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ここ
2026-03-15 18:13:51
16503文字
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小説
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【リバリン】危険個体にご用心🔞
淫紋ネタ。魔物に淫紋を付与されてしまったリンクと、巻き込まれリーバル。ほとんどヤってるだけです。
【⚠️18歳以上のみ閲覧可】
「その任務に僕が抜擢されるのはいいよ」
リーバルの言葉にある者は心配そうに眉を顰め、ある者は気まずそうに視線を反らし、またある者はやれやれとため息をついた。それぞれがそれぞれの反応を示す周囲の様子を気にかけることもなく、リーバルはキッと吊り上がった目で一点を睨みつける。
「でも
……
コイツが一緒っていうのは納得いかないよねぇ!?」
憤りを露わに口調荒々しく吐き捨てる目線の先には、無表情のまま口をキュッと引き結ぶリンクの姿があった。
——
ハイラル城に手厄災討伐に向け準備を進めるゼルダのもとには、ハイラル各地で日に日に活発になる魔物の討伐依頼が入ることが珍しくない。中でも『危険個体』と呼ばれる特に凶暴な魔物については並の軍隊では手に負えず、それぞれが一個戦隊以上の力を持つ英傑たちへと討伐を依頼されることがあった。
その日も、リーバルはとある地域で発見されたという危険個体についての討伐についての話し合いのためにハイラル城へと招聘されていた。すでに顔見知りになっている憲兵たちの敬礼に軽く挨拶を返しながら足を踏み入れた広間には、リーバルを呼び出した張本人であるゼルダ姫をはじめ、それぞれの種族から選ばれた英傑であるミファー、ウルボザ、ダルケルの姿があった。そして円卓につく彼らの側には執政補佐官であるインパと、つい先日姫付きの騎士に抜擢されたばかりだという小柄なハイリア人の男──リンクがさも当然といった様子で控えている。
(──フン。 今日もつまらない顔をしてさぁ
……
)
出会った当初から崩れたところを見たことがない、不機嫌と勘繰られるのと紙一重の無表情。リンクが能面のように貼り付けた「無」は、リーバルが人知れずに、そして血の滲むような努力をして積み上げてきた能力もプライドも何もかもを、底なし沼のように飲み込んでしまうような不気味さがあった。それがリーバルの羽毛を逆撫でするように癪に触る。リーバルは別にリンクに面と向かって何か嫌なことをされたというわけではない。わけではないのだが、リーバルはなぜかこの男とソリが合わなかった。自分でもほとんど言いがかりだと思うような因縁をつけて何度か突っかかってみたりもしたが、この案山子のような男は困ったように僅かに眉を顰めるだけでほとんど反応を返さない。それはリーバルが一方的にリンクのことを意識しているかのようで、リーバルのむしゃくしゃを増長させるだけだった。
こんなやつは無視するに限る。そう意識を切り替えたリーバルは、いつもの無表情で立つリンクの横をツンを顔を背けながら通り過ぎると皆の待つ円卓へとついた。
「みんな、集まってくれてありがとうございます」
ゼルダが集まった面々を見渡して口を開いた。呼び集められた目的は、招聘の文に記されていた通り危険個体の討伐についてである。
「早速ですがインパ、説明をお願いします」
「はい。姫様」
円卓から一歩引いて控えていたインパが、ゼルダの声かけによって歩み出て説明を始めた。曰く、今回の標的である魔物はライクライクの危険個体なのだという。
「ライクライク? それって、そんなに強い魔物じゃないよね?」
ミファーがおずおずと上げた声に、他の英傑たちも同意する。ライクライクは最近発見された魔物だった。中には炎や氷、大岩を吐く個体がいるとはいえ、この魔物は移動もしないし広範囲に被害を与えるような攻撃をする質ではない。危険個体の討伐と聞いてすわヒノックスかウィズローブか、はたまたライネルかと身構えていたリーバルは拍子抜けをした。
「その程度の魔物に僕たちが出る必要はないように思うけど?」
「それはその通りなのですが、被害にあった者が何人もいるのです」
そう答えたゼルダの言葉に続き、インパも困ったように言った。
「被害に遭っているのは主にハイリア人なのですが、そのライクライクに襲われた者は“様子がおかしく“なるらしいのです。皆一応は命を落とさずに帰ってきているのですが、どうおかしくなるのかははっきりしなくて
……
」
そのライクライクの被害者たちはその被害の内容について言葉を濁すものの、とにかく危険なのだと訴えてきたらしい。ウルボザが健康的に色づいた頬に手を添えて首を傾げながらぼやく。
「なんとも要領を得ない話だねぇ、御ひい様?」
「ええ。ですが被害者が相次いでおり、その者たちが皆揃って危険だと言うのであれば対処しないわけにはいきません」
厄災の封印という使命を担うもののまだその力に目覚めておらず、心許ない部分も多々ある彼女であるが、不器用ながらもハイラルを導く立場と責任へ向き合おうとする姿勢はリーバルも嫌いではない。為政者の顔ではっきりと言い切ったゼルダの言葉に、一同は頷いた。
