三毛田
2026-03-18 21:31:32
1079文字
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100 07. 戸惑う指先

100日目
君に触れることに戸惑う

「あー……うー……
「何を唸っているんだ」
「だってさぁ」
「お前が触れたいと言ったのだろう」
「ひゃんっ」
 急に丹恒の手が触れて、思わず悲鳴が出てしまう。
 呆れた表情を向けられたけれど、心の準備が出来ていないんだから!
「戸惑うから、苦しくなるんじゃないのか?」
「別に戸惑ってなんか……
 誤魔化そうとしたけれど、無理だ。
 丹恒にはバレバレだもの。
「そうだよ。お前の手に触れるのって、戸惑うんだ。好きな相手に触れるのって、すごい大変なんだよ。気持ちの面でさ」
「そうか」
 返ってきたのは、肯定でも否定でもない言葉。
「じゃあ、改めて。触れていいか?」
「お前の好きにしろ」
 そっとこちらへと差し出された手を、恐る恐る握る。
 相変わらず、温度の低い手た。でも、でも、嫌じゃない。
 それどころか、もっと触れたいとも思ってしまうほど。
「好き」
……
 俺がこうやって好きだと告げると、いつも黙ってしまう。
「丹恒は、俺のことどう思ってるんだ?」
「嫌いではない。それに、お前は大切な仲間だ」
 本当に?
 という問いかけは、飲み込んだ。
 きっと丹恒は、恋と友愛の区別がついていないような気がするから。
 まあ、俺も詳しいこととか、細かいことはよくわかっていないし。
「丹恒と、こうして触れていると嬉しくて仕方ないんだ」
「お前は変なやつだな」
 いつもそう。
 俺が嬉しそうに告げると、こうやってちょっとだけ呆れたような表情を浮かべる。
 でも、嫌そうじゃないから実はこの時間も好きだ。
「えへ、えへへ」
「嬉しそうだな」
「うん。俺、丹恒の手が好きだから」
……
「みんなを守ってくれるこの手が、皆が積極的にやらないアーカイブの整理をしてくれるこの手が。好きで好きで仕方ないんだ」
 握った手を自分の頬へと持っていき、頬ずり。
 まさか頬ずりするとは思っていなかったのだろう。驚いたように目を見開いて。
 この表情が観たかったんだよなぁ。って言ったら、きっと叩かれそう。
 意外と手が早いんだ、丹恒は。
「んふ。んふふふふ」
 急に笑い出した俺を気味悪そうな物を見るような目で見てくる。うん。その表情も好き!
 と言ったら、手を振り払われてしまうだろうけど。
……俺も、お前と手を繋ぐこの時間は嫌いじゃない」
「そっか! うん。嬉しい」
 両手で手を掴み、深呼吸をした後丹恒の指にキス。
「てっ」
「す、すまない。だ、だが」
「大丈夫。俺が悪いのはわかってるから」
 急に手を振り払われた。まあ、俺が悪いよな。これは。