三毛田
2026-03-20 22:36:38
1083文字
Public 1000字7
 

2 【02/明日は待ってくれない】

2日目
それでも、明日は来る

 どんなに嫌だと思っていたとしても、時間は無情に過ぎてゆく。
「はあ……
 明日は、丹恒との初めてのデートだ。
 緊張して脳が興奮しているのか、全然眠くない。
 ベッドから出て、ぬるま湯をコップ一杯飲んでからゴロンと寝転がる。
……
 そういえば、なのが置いていったプラネタリウムとかいうのがあったなと、起き上がって探し出す。
「これか」
 スイッチを押すだけで勝手に動くらしいから、ポチッと。
「わっ」
 ふわっと急に香りが広がって、思わず声が出た。
「これのこと何も言ってなかった!」
 ミストフレグランスが出るとか、無駄じゃない!? ルームフレグランスだっけ?
 正直どっちでもいいが。
「まあ、悪い匂いじゃないけどさ……
 びっくりしたので、ついぐちぐち言ってしまう。
 よく見たらタイマーもあったので、それをいじって再びベッドに潜り込む。
 枕と頭の間に腕を入れ、天井を眺め。
……
 フレグランスの力もあるのか、段々瞼が重くなってきた。
 気づけば、眠りに落ちていて。
……うるさい」
 手を伸ばして、音の発信源を止めようとする。でも、指先がかすめただけ。
「んぁ?」
「おはよう」
「んー……おはよう」
「朝食は?」
「食べる~。え?」
 交わしていた声が、丹恒だと気付いて飛び起きる。
「どうした?」
「も、もしかして遅刻!?」
「早く起きてしまったから、お前の様子を見に来ただけだ」
 優しく微笑む姿に、胸がキュンキュン。
「あ、うぅ……
 胸が苦しい。
 好きすぎて、大変なことになりそうだ。
「それで。朝食は何にする?」
「えーと。何があるんだ?」
「サンドイッチセット、ホットサンド、オムレツとブレッドのセット、フレンチトーストがある。スープは共通だ」
「じゃあ、ホットサンドとフレンチトースト食べる」
「もらってこよう」
「ありがとう」
 丹恒を見送り、顔を洗ってついでにスキンケアも済ませて待つ。
「待たせた」
「ううん。持って来てくれて、ありがとう」
「俺がお前にしてやりたかっただけだから、気にするな」
 ダイニングテーブルに着いて、両手を合わせてから食べる。
「美味しかった」
「パムに礼を告げてから出かければいい」
「うん」
「もう出かけられるか?」
「うん!」
 食器を持ってパムに礼を告げ、それから二人でアンカーで跳ぶ。
 緊張でぎこちないけれど、多幸感に包まれていくこの感覚に、嬉しくて口が緩みそうになって。慌てて手で塞ぐ。
「穹?」
「表情がヤバいから、見ないで」
「そんなお前も俺からすれば愛しい」