米田
2026-03-21 09:00:00
4850文字
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26年3月春コミの頒布物についての忘備録

2026年3月20日春コミでの頒布物について、気付いたら色々作っていたので、制作過程のことも含め、少し振り返ってみたいと思います。
新刊などを読んでいなくてもある程度は大丈夫な内容になっているはず…!です!

こちらが頒布物一覧です。


こちらが実物



①財海財再録集『absolute beginners』


文庫/192ページ
表紙用紙:あららぎ 白 160kg
本文用紙:書籍用紙 57kg
遊び紙:アートドリープ リズム
印刷所:おたクラブさま

□タイトル・本編について
25年12月〜26年1月の間に書いた話を再録しています。
映画は25年11月頃に観ていたのですが、12月に原作を読んだタイミングでハマり、その日のうちに再録一作目を書いていました。
そこから26年1月までに4.5万字くらいSSを書いていたみたいです。
本のタイトルはDavid Bowieの同名曲から拝借しています。
「全くの初心者」「ド素人」という意味。
財津さんも海棠さんも、お互いを相手とした恋愛については初心者として向き合うことになっただろうなという想像から考えました。
初々しい話が結構多くなったような気がしているのでちょうど良かったのではないかと思います。

書き下ろしは3本。
時系列の異なる、でもそれぞれ繋げて読めるような話を書きました。
海棠さんが引退する時の話を書きたくて、それの前後を考える形で3本とも考えていったと思います。
海棠さんはどういうタイミングで引退を決めるだろうか、走りに満足することなんてないかもしれない彼は、もしかしたらごく日常的な出来事を決め手にするかもしれない、などなど、色々考えたような記憶があります。
財津さんには、海棠さんと過ごす中で彼と一緒にいたいだけの色んな夢を見てほしかった。
あなたとなら色んなことがしたくて、でもそれは本当はなんだってよかった、という感じの。

再録部分をまとめる作業をしている時にびっくりしたんですけど、これで全部かな〜と思ってしばらく作業をしていたのに、結構あとの方になって一つ入れ忘れている話があることに気付いて追加しています。びっくりした〜。スマホのメモ帳で書いたもので、執筆アプリのログに入れていなかったのでまんまと忘れていたようでした。自分で書いた話のことをすぐ忘れがち。


□各話タイトルについて
タイトルを付けるのが好きな人間なので、本編のタイトルについても少し触れさせてください。
目次はこんな感じでした。


・とどめをさしてくれ
これはドレスコーズの「Trash」という曲の歌詞の一部
好きな曲です

・自由律
これはいつかどこかで使いたかった言葉で、使えて嬉しいです
財津さんは定型も上手だろうけど自由律も絶対に上手いだろうなと思います(生き方の話かもしれない)

・ことこと煮込んでいるところ
アスリートが何を食べるのか全くわからなくて、な、鍋だったら食べるかな……と思って書いた話
アスリートって……何を食べるんですかね……いまだにわかりません

・不忍池・二重奏
漢字二文字!とか漢字三文字!みたいな単語一つだけのタイトルって今までだったらあまり付けて来なかったんですけど、この本には何個か入っているんだな……ということに気付きました
何かこう……決心がついたんですかね……(?)
もっと決心がついたら漢字二文字のタイトルも付けられるようになるかも……

・ひかる海原
海に関するタイトルは、やっぱり付けちゃいますね……このカプの醍醐味のようなものですね……へへ
最初にたしか短歌の方に「ひかる海原」というワードを出していて、そこから持ってきたやつだった気がします

・I Promise
この話のタイトルは書き終わってから「これだな」という感じで決まったと記憶しています
Radioheadの同名曲から取っていて、とてもとても好きな曲
いつかどこかで使いたかったタイトルなのでこれも使えて嬉しいです


□ゲストについて
ゲストとしてカハラさんに素敵なお話を寄稿していただきました。
自分が出す本にゲストをお呼びするというのが初めての経験だったので、初めてのそれをカハラさんにお願いできたことが本当に嬉しく、誇らしいです。


□装丁について
表紙用紙は、本を作ると決めた時になんとなく「あららぎ」を使いたいな、と最初から考えていました。
おたクラブさんの常備用紙で、他の印刷所では見たことがない紙です。
木目柄(というより樹皮でしょうか?)の用紙が珍しいなと思っていたのと、財津さんと海棠さんの今までの15年という年月の長さがはまるような気がして、二人のこれまでを木の年輪として表現できるかもと思いました。
「あららぎ」はかつての短歌雑誌の名前として知っていましたが、「イチイ」の別名であることは知らず、そのイチイが漢字では「一位」と書くということを、本を発注してからネットで調べて知りました。本当にびっくりするような偶然なのですが、二人の本の表紙用紙としてはこれ以上ないのではないかと思います。

デザインは最初もっとシンプルでしたが、淡いグラデーションをつけることで優しい印象になったかなと思います。
裏表紙に木目柄のピンクの画像を入れていて、そっちを表紙にしなかったのは、メッセージとして話を読んだ最後にでも受け取ってもらえればいいかなと思っていたからなような気がします。




②無配『ポイントネモ』

こちらは冬セット①の装丁組み合わせ

文庫/22ページ

□タイトル・本編について
ポイントネモというのはズーカラデルというバンドが去年出したアルバム名で初めて知って、調べた時にいつか何かで使いたいと思っていたモチーフでした。
人工衛星の墓場、到達不能極としての財津さんの外聞を海棠さんなら否定してくれるだろうと思った時、ちょっと泣きました。
海棠さんという人がいることを、彼がずっと一位を諦めずにいてくれることを、財津さんはずっと心強く思っていただろうな。
個人的にとても好きな話になったので、書けてよかったと思います。


