春野ツバサ
2026-03-15 21:15:59
7622文字
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これってWデートなんです?【ポケダンこぼれ話】

えっすすくんにて無謀にもリクエストを募集した結果、ホームの畑時代から御縁をいただいているコーラルさんよりリクエストをいただきましたので、ポケダンのこぼれ話となります。
ヨノ主とのことでしたのでコーラルさんのお宅のヨノ主とうちのヨノ主をWデートさせてみました。果たしてうちの連中はデートと呼んでいいのか謎ではありますがw(蹴
本当に、ほんっとーーにっっ、年単位ぶりに古巣の畑で筆をとりました。果たして覚えていらっさる方いるのでしょうかw
もうほんと、古参向けにしか配慮しておりませんので、昔からの御縁のある方にしかわからんネタをバンバン使用しております。
ご新規さん、もしくは別の畑からお越しになられました方は、へー、そーなのかー、位のふわっとした感覚でお読みください。
また、場合によったらもしかしたらパスをかけるかもしれませんので、ご興味をもたれましたらお早めに一読くださいますよう、お願い致します(礼

無断転載及びAI学習はご遠慮くださいますようお願いします(礼


『ポケパークへようこそっ』

 ファンファーレと共に流れるアナウンス。同時に。紙の花がまるで花びらのまいのように盛大に吹き荒れた。
 入園開始が告げられたのと同時に、入口の扉がゆっくりと開いていく。完全に開ききったところで、開場をいまかいまかと待ち続けていたポケモン達は一斉にパークの中へとなだれ込んでいった。

「ほわぁ。すごい。
 ポケモンがいっぱいだぁ〜」

 流れてゆくポケ通りを感心したように見つめるのはひとりのポケモン――ピカチュウである。人からポケモンになってからこれだけ多くのポケモンを目にしたのははじめてで。その数の多さに若干だが圧倒されていた。
「そのいっぱいのポケモンの中に我々も含まれているのだが?」
 未だに感心した様子で辺りを見回すピカチュウに冷静にツッコミを入れるのは連れであるヨノワールである。かつてはとある理由で敵対した間柄であるが、紆余曲折あって現在はポケダンズのメンバーとして共に行動している仲間のひとりである。
「やだなーそんなのわかってるって」
 あっけらかんと笑うピカチュウに対して、訝しげな表情を浮かべるヨノワール。その表情が、本当にわかっているのか、と疑問を抱いているのは言わずもがなである。
「それにしても、ほんとにたくさんのポケモンがいるのね」
「ポケパークはこの時代において指折りの観光スポットですからね。
 他所の大陸も含めて、あらゆる観光客が訪れるのですよ」
 一方。ピカチュウとヨノワールが漫才を繰り広げるその傍らで。同じようにこのポケゴミに感心する1組の男女がいた。
「まぁ、1番の驚きはこのふたりに逢ったことだと思うけど」
「それに関しては同意する」
 ピカチュウとヨノワールの意見が今日はじめて一致し、ふたりは男女――ロコンと同種であるヨノワールに目を向けた。
 探検隊スカイズ。ポケダンズ同様、探検隊として名を馳せる有名なチームである。
「それはこっちもよ。
 まさかこんな所で貴女達に会うだなんて思わなかったわ」
 ピカチュウとヨノワールの言葉にロコン――エリーは驚きを含んだ口調でそう告げた。
「それも意外な組み合わせで、ですね」
 エリーの連れであるスカイズのヨノワールが興味深げにピカチュウとヨノワールを見る。その視線に、ふたりは互いを見た。
「まぁ、言われてみればそうかもね」
「厳正な話し合いの結果だ」
 苦笑を浮かべるピカチュウの隣で、やや疲れきったようにヨノワールは肩を落とした。

