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リレン
2334文字
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フリンズ夢 短編
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推しがフリンズさんなのでゲームしてた時の話
※現実干渉の表現があります、ご注意を。
「あーすり抜けたぁ
……
けど、次で完凸確定だ!」
ソファに寝そべりながら、今一番遊んでるスマホゲーム『原神』をプレイをしているところだ。ゲーム内で推しキャラ
――
フリンズがガチャピックアップ中なので、今はとっても忙しい。マップ探索やイベントで貰えるアイテムを集めているけれど、期間中に完凸するためにはリアルマネーも注ぐしかない。だって、頑張って強くした推しキャラを色んなマップに連れ歩けるのは、とっても楽しいからね。
「フリンズ完凸分まで、また探索進めてみるかぁ」
せっかく貯めたガチャ石が先程消えてしまったので、若干しょんぼりした。うーん、気分転換に夜明かしの墓に行こう、とマップ画面を開く。
今日は報告書のフリンズだったみたい。ついつい推しのいるマップに押しかけては話し掛けてしまう。そろそろセリフも覚えてしまいそうだ。
「へへ、フリンズは報告書頑張ってねぇ。
……
あ、せっかくだしおやつでも食べながら遊ぼうかな」
一旦スマホをテーブルに置いて立ち上がり、おやつと飲み物を準備するためにキッチンへと向かう。
その時
――
操作してないスマホの画面が、鮮やかに光る。
「
……
ん?」
スマホ画面を見てたわけじゃ無いけど、視界の隅に光を捉えた気がした。先日買っておいた少し高価なチョコレートを片手に、一度テーブルまで戻る。画面を覗き込むが、いつも通りベンチに座っているフリンズが見えただけ。
「
……
気のせいかな?」
もう一度キッチンに戻り、コップにお茶を注いでテーブルに戻ってくる。スマホ画面を覗き込むと、先ほどと変わらずベンチに座るフリンズがいる。そりゃそうだよね。
ソファに戻り、今日のホワイトデー用に
――
と言っても自分用に買っておいたチョコレートの紙箱を開ける。青と黒主体で月と炎が箔押しされた、推しのイメージチョコレートだ。見つけた瞬間パケ買いした。
フリンズって、食べ物が好きじゃ無い設定なんだよね。飲料水も苦手だし。チョコレートは食べたりしないのかなぁ、などと考えつつ可愛くデコレーションされたチョコレートを眺める。トリュフチョコが宝石型となっていて、とっても素敵。彼にも似合いそう。
「そういえば、先月は回復アイテムをお菓子系にしてたんだよね。被弾の度にたくさん食べてもらいました、よっ!」
画面内のフリンズを、ツンっと突く。当たり前だが反応はなく、カメラ位置が少し変わった程度だ。
「今日はせっかくホワイトデーだし、ガチャで何度も天井叩かされてたし、その時のお礼をフリンズから貰えたらなぁ〜〜
……
なんちゃって」
何を言ってるんだか
……
と自問自答の独り言を続けながら、用意していたお茶のコップに手を伸ばしたところで、
『おや、そんなことを考えていたのですか?』
「
…………
んん?」
聞き覚えのないフリンズの声が聞こえた、気がする。いやいや、報告書フリンズはそんなセリフないし、
……
今スマホ触ってなかったし。
コップから手を離してスマホを手に取る。
……
うん、ベンチに座ってるフリンズがいる。
――
あれ?
そんな設定した覚えはないのだが、フリンズの拡大した正面顔で画面が停止している。けれど、そんなカメラ操作をした記憶は、ない。いや、なにこれ
……
。なんだか冷や汗が出て来た。
『貴女に、話しかけてるんですよ』
――
また、聞こえた? え
……
、な、どういうこと?何かの新規イベント⁈
手にしたスマホ画面に目線を落とすと、フリンズが、こちらを見ている。そして、彼は正面
――
つまりカメラ視点へと手を伸ばして来ている。どうしてだろう、そんな彼から目が離せない。
スマホの画面から、とても見覚えのある黒い手袋の、質量を持ったフリンズの手が伸びてくる。
「
…………
は?」
その手は、動揺して一言呟いた私の口元にそっと触れ、口の中に何か入れられる。反射的に口を閉じると、チョコレートの味がした。
『どうぞ、ご希望いただいたお返し
――
ですよ』
彼の手はそのまま私の頬をスルリと撫で、画面の中へ戻って行った。
震える私の手から滑り落ちたスマホが、カタンと音を立てて床に落ちる。あっ
――
とは思ったが、動揺と恐怖によりスマホへ再度触れる勇気が出ない。自然と止めてしまっていた息を深く吐き出す。
「ゆ、夢
…………
白昼夢とか、かな?」
そう思いたいのに、先ほど飲み込んだ
――
口の中に確かに存在するチョコレートと残り香が、それは現実だったのだと断定してくる。
勇気を振り絞ってスマホを床から拾い、薄目で画面を覗く。ベンチに座るいつものフリンズが居る。
……
どういうこと?と、疑問は尽きないけれど、ひとまず夢だったと思い込むことにした。じゃないと流石に怖いし。
とはいえ、推しから直接の供給
……
が?ゲーム内から?そんな訳
……
あはは
……
。頭が混乱しすぎて乾いた笑いも出てくる。
「よし
……
今日は報酬貰って、ゲームは終わりにしよう」
少しわざとらしく独り言を言う。それからもう一度薄目で画面を見ると、彼はいつものベンチに座りながらも、カメラの角度的にこちらを見ているように見えなくも、ない。
――
ふと思い立ち、ガチャ画面を開く。フリンズガチャの画面に移動して、おもむろに単発一回分だけ回す。なんとなく予想はしていたのだが、流れる星が金色に輝いて、現れたのは
――
もちろんフリンズだった。これで完凸分、確保できてしまった。
「なんで
……
、もう少し早めに出てきてくれないんですかね?」
目の錯覚だとは思うけれど、ガチャ画面にいる彼が、少しだけ笑ったように見えた。
『その方が、貴女は僕の所に通ってくださるのでしょう?』
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