「ライクライクの討伐方法は皆も知っての通り、体内にある核への攻撃です。それには弓矢での攻撃が定番ですので、リーバル、あなたにこの危険個体の討伐をお願いしたいのですが」
「もちろん。僕以外に適任はいないよね?」
弓の上手と言えばとばかりのゼルダからの指名に、当然だと思いながらも悪い気はしない。リーバルは揚々とした気分で頷いた。しかし、問題はその後だった。
「ありがとうございます。それからもう一人、リンクにも同行をお願いしたいのです」
「は、はぁ!?」
続いたゼルダの言葉に、リーバルは思わず座っていた椅子から腰を浮かべて声を荒らげた。それが冒頭のやりとりである。オロオロと心配そうにリーバルとリンクの顔を交互に見るミファーを視界の端に捕らえながら、リーバルはキッとリンクのことを睨みつけた。ダルケルとウルボザが肩をすくめて顔を見合わせる気配を感じる。
「コイツなんかいなくったて、僕一人で十分なんだけど」
「ですが、その危険個体がいるエリアがハイリア人の居住地の近くなのです。リンクは土地勘もありますし」
「空から見れば──」
「私の説明を聞いてなかったのですか? 件のライクライクは森の中にいるらしいのですよ? それじゃあ空からは見えないでしょう」
やれやれと言った様子で口を挟むインパにイラッとするが、言い分には一理ある。リーバルは開きかけた嘴をギリリと噛み締めた。
「リーバル、その、あなたの気持ちがわからないわけではないのですが、相手は危険個体ですし
……
」
ゼルダも何を考えているのかわからない自分付きの近衛騎士に思うところがあるのだろう。リーバルの反応に一定の理解を示しながらも、最善を考えてのことだと言う彼女の指示を無碍にはできない。リーバルは話の渦中にいるにも関わらず、我関せずとばかりにダンマリを貫くリンクを再度ひと睨みした。
「──わかったよ。せいぜい僕の足を引っ張らないでくれよ」
リーバルの視線を受けたリンクがコクリと頷く。リーバルはそんなリンクから顔を背けてフンと鼻を鳴らした。
***
渋々ながらもリンクと連れ立って城を出たリーバルだったが、危険個体であるライクライクは割とすぐに見つかりそうだった。インパの仕入れてきた情報とリンクの土地勘を頼りに概ね当たりをつけた辺りを散策しているうちに、ふわりと甘ったるい香りが鼻腔をくすぐったのだ。
「この香り
……
、インパの言っていた通りだね」
被害者たちから聞き取った話によると、危険個体の周辺には腐る直前の果実のような、濃厚な甘い香りが漂っているということだった。足を進めるごとに強くなるその香りに鼻を翼で覆いながら後方にいるリンクに視線を流すと、同じく鼻に腕を当てたリンクが無言で頷く。漂う香りは芳醇というにはいささか毒々しすぎた。ハイラル人よりも数段鋭い嗅覚を持つリーバルにとって、まとわりつく香りは吸い込むたびに鼻のさらに奥、脳の芯が痺れるような不快な重みがある。
本能が警鐘を鳴らすのを無視しながら足を進めた先にそれはあった。ベッタリと肌にまとわりつくほどの匂いに周囲の空気は澱み、陽光さえも毒を含んで見えるほどの異様な気配の中心地に蠢く何か。
「あれか」
見据えた先にいたのは、一体のライクライクだった。形状は普通の個体と変わらないが、リーバルがこれまで見たことのあるどの個体よりも大きく、ついでに赤黒く禍々しい色をしている。とは言え動きは通常のライクライク同様にベッタリと地面に張り付き、自力で移動をすることはできない様子だった。つまり、これまでの被害者の話を聞き取って推定した場所の通りだったというわけである。
(こんなにあっさり見つかるなら、やっぱりコイツを同行させる必要なんてなかったんじゃないの?)
そうは思うが、ここはリーバルに任せてハイラル城へ帰れと言ったところでリンクが素直に聞くとは思えない。機械じみたこの男は特に王家の命令には絶対服従なのだ。いくらリーバルが帰れと言ったところで、主君であるゼルダ姫の命令をほっぽり出して帰るなんてことはあり得ないことは分かりきっている。だったらリンクと二人きりで過ごす時間を短くするためにも、さっさとこの危険個体を退治して帰ろう。そう考えたリーバルは、茂みに身を隠しながら傍にしゃがみ込んだリンクに話を向けた。
「弱点は普通のライクライクと同じだって話だけど」
「ああ」
「なら、核を露出させる必要があるね」
もちろん僕一人でも対処できるけど、と前置きをしながら話を続ける。
「君もここまで来たんだったら少しは役に立ってもらおうかな。君、囮になりなよ」
「わかった」
あくまで危険個体を倒すのはリーバルで、リンクはその補佐だ。それを言外に含ませた提案にリンクは短く答えた。ちゃんと自分の立場を理解しているようで殊勝なことだ。茂みから歩み出ていく後ろ姿を眺めながら心の中で呟き、リーバルは空中へと舞い上がった。弓矢の準備をしながら視線を下に向けると、モヤの中に日差しを反射して輝くリンクの金色の髪と、リンクを認知しモゾモゾと活発に蠢き始めたライクライクの姿が見える。
(アイツに釣られて核を露出した瞬間を僕が狙い撃つ、と)
ライクライクは全身を重厚な筋肉に覆われ物理攻撃の効きにくい魔物であるが、獲物を捕食する際に体内の核を露出させる習性があり、そこが弱点であった。適切な距離を保って近づけば、捕食されずに体内の核を出させることができる。リンクとてそれを十分理解していただろうし、リーバルから見てもリンクの間合いの取り方は適切だったと思う。実際にリンクを目掛けて飛び掛かるように伸びてきたライクライクの口盤はギリギリのところでリンクには届かなかった。そこまでは想定の通りだったのだ。しかし、ブヨブヨとした体を伸ばし切ったライクライクが再び縮んで核を露出させるのを狙うつもりで爆弾矢をつがえたリーバルは、次の瞬間に起きた現象に目を見開いた。
「!?」
なんと、ライクライクの口内から粘液に濡れぼそった触腕のようなものが無数に飛び出し、瞬く間にリンクの片脚に絡みついたのだ。肉厚な触腕が吸盤のようにリンクの肌に吸い付くと、湿った音を立ててその脚を真上へと吊り上げる。あ、と思った時にはもう、リンクは掴まれた脚を持ち上げられ逆さ吊りになっていた。驚きに見開かれた空色の瞳と一瞬目が合う。リーバルは慌ててリンクの手を掴もうとライクライク目掛けて急降下したが、間に合わなかった。リンクはリーバルの目の前で成す術もなくライクライクの口内へと飲み込まれていった。ぬちゃり、という湿った音を立てながらリンクの稲穂色の髪が蠢く肉塊の内側へと消えていく。
「あ、あの間抜け
……
!!」
さすがは危険個体ということか。まさかあんなものを隠し持っていたとは思わず油断していた。八つ当たりのように、完全にライクライクの口の中へと消えたリンクに対する罵倒の言葉が溢れでる。手に入れたばかりの獲物を咀嚼するライクライクを前にすぐにでも爆弾矢をお見舞いしてやりたいが、リンクが中にいるとわかっている状態では下手に攻撃もできない。さすがのリーバルだって、リンクの命をこんな魔物の討伐の引き換えにできないと判断するくらいの分別はある。
(落ち着け、まだチャンスはある
……
)
ライクライクは獲物を含んでは吐き出し、また含んでは吐き出しと繰り返しながら徐々に養分を吸う習性があるはずだった。一度目の捕食で逃げ出せば大したダメージはないはずだ。そのタイミングを待つしかない。焦ったく思いながらも、地面に降り立ったリーバルはライクライクを睨みつけた。ライクライクから漏れ出る香りをなるべく吸わないように押し殺した息で爆弾矢をつがえる。リンクを飲み込んでから絶えずモゴモゴと動いていたライクライクの口が一際大きく膨れるのが見えた。来る。瞬時に弓弦を力一杯に引き絞る。ライクライクがぬぼっと耳障りな音を立てながら口盤を開いた。蠢く触腕の中から現れたリンクがペッ吐き出され、粘液の糸を引きながらべチャリと地面に落ちる。
「今だ──!」
粘液にまみれながらもリンクがゴロリと転がってライクライクから距離をとったのを見て、リーバルは露出した核を目掛けて爆弾矢をお見舞いした。寸部違わず急所に命中したリーバルの攻撃によって、ライクライクはあっけなく爆散した。爆弾矢の熱風と共に、ライクライクの肉片なのか体液なのかよくわからないドロドロとしたものが周囲に飛び散り木々をベッタリと濡らす。鼻をつく甘ったるい香りに眉をリーバルは顰めた。
なんとかそのドロドロを浴びずには済んだが、ここに長居すれば羽毛が匂いを吸ってしまうに違いない。危険個体の駆除は済んだのだから、事後処理は他の者たちに任せて問題ないはずだ。討伐の報告をすれば、いつものようにインパが適切に人員を派遣し後片付けをしてくれることだろう。
周囲に漂う匂いは、原因であったはずのライクライクが塵となって消えた後もなお強く漂い続けていた。この香りは、嗅ぎ続けるとまずい気がする。森に足を踏み入れた時から脳内に響いていた警鐘は、今やガンガンと脳内を揺さぶるほど大きくなっている。その警鐘のせいなのか、はたまた強い匂いを嗅ぎすぎたせいなのか、鼻の奥がズンと鈍く痛むようだった。籠る空気に中てられたように喉が渇き、喘ぐように嘴の隙間から息が漏れる。
さっさとここから去るに限る。ぼうっと鈍りそうになる意識を振り払うように頭を振ったリーバルは、近くの地面に伏せたままのリンクに向けて声をかけた。
「さて。任務は遂行したわけだし、僕はもう帰るけど。君はいつまでそうしてるつもり?」
「
……
」
そっけなく言い放ったリーバルの言葉に対し、リンクは無言のままむくりと上半身を起こした。サッと視線を走らせて大きな怪我がなさそうなことを確認する。そこで初めてリーバルはリンクの下半身の大部分が皮膚を露出していることに気がついた。普段履いているはずのズボンや靴を、どうやらライクライクの腹の中に囚われた際に奪われていたらしい。それらがもしライクライクの体内に残されていたのだとしたら、リーバルの放った爆弾矢によってほぼ間違いなくライクライクと共に爆散しただろう。けれどそれはもちろんリーバルの所為ではなくて、落ち度を見せたリンクの非である。幸にしてこちらは奪われなかったらしい英傑の証たる青い衣の裾から剥き出しになった白い脚を覗かせたまま、ライクライクの体液を纏わせ地べたに座り込んだリンクを見ているといつも以上に苛立ちが募った。
「おい、聞いてるのか? 全く、これじゃどちらが援護役だったのかわかったもんじゃないな」
皮肉を投げかけながらも、リーバルの胸の内は「早くここから離れたい」という気持ちでいっぱいだった。辺りに充満する甘ったるい匂いに、感情がゾワゾワと細波を立てている。リーバルの言葉を受けてもなお無言を貫くリンクは、自らのあまりの間抜けさにリーバルに顔向けできないのだろうか。いつもだったら「大いに反省しなよ!」と高笑いをお見舞いしてやるところだが、今日に限っては自省は後にしてほしい。
苛立ちと焦燥に押されるがままにリンクの肩を蹴ろうとしたところで、リーバルの動きを何かに阻まれた。
「っ!? なんだい、怒ったのか?」
動きを遮られた脚に目線をやれば、リーバルの足首に手甲をはめたリンクの指が巻き付いていた。ギリ、と音がしそうなほど強く掴まれた箇所がズキリと痛む。苛立ちのままに蹴り上げようとしたのは、さすがにやり過ぎだったか。諍いになったところで負ける気はないが、クラクラするような匂いに溺れそうな状況ではそんな気も起きない。もうこんな奴放っておいて自分だけでも帰ろう。リーバルがそんな結論を出したところで、リーバルの足を掴んでいたリンクの頭がゆらりと動いた。ようやくこちらを見上げたリンクの瞳は異様な光を湛えていた。いつもの、空の色を映し取ったようなリンクの澄んだ青い瞳は実のところリーバルは嫌いではなかった。しかし今のリンクの瞳はドロリと濁ったような、ライクライクの体液が混じったような赤紫色をしている。それだけではない。顔全体をほんのりと赤く上気させ、だらりとだらしなく開いた口からはハッ、ハッ、と短く荒い息を零している。
「
……
君、何か毒でも」
明らかに様子がおかしい。そう思ったリーバルが身を屈めたのと、そのリーバルをリンクが引きずり倒したのは同時だった。虚をつかれたリーバルの上に、リンクが剥き出しの太ももで跨るように馬乗りになる。
「っな、何するんだ!」
「リーバル、あつい
……
」
「は?」
突然の暴挙に喚くリーバルの上で、リンクが初めて意味のある言葉を発した。リーバルの身体を押さえつけるように自らの上半身をぺたりと倒し、うわごとのようにあつい、あついと繰り返すリンクの吐く息は確かに熱く湿っている。気味の悪いことをするなと怒鳴りつけて突き飛ばしてやりたいのに、リンクの両膝で押さえつけられたリーバルの翼は何故か上手く力が入らなかった。それどころか、嘴を濡らすほど近くで吐かれるリンクの息に、まるでその熱が移ったかのようにこちらの呼吸まで震えてくる。リンクから伝わる熱から逃れるように顔を背けるのが精一杯だった。
「な、何だよ。暑いなら僕から離れてくれないか」
「ちがう
……
、ここ、あつい」
リーバルの上に倒していた上半身をのろのろと起こしたリンクが、どこか舌足らずな言葉とともに服の裾をたくし上げた。下穿きまではライクライクには奪われなかったらしい。しかしもはや機能を果たしていないだろうと言うほどにぐちょぐちょに濡れぼそったそれと、引き締まったリンクの下腹部がリーバルの目の前に晒される。
「うわ、何だよそれ
……
」
日に当たらず生まれながらの白さを残す肌の上には、気味の悪い紋様が浮かび上がっていた。これまでにリンクの上半身を視界に入れる機会がなかったわけではないが、およそ人体が発する色とは思えない毒々しいピンク色をしたこんな紋様がリンクの腹に刻まれていた記憶はない。
「リーバル、ほしい」
「は? ほ、欲しいって何がだよ。あいにく薬は手持ちがないんだ」
だからさっさと帰るぞと早口に告げるリーバルの言葉を聞いているのかいないのか。忙しない息遣いでリーバルの身体をゴソゴソと弄り出したリンクの手つきに冷や汗が溢れ出る。なんだ。何をしているんだこの男は。考えたくないと思っても、否応なしに嫌な予感が脳内を占め始めていた。『襲われた者は、様子がおかしくなる』。会議で聞いたインパの言葉が、目の前にいるリンクの様子と相まってその嫌な予感を後押ししてくる。
「お願い。リーバルの精液、ちょうだい」
「
……
っ、やめろ、この馬鹿
……
ッ! 離せ
……
!!」
最悪な予感を必死に否定しようとしていたリーバルの努力を嘲笑うかのように、リンクが徹底的な言葉を吐いてうっすらと笑った。完全に正気を失っていることは確認するまでもない。
リーバルの身体を押さえつけるリンクは、その馬鹿力を遺憾なく発揮していた。ただでさえリンクに優位な体勢である上に、理性の箍が外れたこの騎士の腕力には敵わない。リンクの膝に踏みつけられた翼が痺れるように痛む。自らの身体の下で呻きながら逃げ出そうともがくリーバルを、リンクは熱病に浮かされたように潤んだ瞳で見下ろしていた。左右に首を振るリーバルの顔をリンクの手が押さえつけ、熱い息を吐く唇がおもむろに落とされる。
「ん
……
リーバル
……
♡」
「や、やめろ!」
「んぅ
……
ん、ん
……
♡」
「ん゛〜〜〜ッ!」
食いしばった嘴に火傷しそうなほどに熱いリンクの唇が触れる。指で無理やりにこじ開けられた隙間から流しこまれたのは、リンクの唾液か、ライクライクの粘液か。そのどちらだって御免だ。しかし飲み込むまいとする必死の抵抗も虚しく、とろりと粘度を持った甘いそれはあっさりとリーバルの喉を滑り落ちてしまう。喉を焼くような甘みが胃の腑まで落ちた瞬間、視界に火花が散った。不快だったはずの甘い香りが、途端に脳内の快楽中枢を直接掻き乱す劇薬へと変貌する。飲み込まされた毒が一瞬のうちに全身を巡り、トサカのてっぺんからつま先までカッと熱く灼き始める。
(クソッ、最悪だ
……
!)
