三毛田
2026-03-22 13:44:56
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4 【04/何が変わると問いかけても】

4日目
それはあいまいだ

 人の布団に居座り、何が楽しいのかわからないが、ニコニコと笑みを浮かべながらこちらを見る青年。
「何だ」
「好きだなぁ。って」
「そうか」
「丹恒にもいずれわかるさ」
 などと、己はわかっています。という返答。
「誰かを好きになることで、何が変わる」
 ふと唇からこぼれ落ちたのは、そんな言葉。
 彼は一瞬キョトンとしたけれど。
「変わる部分もあるし、変わらない部分もある。でも、誰かを――俺の場合は、丹恒だけど――好きになるのって、生活が潤うんだ」
「潤わせる必要が?」
「あるさ。だって、代わり映えのしない毎日じゃ、流石につまらないだろ?」
 そう言われても、理解不能だ。
 俺は、毎日同じことの繰り返しだとしても、あまり気にしない方だと思われる。
「お前は、変化を望むのか?」
「人って、日々変化していく生き物じゃないか?」
「それは、確かに」
 彼の言葉に、俺の生物学者としての部分が、刺激された。
「む」
 メッセージの届いた音に、それを開くと知人からのメッセージが。
「どうした?」
「あと一システム時間に一度列車を離れる」
「ぇ」
「今研究中の新種に動きがあったらしい。現地でフィールドワークをしているものから、その連絡があった」
「行くの?」
「ああ。これで、研究が進む」
……
 穹は何かを言いたげにこちらを見ているが、構っていられない。
「戻ってきたら、俺に構ってくれるか?」
「いつになるかわからないが、それでもいいなら」
「わかったよ。待ってる」
「そうか。姫子さんとヴェルトさんのいうことをよく聞いて、待っていろ」
 頭を撫で、資料室を出る。パムと姫子さん、ヴェルトさんに数日列車を離れる旨を伝えて荷物を用意してアンカーで目的地まで。
「ふう」
 一週間高二週間ほど過ぎ。ようやく列車に帰ってくることが出来た。
 共同研究の相手と、盛り上がりすぎたものあるが、日々新たな動きを見せる新種から目を離せなかったのもある。
「ただいま」
「おかえり」
 荷物を資料室に置いて、既刊の挨拶をしようとラウンジに来たら穹が仁王立ちしていた。
「お前は寂しくなかったかもしれないけど、俺は寂しかったんだからな」
 怒っているように見えるけれど、今にも泣きそうだ。そう思ったのは、俺の気のせいだろうか。だが、それを口にしたとしても、彼は認めない気もして。
「そう、か」
 答えに窮していると、強く抱きしめられる。
「穹?」
「しばらく離さないからな」
「構わないが、埃臭いぞ」
「んぎぃ」
 言わんこっちゃない。