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ポほ
2026-03-27 23:14:57
1803文字
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跡取り息子、やめました!?
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水着売り場って…オレ、いていいのか?
りやめ夏休み編第1話。
夏といえば水着回。TSものなら水着を買いに行く所から外せない。
ちなみに学校の授業のプールは今時は水着があんまりエロくないのでやりませんでした。多分学校にプールという設備自体ない設定のつもりです。
なんなら90年代生まれの私ですら中学生の頃はセパレートタイプのシンプルな水着を買わされていた記憶があるので…
1学期も終わりが近づき、中学では短縮授業が始まる頃。静乃が隣県にある大型屋内プール施設の無料券を渡してきた。
「プールの券?」
「そ。こないだバ先の人にもらったんだ。今月までのやつ。3枚あるから友達と行ってきな」
「嬉しいけど
……
なんで?静姉が行けばいいじゃん」
「私はもう行ったことあるからいいの」
「でもなんの見返りもなく券くれるって
……
なんか企んでんじゃないだろうな?」
「あのね。私がそんな人間に見える?」
その声には圧があった。
(見えるって言ったら何されるか分かんねえ
……
!)
とりあえず、券を受け取ることにした。
(宗真、どんな水着選ぶんだろ。絶対面白いことになるわよね)
……
その実、完全に弟をおもちゃ扱いしている姉なのであった。
ショッピングモールの水着売り場。カラフルな布地とポップなBGMに、宗真は明らかに落ち着きを失っていた。
(なんでオレ、こんなとこ来てんだ
……
)
「ほら宗真、これとかどう?シンプルで可愛いじゃん」
ちなつがカーキのタンキニを勧める。
「えっ、いや、オレは
……
っていうか、女子の水着売り場ってこんな堂々と入っていいのか?」
「もう今さらでしょ。宗真、『今は』女子なんだから」
「『今は』強調すんなよ!余計居づらくなる!」
ちなつは楽しそうにラックを見回している。
「夏だしさ、せっかくだから新しいの欲しくて」
「私も。前の、ちょっとサイズ合わなくなってきたし
……
」
ゆきも同意する。
(サイズ
……
)
宗真は無意識に二人の胸元を見て、すぐ視線を逸らした。
(比べるなオレ!比べるな!)
試着室前。2つ並んだ試着室で、片方はちなつが先に試着中で、もう片方がようやく空いた。
「宗真、先入ってきなよ。念の為見張ってるからさ」
「
……
なあ」
「ん?」
「オレ、試着室とか
……
入っていいのか
……
?」
「当たり前でしょ。サイズ合ってるか着ないとわかんないんだから」
「いや、そうなんだけど!そうなんだけどさ!」
(男のオレが、女物の水着の試着室
……
!)
ゆきは一瞬考えてから、淡々と言った。
「大丈夫。今の宗真、女の子にしか見えないし」
「そういうことじゃなくてぇ
……
」
「でも女子トイレも入れたんだし、行けるよ」
「そういうもんなのか
……
?でももうちょい心の準備したいから、先入ってくれよ」
「
……
しょうがないな。ちゃんとここで待っててよ?」
そしてゆきも試着を始めた。
試着室からは布の擦れる音と、ゆきの少し困った声。
「あー
……
これ、胸のとこがちょっときついかも」
「じゃあワンサイズ上だね。ゆきの持ってたやつ可愛いし、私も同じのにしようかな」
「ち、ちなっちゃんとお揃い
……
!?」
(前から思ってたけど、ゆきって静姉ほどじゃないにせよ、けっこうムネ、立派だよな
……
。てかこの会話、オレが聞いてていいやつなのか
……
!?)
罪悪感が宗真を襲った。
そして一旦試着を終えたちなつが宗真に譲り、意を決して試着を始めた。
(今のゆきみたく、胸のとこがきつい
……
とか言ってみてぇ〜!)
などと思っていたが、その逆だった。胸の部分の布が余り、情けなくめくれている。カーテン越しにちなつの声が飛ぶ。
「どう?サイズ大丈夫そう?」
「
……
着れてはいる。でもこれ、押さえてないと胸のとこずり落ちてくんだけど?」
「うーん
……
それだとちょっと大きいかもね。もっと小さいやつ持ってきたげるね!」
(直球かよ!)
宗真は鏡を見て、ため息をついた。
(胸がないと、こう
……
布が余るんだな。ゆきとオレとじゃ次元が違う
……
)
なぜか敗北感のようなものを味わう宗真だった。
最終的に、三人ともそれぞれ違う水着を選んだ。
……
ゆきの方がちなつとお揃いにするのを断ったらしい。乙女心は複雑である。
「いいの買えてよかった〜!」
「うん、楽しかったね」
「
……
正直に言うけどさ」
二人が宗真を見る。
「女子同士で水着買いに行くのって、すごい疲れんだな」
「何その感想」
「ふふ、宗真はまだ慣れてないだけじゃない?」
「当たり前だろ!男子歴12年なんだから!
「でもさ。こうやって一緒に選ぶの、楽しかったでしょ?」
宗真は少し考えてから、照れたように視線を逸らす。
「
……
まあ、嫌いじゃないかな」
「でしょ」
三人並んで歩き出す。夏は、もうすぐだった。
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