 元々ピカチュウとヨノワールがポケパークを訪れたのは、プクリンからポケパークのペアチケットを譲り受けたからだ。
 そう、ペアチケットである。当然ながら行けるのはふたりのみ。多くのポケモンが在籍しているポケダンズでは全員で行くには圧倒的に数が足りてない。
 ひと先ずもらったチケットをサメハダ岩へと持ち帰り、その話を相棒であるナエトルとジュプトルにも話した結果――
 揉めた。それはもう揉めた。誰と誰が行くかで相当揉めた。かのグラードンvsカイオーガ事件の再来かと言われるレベルでの揉め事へと発展した。
 ポケダンズは大所帯である。故に、想いポケとふたりきりになれる好機チャンスなんぞ滅多にない。この機を逃すまいと、さんにんの男達は躍起になったというわけである。
「ワタシはマナフィとでもいいって言ったんだけど」
 ピカチュウとしては、生まれたてで海から戻ったばかりのマナフィに世界を見せるいい機会かと思い発案したのだが。前述したとおり、男さんにんにとっては想いポケ以下略である。
『それはまた別の機会でいいだろう(でしょ)っ!?』
 と速攻で却下された。
 ならば、と。そんなに行きたいのであればさんにんのうちふたりで行ってきてはどうかと提案すれば、
『それはそれで違うっ!!』
 と、再び却下されて理由わけがわからずピカチュウは宇宙ニャースを背負ったという経緯があったりする。

「それは、確かにないわね」
 多少は色恋というものを理解しているエリーからしてみてもピカチュウの案はあり得ないというのはわかる。
 エリーの判定に、理解が追い付かなかったピカチュウはそうかな? とこてん、と首をかしげるのに、エリーは重々しい溜息を盛大についた。
「で、結局どうなったので?」
「言っただろう。話し合いだと」
 ここでいう話し合いとはハナシアイ(物理)である。口での話し合いでは結局決着がつかず、残された手段が肉体言語によるオハナシアイであった。それもかつてないほどの死闘であったと後にナエトルは語る。かつて、壊れてしまったディアルガやダークライと戦った時と同じくらいの死闘だったといえば、どれだけこのハナシアイが過酷なものだったかがおわかりいただけるのではなかろうか。
「えぇ……。」
 その顛末に、エリーはドン引きである。いくら滅多にない機会とはいえど、それが世界の存亡をかけた戦いと同程度のガチバトルに発展するとは誰が思うか。
「そのハナシアイで危うくサメハダ岩が吹っ飛びそうになったのだけれど?」
「それをヤッたのは貴様の相棒達だっ」
 ジト目でヨノワールに視線を送るピカチュウに対して速攻でツッコミを入れるヨノワール。その口調は心外だと言わんばかりである。
「それにっ、素知らぬ顔をしているが最終的に放電をぶちかましたのはどこの誰だっ!? 被害の大きさでいえば貴様の1撃が1番重かったわっ」
「ナンノコトー? ワタシシラナーイ」
 笑顔ですっとぼけるピカチュウに湧く怒りが抑えきれないヨノワールからぐぬぬ、という言葉が漏れる。
……まぁ、壮絶な末にというのは理解したわ」
 若干引きつった表情でエリーは冷や汗を流す。
「で、結局貴方が勝利したと」
 スカイズのヨノワールの視線に、ヨノワールはふん、と鼻息を荒くした。
「まぁ、それは置いとくとして」
 置いとくんだ。
 エリーとスカイズのヨノワールの中で全く同じツッコミが浮かんだ。
「エリー達はデート?」
「んなっ」
 ピカチュウの指摘にぼふんっ、と尻尾が膨らむエリー。その反応リアクションを見るにどうやら図星であるらしい。ピカチュウの笑みがにんまりと意地の悪いものへと変わる。
「へーなるほどなるほどそーなんだー」
「ち、ちが――
「そうなのですっ。
 私達も運良くチケットを手に入れましてっ。
 せっかくなので恋ポケ同士であまーいひと時を――
「ちょっとっ。誰が恋ポケ同士よっ!?」
 ほんのり頬を赤らめるエリーの抗議もなんのそのな様子でスカイズのヨノワールはつらつらと愛の言葉を続けている。最終的には、エリーのそれ以上何か言ったら燃やす、との発言に渋々言葉を収めた様子だった。
……こっちはこっちで色々と難儀なようだな」
「そう? 仲良しじゃない?」
 呆れるヨノワールの隣で首を傾げるピカチュウの言葉に、これまたヨノワールは本日何度目かのどでかい溜息をついたのだった。

