三毛田
2026-03-24 21:31:00
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6 【06/それが全ての合図】

6日目
俺の一言で進む

 物資補給のため、何処かの星に寄るかどうかの会議中。
 一度訪れたことがある場所がいいか、それとも違う場所がいいか。
 みんなでこうやって話し合うのは楽しい。
「穹。ニコニコしてないで、ちゃんとアンタも意見を出して」
「ん? パムが、列車で再現できる料理があるところ!」
 俺が笑顔のまま宣言すると、みんな一斉に考え込む。
「それは……確かに重要事項だな」
「毎日だと飽きてしまうが、たまに食べるならば悪くない」
「料理だけじゃなくて、デザートも重要だよ!」
「そうね。コーヒーに合う料理やデザートは、確かに必要ね」
 それは姫子だけ。という言葉は飲み込み、皆に混ざってあれがいいこれがいいとメモに書き込んでいく。
「候補としては、こことここね」
「どっちがいいかは、車掌さんに聞いてみよう!」
 と、姫子となのはパムの元へ。
「お前の一言が、いいきっかけになったな」
 丹恒が、優しく俺の頭を撫でてくれる。
「えへへ」
 俺の一言が、全ての合図だったかのように物事が動き出した。
 それだけで、ちょっとだけ誇らしくなる。
「丹恒先生、この後も甘やかして」
「それは考えておこう」
 腕に絡みつきながら、上目遣いにおねだりしたらそう返され。
 うーん。ガードはまだまだ硬いな。
 まあ、でも。
 同じ空間に長時間いることを許してくれるようになったし、時々なら一緒に寝てくれるようにもなった。
 それだけでも、俺たちの関係は進んでいる。
「パムに相談したら、こっちにしましょうって」
「すぐに向かうのか?」
「調整が必要だから、すぐには無理って言ってた。でも、一週間以内には向かう予定」
「わかった。実際跳躍をするとなれば、パムから車内放送が入るだろう」
「だよね~」
 三人で話しながら、パーティー車両へ。
 今日はテンションが上がったので、二人にモクテルを作って振舞う。
「美味いな」
「うんうん。美味しい!」
「ふふん」
 褒められたのが嬉しくて、思わず胸を張ってしまう。
「俺の好きな味だ」
「うんうん。ウチの方も、好きな味!」
「二人のことを、よく見ているから」
 自分で口にしておきながら、ちょっとう恥ずかしくて。誤魔化すように、鼻の下を擦る。
「穹は飲まないのか」
「じゃあ……俺が作るから、二人が入れるドリンク選んでくれるか?」
 自分で作るよりも、二人に選んでもらったものを飲みたい。そんな我儘。
「良いよ。えーと、甘いのにする?」
「濃いめにするか、薄めにするか」
「氷多めか、少なめか。グラスのサイズもあるよね」