□装丁について
イベントでは装丁違いで同内容のものを4種類用意していました。
無配でページ数が少なく、比較的安価に刷れたのと、ホープツーワンさんの季節限定の冬セットと春セットが春コミの時期に合わせてちょうど使えて、やってみたい組み合わせが複数あったこともあり実行しています。

冬セット①
表紙用紙:スタードリーム コーラル
PP:マットPP
本文用紙:ナチュラル
遊び紙:スタードリーム オパール

冬セット②
表紙用紙:きらびきH 波光
本文用紙:コミックルンバ ブルー
遊び紙:特レーブル輝き アクアブルー

春セット①
表紙用紙:OKミューズパール しろ
PP:マットPP
本文用紙:コミックルンバ クリーム
遊び紙:OKミューズキララ ピンク

春セット②
表紙用紙:きらびきFW 桜
本文用紙:コミックルンバ ピンク
遊び紙:タント キラ K-50 桜

こんな感じの組み合わせで4パターン作りました。
選んでもらうのに時間がかかってやばいかなと思いましたが、ゆったりサークルだったのでそんなこともなく、お話しする時間も取れる良い機会になったと思います。



③短歌しおり
用紙:GAクラフトボード アース
全面箔:マゼンタサンド
印刷所:おたクラブさま

3月に入る前くらいに急に「しおりが作りたいな」と思って作りました。
財津さんと海棠さんの短歌をそれぞれ1首ずつ作って載せています。
①の再録集に、本編に反映されているんだか反映されていないんだか微妙な感じの二人についての設定を載せていたのですが、二人の下の名前を勝手に考えて決めていて、それは本編には全然出てこないのでせっかくだから短歌には反映させてみるかと思って作ってみた短歌です。
設定ページを見るとちょっとした答え合わせができます。
使った箔がピンクと紫に角度によって色が変わって見えるもので、サンプル画像を見て「二人っぽいかも……」と思って発注したのですが、実際にできあがったものを見たら二人のカラーそのものの色味だったのでめちゃくちゃ嬉しかったです!
用紙は地面っぽい色味のものを選びました。ざらついた砂の感じが出てる〜めっちゃいい。アースという紙のネーミングもいいですよね。ネーミング自己満足装丁大好き。
渋くもあり、きらきらしていて、いい感じの組み合わせになったので大満足です。
サイズを間違えて大きい方にしちゃったんですが、文庫本ぴったりサイズだったのでギリギリ大丈夫か……と思いそのまま配布しました。まあ大は小を兼ねますからね(言い訳)



④無配『花の降る生活』
A5/4ページ折本
本文用紙:タブロ
印刷色:特色ピンク

同レボさんのノベルティ無料制作キャンペーン(https://do-revo.srm.imageworks.jp/do-revo/try-goods-bungo/top )で作りました。
以前に同じようなキャンペーンで文学ポスカを作ったことがあり、今回もそういうのをやったりしないかな〜とチェックしていたのですが、お知らせが来たのでやった!とウキウキで申し込みました。
文字書きさん向けのキャンペーンは春コミ合わせで新聞紙っぽい用紙のタブロにピンク印刷できるものだったので、絶対かわいいし使ってみたい!と思い無配用に3,000字くらいの話を書き下ろして制作。
せっかくなので春っぽい話にしたいなと思い、二人がお花見に行く話を書きました。
今年の桜の開花予想は17日で、春コミ(3/20)の時期に行くのにはぴったりだな〜と思い……
かわいい話が書けてよかったです。
なんだかずっと「〜〜の生活」みたいなタイトルをつけてみたい願望があり、今回そんな感じのタイトルをやっとつけることができたのでその点もちょっと嬉しいです。



⑤おまけ お品書き兼ポスター
297mm×750mm
印刷所:ツクヨミさま

ツクヨミさんはポスターなどを好きなサイズでカットして作ってくれるので(定型サイズももちろんOK)、今回はお品書き兼ポスターとして縦長のものを作ってもらおう!と思い立ち、制作しました。
頒布物というか情報量が多くなってしまっていたのでちょうどいいかなと思い……
実際にデータを作ってみたら本当にちょうどよく情報が収まってくれて、ぴったりなサイズで出せてよかったなと思います。
いつもお品書きスタンドとして使っているPOPスタンドが大体高さ790mmくらいだったので、そこに収まりそうなサイズで制作。A3のちょっと縦長バージョンくらいの大きさです。
ツクヨミさんはサイズを決めて注文すると、そのサイズでのトンボデータ画像を作ってくれるんですね……!めっちゃ便利!
このお品書き兼ポスターを2枚刷りました。
無配の『ポイントネモ』が4種類あったので、ポスターを両面で貼ってサークル側からも見えるようにして、装丁の種類を常に確認できるようにしたくて作ったのですが、これがかなり便利で……
作ってよかった〜!と思います。


こんな感じで、春コミでは4種類の頒布物を配ったりしていました。
途中から内心(配るもの多くない……?)と思っていたのですが、自己満ワクワク配布物なのでどれも楽しく作れたのは良かったなと思います。
お会計とかもなんとか混乱することなくできました。
実は3月初めに5月に出そうと思って準備していた歌集の収録目標短歌数を超えたので「もしかしたら春コミに間に合うのでは……?」と若干思ったりもしたのですが、さすがに頒布物が増えすぎるな……と思い欲求をなんとか抑え込んでいて……
歌集は5月に出せるようにじっくり調整していきたいと思います。
5月、他にも出せたらいいな〜と思っている本もあるので、今から頑張りたいです。
とにもかくにも、春コミでお手に取ってくださった方、ありがとうございました。
少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです!