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2026-03-21 01:23:34
1972文字
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どう誘えばいいのか分からない/助手2号のお兄ちゃんのイトアキ

距離がある頃もあったという話

これはまだお互いがお互いに慣れていない頃のことである。
アキラは元々、頻繁に自慰行為をしていて、肛門を使って快楽を得ていた。ほんの好奇心から試してみたところ、合っていたため、道具などを用いていじっていた。
そのため、排泄器官の肛門の中に入れるという行為はそれほど驚くものではなかったのだが、道具ではなく他人の性器を挿入するというのは自慰をしていた頃、あまり想像したことがなかった。
ポルノコンテンツではビデオかコミックをもっぱら愛用していた。する前にそれで興奮度を高めておいていじるのである。
相手がいる場合、そして何度か関係していた場合、そうした補助は必要なくなるのだということを知った。そもそも会う目的がセックスだったとき、初めから意識しているためだ。
朝起きてからの一日の始まりに排泄して洗浄するのもルーティンになった。これが障害になってできなくなるのが面倒だったからだ。ライトは彼が準備していると知った時、かなり驚いていた。が、体験談などを読む限り、皆、ボトム側はそれなりに用意をしている。
その日もブレイズウッドに用があり、リンと一緒に出かけた。「精算の日」を終えてからは郊外も比較的穏やかで、特に依頼などもなかったのだが、今後の協力関係の強化という名目でパエトーン兄妹は頻繁にシーザーたちと会合を持っていた。
用事を終えたあとはアイアンタスクかチートピアでちょっとした宴会をして解散する。リンとアキラには寝泊まりする家屋を貸し与えられていたが2人がそこを使うことは稀だった。リンはシーザー、ルーシーとパジャマパーティーをするし、アキラはカリュドーンの子の唯一の男性メンバーであるライトと過ごすことが多かった。
「飲み直すか」
チャンピオンはアイアンタスクではバーニスたちにいじられていた。じっくり腰を据えて飲みたいのかと解釈したアキラは頷いた。ライトは何本か、ボトルを棚から持ってきて、自分の拠点に向かった。アキラはその後ろについて行った。
部屋ではたわいもない話をしてグラスを傾けた。アキラは酒に弱くない。むしろ強い方で、顔に出ることもなかった。一方のチャンピオンは少し顔が赤くなっていた。何度か差し向かいで飲んでわかったことだが、ライトも相当に強く、だが、一定量を過ぎると前後不覚になり酔っ払う。それがまた、酔っているようではない言動なのに、いきなり電源が落とされたように眠ってしまう。起きた時に二日酔いになっていないのは羨ましい限りで、しかもあまり記憶がないので、ある意味幸せと言えた。
持ってきたボトルを全て空けてしまって、ライトは立ち上がった。
「寝るか」
「うん」
「シャワーを使ってくれ。バスタオルはいつもの場所にある」
「ありがとう」
アキラはライトのお言葉に甘えて先に体を洗った。出かける前にいじっていたそこを指で広げてほぐす。熱い湯が中を刺激して、アキラは自分がかなり期待していることを自覚した。
ライトとのセックスときたら、それはもう嵐のようで、ひとり遊びの快感とは比べ物にならない。中をこじあけられ奥を突かれるのがこんなにも気持ちいいとは思わなかった。ふだん生活していてもたまに思い出しては、またやりたいと思ってしまう。
少しも一方的ではなく、こちらのことを気遣いながら、しかし暴力的なピストンで翻弄される。それをよしとするのは、自分でも意外だった。
シャワールームから出るとライトはベッドに座って本を読んでいた。日焼けしたペーパーバックでかなりの読みあとがついている。アキラが出てきたことに気づき、本を閉じてテーブルに起き、ライトは立ち上がった。
「先に使わせてくれてありがとう」
「気にするな。……眠かったら寝てていいぞ」
おや、とアキラは目を見開いた。
ライトは装飾品の数々を外してテーブルに置いていった。身軽になってシャワールームに向かう。そのシャツの裾をアキラは指でつかんだ。
「どうした?」
「あ、えーと」
どう声をかけるべきか戸惑い、アキラは俯いた。
ライトはアキラが話し始めるのを待っている。
「その……今日は、しない?」
…………
ライトが喉を鳴らすのを聞く。
「準備してるから、先に寝るなんて、無理だ」
声が上ずってしまう。期待していることが丸わかりでかなり恥ずかしかったが、しかたがない。どう誘えばいいかわからないのだ。
「すぐ浴びてくる」
ライトの低い声も掠れていた。
抱いてくれるのだとわかり、ホッとする。
「待ってるね」
その言葉には返答がなかった。
シャワールームのドアが荒々しい音を立てて閉められ、シャワーの水音が響いてくる。
アキラはライトのベッドに寝転がった。
乾いた木の香りがする。ほんの少し、革とガソリンのにおいもした。
人とするのは難しいな、と目を瞑った。