 そんなこんなでパーク内へと入場したピカチュウとエリーとふたりのヨノワール。スカイズのヨノワールが言うように、いち大テーマパークをうたい文句にしているだけあって広大な敷地が広がっている。
 アトラクションにショップ、庭園などのエリアに分かれており、1日あっても回りきれるかという程の規模である。
「すごいねー。面白そうなのがいっぱいあるっ」
 アトラクションのエリアを瞳を輝かせながら見るピカチュウ。他のさんにんも、ピカチュウ程ではないがやはり興味を惹かれているのか、うずうずとした様子で周辺を見回していた。
「あっ。ワゴンもいっぱいあるっ。美味しそうっ。あれは制覇しないとだねっ」
……ポフィンを持ってきているのではなかったか?」
 確か、前日にピカチュウがサメハダ岩でポフィンを作っていたことを覚えていたヨノワールは疑問を抱く。
「それはそれっ。これはこれっ。
 露店のご飯は別腹ですっ」
 比喩がおかしい……喉元までそんなツッコミが出かかるヨノワールであるが、それ以上突っ込む気が起きず沈黙することを選んだ。

「偶然ね。私もポフィン持ってきたのよ」

 ぎっくぅっっ。

 弾んだ口調のエリーに対して、固まるピカチュウとふたりのヨノワール。だくでくと流れゆく汗は止まる気配がない。
…………………………
「どうかした?」
 首を傾げるエリーからさっと視線を外すふたりのヨノワール。そしてしれっとピカチュウの後ろまで下がった辺り、丸投げする気満々である。
……あ。あー。前にエリーにもらったポフィン、(武器としては)めっちゃ役に立ったんだけど、ねー……
「それなら良かったっ。
 今日はたくさん持ってきたから遠慮なく食べて」
…………………………
 悟るふたり。
 ……あ。これ回避するの不可能だ――と。
 ピカチュウとヨノワールは同時にとある方向に目を向ける。
「ヨノワールさん」
「同胞よ」
『頑張れ(ってくれ)』
 そして、同時にぽん、と体を叩いた。
「いやっ無理ですっ。
 如何にエリーさんを愛しているとはいえっ、「あれ」だけは無理ですっっ」
「どういう意味よ」
 因みに余談だが。エリーが持参したポフィンはイーブイが用意したもので、ピカチュウもふたりのヨノワールも安堵していただき、エリーをさらに複雑にさせたことを追記しておく。

 とにもかくにも、よにんは先ずはアトラクションを巡ることにした。
 ジェットコースターにゴーカート等様々なアトラクションを乗り回して大はしゃぎである。
 イーブイを模したメリーゴーランドに乗ろうとした際に、これは流石に子どもだましが過ぎると渋ったヨノワールに対して、萎えること言うなぁっ、とピカチュウが頭上にアイアンテールをぶちかましたり。カイオーガ型のスプラッシュマシーンに乗った際にスカイズのヨノワールがエリーに向かって、怖かったら遠慮なく私の胸に飛び込んでくださっていいですからねっ!? と爆弾発言して後、席の1部が炎に包まれたのは御愛嬌である。
 そんなこんなでアトラクションをにぎやかし、休憩がてらお昼を取ることになった。