リーバルが口の中に注がれたものを飲み込んだのを、リンクが恍惚とした顔つきで見つめてくる。その一瞬の隙を突いて、リーバルはリンクの身体を蹴り飛ばした。震える脚ではいつもほどの威力は発揮できなかったが、ライクライクの毒に冒されたリンクにはそれでも十分な効果はあった。意表を突かれてバランスを崩したところにおまけの一発をお見舞いしてやる。リーバルの大きな拳がめり込んだ鳩尾を押さえながらうずくまるリンクを横目に、リーバルは震える身体を引きずりながらリンクの拘束下から抜け出した。
「はぁっ、はぁ
……
ゲホッ、あ、うぁ
……
ッ」
咳き込みながら地面を這い、リンクから距離をとる。まるで全身の血液が沸騰したかのようだった。
チラリと背後を見れば、リンクはリーバルに突き飛ばされた姿勢のまま地面にぺたりと座り込んでいた。いよいよライクライクの毒が全身に回り、もはや腰が立たないのだろう。大きく肩で息をしながらどこか夢見るような虚ろな表情で、情欲にドロドロと溶けて濁った瞳でリーバルを見つめている。
あの危険個体のライクライクが、淫紋で獲物を発情させ擬似的な交尾を介して生気を吸い取るようなおぞましい質の魔物だったことはもはや疑いようがなかった。淫紋を刻みつけられた後、ライクライクから十分な体液を与えられなかったリンクは身体の疼きが止まらないのだろう。与えられるはずだったモノを求めて、今度はリンク自身が周囲を発情させる毒の発生源になってしまっている。そして、過去のライクライクの被害者たちが口を濁してはいたものの何だかんだ生還していることからも推察されるように、おそらくこの淫紋の効果は付与された者に適当な量の体液を与えれば──、つまり性行為をすれば消える。
リンクから伝染されたライクライクの毒は刻一刻と、確実にリーバルをも冒し始めていた。心臓が限界を訴えるかのようにドクドクと激しく脈打ち、誤魔化しようのない衝動の波がゾクゾクと背筋を駆け上る。抗いがたい甘い痺れに脚は生まれたての子鹿のように震えているが、それでもまだ翼にはかろうじて力が入りそうだった。今ならまだ、リーバルは飛んで逃げることができる。
けれど、リンクはどうだろう。毒に冒され発情した匂いを撒き散らすあの男を独りここに残していけば。リーバルが去った後のリンクが無事では済まないだろうことは想像に難くない。
ボコブリンやモリブリンをはじめ、魔物の中には人に近い姿を持つものも少なくない。甘い匂いに誘い出された魔物たちが、ろくに抵抗できないリンクをどう扱うかなんて明白だった。魔物たちにリンクの身体を慮る知能や慈悲など期待するだけ無駄なのだ。淫らな夢に溺れたまま、死ぬまで犯し尽くされるに決まっている。かといって、あの状態のリンクを抱えてハイラル城まで戻るなんて到底不可能だ。リーバル一人だって無事に飛べるかどうかという状態なのだ。無理をすれば、最悪の場合リンクを抱えたリーバルごと墜落して死んでしまう。
「
……
っああもう! 本当に最悪だッ! なんでよりによって僕とこいつにペアなんか組ませたんだよ
……
ッ!」
今更そんなことを言っても仕方がないことはわかっているが、それでも言わずにはいられない。誰に向けるともない呪詛を吐きながら頭を掻きむしる。普段から丁寧に手入れしている自慢の羽根が何枚か散ったが構う余裕なんてなかった。そうしているうちにも自身の下腹部がリンクの発する蠱惑的な匂いに反応してズキズキと熱く脈打ち始めるのを止められない。
リーバルはリンクの腕を乱暴に掴むと、へにゃりと力の抜けたリンクの身体を岩陰へと引きずり込んだ。
——
「ねぇリーバル、早く
……
♡」
「勘違いするなよ、これは不可抗力なんだからな
……
!」
リーバルに引きずられ、地面に尻をついたリンクが期待に潤んだ瞳で見上げてくる。リーバルは言い訳にもならない言葉を吐き捨てながら震える指で自身の装備を解いた。魔物の毒に侵されて理性を失うなんて我慢ならない。けれど、装備の下に隠していたリーバルの雄の象徴はすでに痛いくらいに膨らんで、今か今かと解放を求めている。
リーバルの獣のような荒い息を顔面に受けたリンクがうっそりと笑い、濡れて肌にまとわりつくだけだった自身の下穿きを剥ぎ取った。膝を立て、誘うように大きく開いた股の間から覗いたリンクの陰茎は哀れなほどに腫れ上がっている。
「
……
、ッ」
ハイリア人の生殖器を見るのは初めてだ。しかしリーバルの視線を釘付けにしたのはそこではない。リーバルはハイリア人の生態に関する知識は一般リト並みのものしか──つまり殆ど持ち合わせていないが、それでも雄であるリンクの身体に雄を受け入れる箇所があるわけないということくらいは理解している。けれどリンクが自ら見せつけるようにぐっと曝け出した、切なげに先走りを零す雄の象徴のさらに奥にある秘所は、そんなリーバルの乏しい知識の範疇を超えていた。
