三毛田
2026-03-17 21:33:41
1077文字
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99 06. すれ違う瞬間

99日目
君と同じ香りが

 すれ違った瞬間、ふわりと漂ったのは嗅ぎなれた匂いが混ざった甘い匂い。
……
「穹? どうかした?」
「なんでもない」
「さっきすれ違った人、すっごい美人だったもんね~。ウチでも思わず見惚れちゃうよ」
「へ~」
「何その心がこもってない返事」
 なのはむすっとした表情で、俺の腕を軽く叩いてくる。
「でも、丹恒みたいな美人さんだったね」
「うん」
「仙舟の人かな?」
「あそこの人たちは、あんまり外に出たがらない感じだからなぁ。まあ、ありえなくはないだろ」
「あー……そんな感じはするかも」
 二人で話しながら、パムに頼まれたものをまず買う。
 それから、丹恒と一緒に食べたいおやつも購入。
「これ、最近流行りの匂いだって」
 雑貨屋でコスメを見たいというので、付き合っているとテスターの香水をつけた試香紙っていうものを差し出されて。
「これ……
「どうしたの?」
「すれ違った美人さんがつけてた匂いだ」
「じゃあ、やっぱり流行りなんだ」
「買う?」
「ううん。今使ってるのがまだ終わらないからいいや」
 と、髪をポケットに入れて他の者を選び出す。
「丹恒が使ってるのって、これか?」
「赤いやつ? どうだろう……聞いてみたら?」
「でも、急にプレゼントしたら気持ち悪がられないかな」
「それは本人しかわからないから。聞くだけ聞いてみた方がいいよ」
「だよな」
 善は急げと、チャットで聞いてみる。
「なの、わかるか?」
 返事に書かれたメーカーとか番号とかよくわからないので、なのに見せて見ると。
「えーと……これかな?」
 と、コスメを手にしたので受け取って、レジへ。贈答用だと伝えて包んでもらう。
「喜んでくれたらいいな」
「きっと喜んでくれるよ!」
 買い物を終えて二人で列車へ帰る。
「ただいまー」
「ただいま!」
 ラウンジに荷物を置いて、手洗いうがいをしてからお菓子と擦目を持って丹恒の元へ。「丹恒、一緒におやつ食べよう」
「おかえり」
「ただいま」
 いつも通りに挨拶を交わし、廊下に出て飲み物と一緒にそれを食べる。
「これ、お前に」
 買ったものを渡すと、
「今開けてもいいだろうか」
 そう問いかけてきたので頷く。
「これは……
「もしまだあったら、ごめん」
「いや。そろそろ買い足そうと思っていたから、助かる。ありがとう」
 嬉しそうに目元をほころばせて。
「そういや。買い物中に、丹恒に似た美人さんを見たんだよ」
「そうなのか」
「今日は一日中ここにいた?」
「ああ。資料集めが途中だったからな」
「へ~」
 本当?