……ん。このぽにぎり、中々いい仕事してるわね」

 口いっぱいに頬張ったぽにぎりをもっもっと咀嚼しながらピカチュウの感想がまろびでる。
……よく食べますね」
「ほんと」
 未だ食べる勢いが衰えないピカチュウの様子に若干だが引き気味のエリーとヨノワールである。因みにであるが、ピカチュウはこの前に持参したポフィンをしっかり完食してのこれぽにぎりであることをお伝えしておく。
「なにいってんの。こういう所のご飯は他で食べることできないんだし。
 食べれる時に食べとかないとっ」
 ピカチュウの言い分も間違いではないのだが、いかんせん量が量である。いったいあの小さい体のどこにその大量の食べ物が入っているのか、永遠の謎である。
「あっ。パーク限定スイーツだってっ。
 ポフレ……ってなんだろ? 聞いたことないけど、気になるっ。
 見に行こうエリーっ」
「わたしも!?」
 驚くエリーを引っ張ってショップへと向かうピカチュウ。その姿を見守るふたりのヨノワール。ふと、スカイズのヨノワールがふっ、と笑いを零した。
「楽しそうですねぇエリーさん」
「あれでか?」
「エリーさんはあまり感情が表に出ることが多くありませんからねぇ。
 まぁ、そこがまたかわいいのですけれども」
 ふふっ、と笑うスカイズのヨノワールに若干ではあるがヨノワールは奇異なものを見た目を向ける。
「よくもまぁ、そこまで堂々と恥ずかしげもなく言えるものだ」
「貴方は随分お堅いですねぇ」
 あっけらかんと笑うスカイズのヨノワールに対し、ヨノワールは呆れの感情を強く滲ませる。同族であるのにも関わらず、この同胞は己を全く質が異なっている。ヨノワールはそれが不可解であり、理解が追い付かない。
「貴様は垢抜けすぎではないか?」
「そうでしょうか?
 私から言わせてもらうと、貴方はもう少し肩の力を抜いてみてもよろしいのではと想いますがねぇ。
 想いポケの前であるのならばなおさら」
 不思議そうに首を傾げるスカイズのヨノワール。痛い所を突かれたとでも思ったのか、その目から逃げるようにヨノワールは気まずげに離れた場所にいるピカチュウとエリーに目を向けた。
「我々はかつてあの者等と命を取り合った間柄だぞ。
 それを忘れて何事もなかったように接するなど――
 そこから先は続かず沈黙するヨノワール。
「確かに。過去は変えられませんね」
 ですが――とヨノワールは付け加える。
「お互い生きていますから。
 それだけで十分ではありませんか?」
 スカイズのヨノワールの言葉に。ヨノワールは目を見開いた。
 生きている。
 それはそうだ。
 どこの神の気まぐれか。本来ならば滅びるはずの運命であった未来の住人であるヨノワールは再び生きる権利を得た。そしてこれまたなんの因果か、かつて敵対した相手と共に太陽が照らす世界の下で日々を過ごしている。
 あれだけ生きることに執着していた己と己の全てを投げ売ってまで世界の未来を変えることを望んだ相手ピカチュウ。その信念は真逆で。過去、それが原因でぶつかってきた回数は数え切れない。
 それが、何時から惹かれていたのか、なんてことはもはや覚えていない。ただ、かつての行いを思い起こすと、それを言葉にして伝えるには、ヨノワールにはまだ決意が足りていなかった。
……確かに。貴様の言う通りかもしれん」
「それにっ。私はこれを天から与えられた好機チャンスだと思っておりますよっ。
 愛する者に堂々と愛を告げる機会をいただけたのですからっ」
 ……こいつ、本当に私と同じ同胞なのか?
 方やくるくると回るヨノワール。方やその姿を若干引いた目で見るヨノワール。
 そんなふたりから少し離れた所にいたピカチュウは、買ったポフレを頬張りつつ、耳をぴこぴこと動かしていた。
「エリー。ワタシ、さっきのぽにぎり気に入っちゃったからもう1度買ってくるね。
 エリーはヨノワールさんと先にポケモンフォレストでも回ってきたらどう?」
「え。でも――
「ね。ヨノワールさん?」
 ぱちん、とウィンクを送るピカチュウに、ヨノワールは少し間を開けて――
「ではお言葉に甘えて」
「え。ちょっとヨノワ――
「さぁさぁ行きましょう」
 未だ困惑したままのエリーを連れてスカイズのヨノワールはポケモンフォレストへと向かう。
 その後姿を見送ったピカチュウとヨノワール。特にどうこうすることもなく、しばしその場で佇んでいた。
……貴様にしては珍しく気の利いたことをするな」
「しつれーね。
 ただ、まぁ流石にふたりにさせてあげた方がいいかなーって」
 なんせデートなんだしねぇ。そう付け加えるピカチュウに。ヨノワールは複雑そうな表情をする。
「あのロコンもそれを望んでいたと?」
「素直じゃないからねエリーは」
 苦笑するピカチュウに対してヨノワールは呆れ顔だ。同胞と同じく、ピカチュウはあのロコンエリーの心情に気付いていたということだ。それが逆にヨノワールには不可解だった。
 他ポケの機微には敏感に察するのに己のこととなるとどうして土管と化すのか。ヨノワールにはそれが不思議でたまらない。やはりニンゲンというのはよくわからんイキモノだ。ヨノワールの中にそんな考えが浮かぶ。
「まぁ、でも――
 思考に耽っていたところに聞こえてくるピカチュウの声。意味深なところで区切ったピカチュウになんだと思い視線を向けると――
「特別大事だから素直になれないっていうのは、わかる気もするけどね」
 微笑みながらヨノワールをじっと見るピカチュウと目が合った。
「は?」

