Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
望月 鏡翠
2026-03-27 10:18:46
895文字
Public
日課
Clear cache
#2035 THE MEME! その5
#毎日最低800文字のSSを書く/ダーリンランデヴー!
ラダはもう子供や風船に興味を持っていないようだった。
その目は、園内を歩く人間をただ監視していた。
「つまらないこと聞いてもいいか?」
「どうぞ。 会話の面白さを私が判断することはりません」
「その外見は妻のものじゃないのか。どうして隠す」
「隠したつもりは、ありません。ただ、答えられなかったのです」
彼に投げかけられたのは、いくつかの質問だ。
外見を借りている彼女は誰なのか。わかりません。
どうして、その姿になっているのか。わかりません。
同じ国の出身なのか。わかりません。
妻だったというのなら、故意に事実を隠匿したのでなくてなんなのか。
「答えると何か不都合があるのか」
「事実として、俺は彼女のことを何も知らないのです。生前の関係については質問されませんでした」
「屁理屈だな
……
。知らなかったってのはなんだ」
「彼女がどこの誰なのか、どこの出身なのか、名前がなんなのか。そういったパーソナルな情報を、俺は知らないままでした。言葉も違っていたので」
想像したことはなかった。人間が人間として扱われていなかった時代があったことは知っている。知識があるだけで、それは他人事だ。ラダが自分のことを話すときと同じだ。
ただ知っているだけ。
同化政策の一環として、ディレイルボマーは入植者たちの社会制度に従って婚姻を結んだ。それは記録が残っている。
では被差別民俗であり犯罪者であるところの彼と婚姻を結ぶ人間は、一体誰であったのか。希望者がいたとは思えなかった。
言葉も交わせない相手と結婚したと言うのは、つまりはそう言うことなのだろう。
哀れに思う。
だからと言って寄り添ってやることはできないのだが。
確かにラダは聞かれたことに答えていた。だが何を聞かれているのかは、流石にわかっていたはずだ。わかっていて嘘をつかない範囲であえて事実を外したのだろう。
「なら、その外見はお前が生前婚姻していた妻なのか?って尋ねたら、答えてくれるのか」
「そうですね。そうきかれたのであればお答えします。これは、俺の妻だった人です」
はっきりと、ラダは頷いた。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内