望月 鏡翠
2026-03-18 09:52:17
913文字
Public 日課
 

#2027 ラダ4

#毎日最低800文字のSSを書く/ダーリンランデブー!


 ダーリンと契約した相手をファタールという。彼らが蘇った瞬間から持っている苦痛を和らげることができるのだという。人間側に、特にメリットもデメリットもない。と言われている。
 死後地獄に落ちるとかなんとか言われているが、死んだあと地獄に落ちた上で、蘇ってきてるんだから、それはデメリットなのだろうかと疑問に思う。
 永遠に続く責苦だなんて言われても、永遠という時間感覚はイライジャには知識としてしか理解ができない。永遠に苦しみが続くことを、先のことを考えてそれは嫌だと言って避けることができる人間ばっかりなら、この世にギャンブル依存症の人間も無謀な賭けに出る人間もいないだろう。
 では、ダーリン側はどうかというと、彼らにはメリットが大いにある。
 彼らはこの世に復活した瞬間から、耐え難い苦しみに見舞われているのだという。それを和らげるために、ファタールとの契約が必要なのだという。
 ここで人間側のメリットが生じる。
 つまり、ダーリンは耐え難い苦痛を与えられている。いずれ狂ってこの世から消えてしまうような苦しみだ。ファタールと契約させることでようやくそこから逃れることができるので、その存在が彼らに対して抑止力となる。
 ファタールを失いたくなければ、危険に立ち向かっていく職員を助け、いうことを聞いて協力しろというわけだ。
 イライジャにラダと契約しろという命が降ったのも、未だにどこか素性の知れない彼ないし彼女に首輪をつけろという意味合いが強いのだろう。
 一応、拒否権はあった。
 危険だし、相性もあるからだ。能力や普段の活動を鑑みて、もっと高相性の相手を望んでいいことになっている。
 ラダはおとなしいダーリンだったが、それでも早く契約して首輪をつけることが望まれた。何を考えているのかわからないというのが、その理由だった。
 確かに、何を考えているのかわからない。
 興味がなさそうな態度で、隠すこともなく聞かれたことには全て答える。
 しかし、ダーリンである以上渇望する何かがあるはずだ。
 苦しみと痛み、果てなき欲望。
 それがダーリンという死に損ないの、この世にある限り変えられない性質だからだ。