ポほ
2026-03-17 23:35:57
546文字
Public 跡取り息子、やめました!?
 

名前呼び

第6.2話

 登校中、宗真は前方を歩くちなつとゆきの背中を見つけた。
「櫻井、藤枝、おはよー」
「おはよ。……ねえ、前から思ってたんだけどさ。あたしらが宗真のこと名前で呼んでるのに、宗真はあたしらのこと名前で呼んでくれないよね」
 ちなつがぽつりと返す。
「確かに。それだとちょっと距離あるよね」
 ゆきも同意する。
「えっ!?」
「だって女子のこと名前で呼ぶとか、ハズいし……!」
「出た。宗真の、たまに出る男子ムーブ」
 ゆきがからかうように返す。
「だ、男子ムーブって言ってもさ!男子歴十二年なんだから、しょうがねえだろ!」
「で、結局呼んでくれないの?恋バナの時は『自分だけ聞かれるの不公平』って言ってたけどさ。その理屈だとあんただけ苗字呼びするのも不公平じゃん?」
(う……櫻井って、たまに鋭い……!)
「わ、わかったよ……。えっと…………ち、ちなっちゃ」
「だめーーーーー!」
 ゆきの声が響いた。
「わっ!?」「えっ!?」
「え、えっと……宗真は「ちなつ」って呼んだ方がいいと思うんだ?なんか、その方がキャラに合ってるよ?うん」
「えー?あたしは別に——
「ね?」
 圧。
……う、うん」
「わ、わかった……。ちなつに……ゆき、だよな……
(ゆきって……こんなヤツだったか?)