。私の力が及ばなかったあまりに他人が犠牲になるのは許されない。そこはどんなに自分の力がなくても、護らなければならないと思うの。巻き沿いをくらい、失った命で辛い思いをするのは本人たちだけじゃない。遺された家族や周りの方だよ。知らない間に大切な人が奪われていた。朝、おはよう行ってらっしゃいと送った相手が「おかえり」と言わず、冷たい姿で帰ってきた。どうおもう?
二筋樋:……
桔梗:私は、その犠牲や悲しみ、奪われて遺された人の無念や怒りや恨みを持ってほしくない。悲しい連鎖が来ないように私は少しでも目に映る人たちを護りたい。もう、そんな姿を見たくない。絶対になくなる可能性はないけれど、それを自分の力で少しでも少なくできるのであれば、私は戦う。その人達が幸せな未来を大切な人と歩けるように護り続ける。
二筋樋(あんたは、知っているんだな。【奪われて、遺されたひと】の姿を。奪った立場の褒賞として存在する俺が言えたものではないが……)
二筋樋:キョウ、勘違いするなよ
桔梗:えっ?
二筋樋:俺や周りからしたらあんたも【ソレ】に含まれているんだ。自分は構わないとか言うな
桔梗:????
二筋樋:おい、本当に分かってないのか?
桔梗:え?
二筋樋:はぁーっ……。あんたなぁ。少しは自覚したらどうだ?自分のこと気にしなさすぎだろう。あんたも俺たち含めた刀や、あんたのことを大切に思っている人間が、あんたが誰かのために犠牲になって、悲しむやつが居るってことだ。あんたが殉職して、殺した相手を憎むヒトもいるし、あんたがいない世界を悲しむヒトも居るってことを忘れるな
桔梗:あ、あー……。そうかな?そう、思ってくれる人がいると嬉しいけれど
二筋樋:おい……。本気で言ってるのか?
桔梗:私は、自分が万が一、審神者の仕事でも警察の仕事でも殉職しても仕方ないと思うし、それは覚悟の上だから。それに、それで命を落としてしまうなら、それは当然の【報い】だと思ってる
二筋樋:当然の報い?
桔梗:……っ。あ、まぁ、色々あったんだよ。昔ね。さ、そろそろ夕餉の時間だし、着替えてくるね。練習の相手したくれてありがとう
二筋樋:おい、待て
桔梗:………
二筋樋:今は詮索しない。だが、これだけは覚えていて欲しい。俺は、相棒のあんたが死んだら殺した相手は斬る。そのぐらいの気持ちを持っていることは理解してくれ
桔梗:……優しいんだね、ヒサは。ありがとう。でも、すぐにやられるようなヤワじゃないから大丈夫だよ。生きるよ