そこにはふっくらと柔らかく膨れ、赤い粘膜をちらつかせる肉の輪があった。すでにライクライクの触腕に犯されていたのだろうか。しとどに濡れた割れ目からとろりとした粘液を垂れ流しながら、クパクパといやらしく収縮しては自らを蹂躙する熱を求めて蠢いている。
「ここ♡ ここに欲しい♡♡」
普段の気高く清廉そうなリンクの様子からはとても想像できないあまりのいやらしさに呆然とするリーバルに、人目に触れたことなどないであろう自らの秘所を曝け出しながらリンクが淫らに緩んだ声でねだる。リーバル、と舌足らずな甘い声で名前を呼ばれたのが限界だった。スリットからまろび出た怒張から耐えきれないとばかりに先走りが溢れる。リーバルは畜生、と罵りながら残りの装備を乱雑に払い落とした。こんな状況だとしても、リンクに主導権を握られるのは絶対に御免だった。完全に理性を飛ばしたリンクに引き倒されてしまう前にリンクの身体をうつ伏せに突き飛ばし、熱ったうなじを押さえつけて腰を高く上げさせた。突き出された尻のあわいの粘膜がクチャ、と湿った音を立てて透明な糸を引く。木漏れ日を受けてヌラヌラと光るその窄まりへ、リーバルは自身の猛る熱を一気に突き立てた。
「ぁあ゛ッあ゛ッああ〜〜っ!♡」
「ぅ゛っ、ぅう゛
……
ッ♡」
遠慮も気遣いもないリーバルの無慈悲な挿入に、しかしリンクは悲鳴と呼ぶには甘すぎる声で鳴いた。悦びを隠そうともしないだらしない嬌声がリーバルの腰をズクンと重くさせる。後孔を雄に貫かれ、地面に擦り付けた頬を土で汚しながら声の通りに緩んだいらやしい顔で口の端から涎をこぼして悦がっているのは本当にあの無機質な退魔の騎士なのだろうか。そんな風に嘲笑う余裕が今のリーバルにあるはずもなかった。リーバルの方こそ、人に見せられないような発情しきっただらしない顔をしているに違いない。食いしばった嘴の間から殺しきれない快楽を滲ませた嘆息が漏れる。
「んあ゛あっ♡ はひッ、いい゛っ♡♡ ぁああああ゛っ♡」
「ハァッ、う
……
ッ♡ ハァッ、ハァ
……
♡」
リンクの内壁が狂ったようにうねり、咥え込んだリーバルのものをめちゃくちゃに噛み締め啜り上げる。粘液に塗れた肉壷は待ち侘びていた熱をなめらかに、そして深く深くへと誘い込むように蠢いた。食いちぎられそうなほどの締め付けがどうしようもないほど気持ちいい。リーバルは乞われるがままに、そして本能に突き動かされるがままに力任せに腰を打ちつけた。躊躇はない。リンクの身体が人一倍頑丈なことはよく知っているのだ。バチュ、バチュ、と肉と肉がぶつかり合う湿った音が木々の間に反響する。
「ぃ、リ、〜バルッ♡ ぅ、イクっ♡、い゛っ、イクぅ゛ッ♡♡」
弄るまでもなく腫れて存在を主張していた内部のしこりをゴリゴリと抉られ、リンクが背中を痙攣させながら絶頂した。触ってもいない陰茎から勢いよく白濁が吹き出す。腹の奥で極める快楽は深く重いのだろう。汗と涙に塗れたリンクがはひ、はひ、と浅い呼吸を繰り返す。盛りのついた雌犬のようなそれを聴きながら、リーバルも限界まで膨らんでいた自身の熱をリンクの胎内へとぶちまけた。
「あ〜〜ッ♡ はあぅッ♡♡」
「ハッ♡、ァ
……
ッ♡ ク
……
ッ♡」
付与された淫紋のせいだろう。リーバルが吐精した瞬間リンクが感じ入るように甘い声で鳴いた。腹の中に注ぎ込まれた精液をまるで咀嚼するかのように肉壁を蠢かせ、一滴残らず飲み込もうと貪欲に締め上げてくる。
繋がった部分はドロドロに溶け、まるで互いの境界線を失ってしまったような錯覚に陥る。熱い粘膜の締め上げを存分に味わいながら、リーバルはゆっくりと腰を引いた。リンクの中で先ほど吐き出した白濁がかき混ぜられ泡立ち、ぶちゅ、ぶぽッと聴くに堪えない音を立てて溢れ出るのに合わせ、リンクが「ほお゛っ、♡ んぉ゛おっ♡♡」っと濁った声で喘ぐ。
吸い付くように肉棒を咥え込んでいたリンクの内壁は、後退する熱を容易に離すものかと無様な抵抗を見せた。粘着質な音を立てて引き抜かれる肉茎に追いすがるように密着したリンクの粘膜が引きずられ、鮮やかな肉色のヒダがめくれ上がって外気に晒される。精を吐いたばかりのリーバルの肉棒は未だ力強くそり返り、ビキビキと音を立てそうなほどに血管を浮き上がらせまるで萎える気配もない。哀れにめくれて震えるヒダを押し込むように再び深く陰茎を突き刺すと、リンクは鼻にかかった声を漏らしながら腰をしならせた。
「ん゛ぅ
……