「あっ。ボンドリンクだって。ちょうどのど乾いてたし口直しに良さそうっ。
 買ってくるねっ」

 走っていくピカチュウの後ろ姿を視界に入れつつ、ヨノワールは心ここにあらずといった表情で立ち尽くした。
 今のは。なんだ。
 己の思い違いでないのであれば、あれは――
 ヨノワールの思考回路ががらがらと音を立てて崩れていく。
 どこかで聞いたような言葉だった。
 ピカチュウがまだニンゲンであったころからの付き合いである彼女の相棒が似たような態度であったことを、ヨノワールはよく知っていた。

……似た者同士ということか」

 その後。
 ボンドリンクを両手に戻ってきたピカチュウとヨノワールもエリー達に続いてポケモンフォレストを回り。最後に仲間達へのお土産を購入したところで空が黄昏色であることに気付き、名残り惜しくもポケパークを後にした。
「あー楽しかったー♪」
 両手に大量の荷物を抱えたピカチュウはほくほくとご満悦である。
「次はナエトル達も一緒にみんなで来たいなー」
「そうね。私もイーブイと一緒にもう一度来たいわ」
「エリーは今度こそヨノワールさんとふたりでデートじゃないの?」
「んぇっ!?」
 にやり、と意地悪く笑うピカチュウの言葉にぼふんっ、と赤くなるエリー。その反応にピカチュウはによによが止まらない。
「私はいつでも大歓迎で――ぎゃっ!?」
 火だるまと化すヨノワール。その姿を憐れな目で見るヨノワールはもはや鉄板である。
「そ、そういう貴女達だってっ。
 ふたりでデートとかしなくていいの!?」
 エリーのツッコミにピカチュウはきょとんと首を傾げた。
「え。デートじゃないけど?」

『え。』

 ピカチュウの言葉に硬直するさんにん。特に、ヨノワールは本来覚えないはずであるかたくなるでも発動したのか、といわんばかりにがっちんごっちんであった。
「え。では、今日のはいったいなんだったので――
「え。食べ歩きでしょ? や、リフレッシュ休暇?」
 聞き間違いであれ、と願ってスカイズのヨノワールはピカチュウに尋ねるが、返ってきたのは身も蓋もない言葉。それも、照れ隠しとか素直じゃない(以下略)とかでは全くなく。至って本気で言っている様子で余計にタチが悪い。
「やー普段の仕事の労いのつもりかなー。
 余暇の為にこんなもの用意してくれるだなんて。プクリンもなかなかいい仕事するよねー♪」
…………………………
 絶句するさんにん。そして、エリーとスカイズのヨノワールは憐れな目でヨノワールに視線を送る。
「ヨノワールさん」
「貴方、営業アピールが足りないのではありませんかね」
「言うな……
 抱える荷物に己の顔を埋めてヨノワールが涙をだくでく流したのは――いうまでもない。