ハァ♡ リー、バルぅ♡ もっとちょうだい
……
っ♡」
「チッ、うるさいなァ
……
っ!」
リンクが快楽に濁った瞳で甘くねだる。それをあたかも鬱陶し気にいなしながらも、いつも澄ました騎士の顔をこれほどまでに淫らに歪ませているという事実が暗い愉悦となってリーバルの背筋を電流のように駆け上がった。言われなくてもリーバルの方だってこの程度で終われるはずがない。リンクの中にある陰茎は馬鹿みたいにガチガチに滾ったままだ。たった一度の放精で、この脳を焼くような渇きが癒えるわけがないのだ。むしろ自分の一部をリンクの胎内に刻み込んだことで、リンクの身体を徹底的に征服したいという欲望が込み上げてくる。
リーバルは我慢できないとばかりに自ら腰を揺らし始めたリンクの肩を掴むと乱暴に身体をひっくり返した。中に埋めたままの肉棒が内壁を鋭く抉り、リンクが「ぁ゛ああっ!」と絶叫しながら四肢をビクビクと跳ねさせる。リーバルの身体の下で仰向けになり、大きく股を開いてリーバルを受け入れているリンクの姿はどうしようもなく淫らでこれ以上ないほどにリーバルの興奮を煽った。見開いた翡翠の眼の瞳孔が、獲物を目の前にした捕食者のように細まるのをリンクが恍惚とした表情で見上げてくる。もはやこの込み上げる激情と衝動が魔物の毒のせいなのかそうじゃないのかすらもリーバルには判別がつかない。熱に浮かされたまま、リンクに求められるがままに熱く泥濘む肉壺をこねくり回すように腰を打ちつける。
どちらのものとも知れない体液に塗れ色を濃くしたリンクの英傑の衣が、リーバルの突き上げに合わせて波打つ。海原を思わせるその布の下にツンと存在を主張する二つの頂を見つけ、リーバルは腰の動きを止めて乱雑に目の前の布をたくし上げた。濡れた布が擦れるわずかな刺激にもリンクが感じ入ったように背を弓形にしならせる。
「う、はぁっ♡」
「おやぁ
……
? 美味そうなものを隠し持ってるじゃないか
……
♡」
突き出すように仰け反ったリンクの胸にあるのは、リトであるリーバルには馴染みのない器官だ。リンクの平らかな胸に実るそれは小さく慎ましやかながらも、ライクライクの醸していた芳香が相まってまるで熟れた果実を思わせた。飢えたリーバルには目が眩むほど美味そうで、熱い呼吸を繰り返して乾いた喉がごくりと鳴る。リンクの汗に光りほんのりと色づき瑞々しいそれに、リーバルは本能的な飢えに押されるがままに嘴を寄せた。リンクの柔らかく湿った肌にリーバルの鋭い嘴がグッと食い込む。
「ひぁあ゛あッああ゛ッ!♡ あづいぃッ♡ んぁあ゛〜〜ッ♡♡」
途端にリンクの口から漏れる悲鳴がリーバルの愉悦を加速させた。二つの果実を交互に嘴で転がし、啄み、舐め上げる。リンクの汗も滴る唾液も何もかもが甘い。リンクの肌から滲み出る果汁を味わいながらリーバルの肉厚な舌ですり潰すように嬲ると、小さな果実は最初は怖気付くように逃げようとした。それを許さず念入りに何度も何度も繰り返すうち、次第に小さな胸の飾りは圧に負けじとばかりにピンッと勃ち上がって、より一層の刺激を求めるかのように存在を主張し始める。片方を舐っている間、もう片方を指先で弾くように可愛がってやるのも忘れない。人の指とは違う羽毛独特の感触が強く優しくリンクの感覚を翻弄した。濃く赤く色づいた二つの突起がリーバルの舌と指でおもちゃのように弾かれるたび、リーバルを咥え込んだリンクの内壁が喜びに震えてうねる。
「ほぉ゛っ♡ お゛ッ♡ お゛〜〜ッ♡♡」
「んちゅっ、ふっ、随分と気持ちよさそうだ
……
!」
「あひッ♡ い゛い゛っ♡ お゛っぱいきもちいぃ゛♡♡」
「おっぱいって言うのか、コレ。はは、ほら見ろよ、こんなに腫れあがっちゃって」
リンクの胸を散々舐め尽くしたせいでベトベトに濡れた嘴から低く獰猛な笑いが漏れた。リーバルに執拗に虐め抜かれた胸の飾りは先ほどまでの慎ましやかさが嘘のように下品に腫れ上がり、元の大きさの二倍ほどにまでなっている。リーバルの太い指でも容易に摘めるくらいに存在を増したそれに満足し、二つの頂をキュゥっと抓りながら上に持ち上げるとリンクが絶叫しながら身体を痙攣させた。互いの腹に挟まれていたリンクの陰茎からドピュッと白濁が噴出する。
「ッなに、勝手にイッてるんだ
……
! ほら、ここに欲しいんだろ!?♡」
「あへ♡ イ゛っへるから゛ぁッ♡♡ ほぉお゛ッ、しょこ♡ ぐりぐり、や゛ぁあ♡♡」
リンクの絶頂に伴う強い締め上げに気をやりそうになり、リーバルは全身の羽毛を逆立てて唸った。一人で勝手に極めたことを咎めるようにリンクの白い腹に刻まれた淫紋をぐりぐりと拳で嬲る。薄い腹にゆっくりと拳を沈めると、中に飲み込んだリーバルの陰茎の形がはっきりと浮かび上がるようだった。イキリたったリーバルのものに始終押し上げられていた前立腺がリーバルの拳の圧力でさらにひねり潰され、リンクが髪を振り乱して悶える。
「ほらほらどうなんだよ!」
「ほしいっ♡ おぐッ、奥にちょうだいっ♡♡ リーバルの
……
ッ!♡」
顔中から体液を撒き散らして表情を快楽に歪ませるリンクの腰を抱え上げ、一度引いた腰をほとんど真上から押し潰すように叩きつけた。滑った粘液に助けられ、リーバルの剛直が勢いよく一気に奥まで突き立てられる。容赦なく繰り返される掘削に、リンクは焦点を失った虚な目をしながらも媚びるように手足をリーバルの首と腰に絡ませた。一突きするごとにリーバルの剛直を包み込む肉のヒダが吸盤のようにまとわりつき、震えながら「もっと奥へ」と引き摺り込んでいくのがたまらない。
リーバルはだらしなく嘴の端から涎を垂らしながら、萎えを知らない剛直で何度も何度も最奥を叩き潰した。繋がった根元ではリーバルの羽毛とリンクの柔らかい臀部が激しくぶつかり合い、ベチッ、ヌヂャッと卑猥な水音を立てている。リーバルはまとわりつく媚肉を振り払いながら腰を大きく引き、もうこれ以上進めないと震える粘膜をこじ開けるように一際強く穿った。リンクのヘソの辺りが歪に盛り上がる。グポッ、とおよそ人体から発せられてはならないような鈍い音がリンクの胎の奥から鳴るのと、リンクの陰茎がプシャっと水音を立てて弾けたのは同時だった。
「ぉ゛
……
ッ♡、 ぉッおお゛
……
♡♡」
「ふッ、う゛ぅ
……
〜〜ッ!♡」
突き破った結腸の肉の輪が、リーバルのペニスの先端を包み込むように甘く吸いつき締め上げる。リーバルはリンクの肉体という底なし沼に飲み込まれていくような恐怖と、それを凌駕する絶頂感に支配されていた。何も考えることができず、本能に突き動かされるがままにリンクの身体の一番奥で熱を弾けさせた。腹の中で熱く渦巻いていた精の全てをリンクのより奥深くに塗り込めるように、小さく腰を揺さぶりながら最後の一滴まで注ぎ込む。
「
……
ハーッ
……
、ハァー
……
ッ
……
」
強烈な快楽に身体中の血流が逆流し、キーンと耳鳴りが聞こえるようだった。視界が白く眩み、しばし自分の粗い呼吸音しか聞こえなくなる。
呼吸が落ち着いてくるのに合わせて、視界のもやが収まってきたリーバルは自身の下に押しつぶしていた身体を見た。行為の最後の方には既に虚ろだったリンクの瞳は、今は光を失っていた。リーバルに絡みついていた手足からも力が抜け、だらりと地面に落ちる。リーバルは憑き物が落ちたかのように呆然としながら尻もちをついた。吸い込まれきれなかった様々な体液でぬかるんだ地面がべちゃりと尾羽を汚すのを気にする余裕はなかった。
目の前に転がる身体は、汗と涙と涎と鼻水と、そして互いが吐き出した大量の精液に塗れていた。下腹部に刻まれていた毒々しい淫紋はいつのまにか消え去り、リーバルの拳がつけたと思われる薄らと赤黒い痣を残すのみである。
周囲を支配していてあの甘ったるい香りも気付けば霧散していた。代わりに漂っているのは二人が撒き散らした体液の、噎せ返るような青臭い匂いだけだ。
「
……
おい、生きてるなら返事くらいしたらどうだ」
震える声で投げかけた言葉は、重苦しく湿った空気に吸い込まれて消えた。リンクからの返答はない。ただ、力なく横たわるその指先がぴくりと泥を掻いたのが微かに見えた。ヤリ殺してしまったわけではなさそうだという事実に一瞬安堵しつつも、それ以上の反応を返さないリンクにため息が漏れる。
結局、毒が抜けたとはいえ精も根も尽き果て、リーバル一人でも飛べるか怪しい有様だった。普段から手入れを欠かさず艶めいているはずの自慢の羽根は体液で濡れて毛束となり、嫌な重さで肌に張り付いている。ましてや、淫紋は消えたものの間抜けに失神した目の前の身体を抱えて帰り着く術を、今のリーバルが持ち合わせているはずもない。
リーバルは天を仰ぎ、再度力なくため息を吐いた。木々の間から覗く澄んだ青空とは対照的に、周囲に立ち込める青臭い匂いに眩暈を覚える。次からリンクとどんな顔をして会えばいいのか。否、そんな風にリーバルが思い悩むのも気に食わない。悪いのは全部この間抜けのせいなのだから──。
思考の鈍った頭では考えもまとまらず、限界を超えた疲労にズキズキと頭が痛む。リーバルは誰に聞かせるでもなく小さく呪詛の言葉を吐くとその場にパタリと倒れ込み、薄れる意識に全ての考えを放棄したのだった。
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