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ぽふむん
2026-03-15 17:53:25
2735文字
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ワンドロ
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神様の贈り物
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「お返し」「リクエスト」
氷柱if
ご都合血鬼術で魂魄だけ過去の世界にタイムスリップしたしのぶちゃんです。
過去のちまどまの幼児語は後半の種明かしの為、あえてるびをふってません。
当時のお遊戯歌がどんなものか分からなかったので、かなり時代を無視した描写があります。
しのぶちゃんの失言にムッとした氷柱様。
お返しのリクエストしちゃいます。
はぁああ
霊体の少女は大きなため息をつき、膝を抱えうずくまった。
どうしてこんなところに飛ばされたのだろう。
いや
……
理由はわかっている。
異能の鬼の術により、しのぶの肉体と魂は分離させられた。
そして、魂だけ十数年前の過去に飛ばされた。
そこまでは、その場所にあった新聞と何故か自分を気にかけてくれる三歳くらいの幼子の容貌で察した。
よく喋る聡明な子だと思う。
でも、所詮は幼子。
まだ所々言葉がおぼつかない。
しのぶの目の前にいる幼児の風貌は、日本人とは到底思えないものだった。
くりんくりんとした、癖の強い髪の毛は白橡色。
色白だが、アルビノではない証拠に瞳は血のようなルビー色ではない。
琥珀の強めな虹色に輝いていた。
その小さな身体に不釣り合いなほど重そうな、法衣と帽子を身にまとっていた。
そして、さらに重そうな宝珠を首に飾った幼子の容貌は、よく見知った青年に瓜二つだった。
思わず「お父さんはどこ?」と聞いてしまった。
そしたら、中肉中背。どこをどう見ても日本人。
親子関係があるとは到底思えない男を指さすではないか。
驚いている暇はない。
今頃、本来の時間軸で自分の肉体の方はどのように扱われているのだろうか。
魂魄は抜けている。
心臓は動いて居るのだろうか?
死んだものとして荼毘に付された。もしくは、棺桶に納められ土葬かもしれない。
帰ることができたとして、既に肉体が存在しない可能性がある。
もしくは、冥い土の中。
外つ国の吸血鬼伝説はこういうことなのかもしれない。
今頃おめおめと帰還しても、死体が動いたと扱われるだろう。
ああ。
血をもらったわけではないと言うのに、鬼の仲間入りしてしまうのか
……
鬼殺隊柱として不甲斐ない。
いっその事自害しようともしたが、この身は霊魂。
それは不可能だった。
何故自分には、姉のように鬼の首が斬れないだけでなく、除霊の力もないのだろう。
自己嫌悪で心が塞ぎ込んだ。
その時だった。
ずっと困ったように小首を傾げ、しのぶを見ていた幼児が
「ちんのぶちゃ
……
たいたいしちゃめーよ。見て見てー」
そう言うと、バンザイをした
「おーちーりーきーしたえー
あやしーはやし」
いっぽん調子の、呪文のようなものを唱えだした。
何だろう?
幼子は胸の前で両手を交差させた
「あーしょ
……
あーそ」
再びバンザイをした
「おーちり きーしたえー
……
できたー」
幼児はニコニコとしながら、両手をぱちぱちした。
でも、一体何が出来たと言うのか、この幼子が何をしだしたのか、しのぶには皆目見当がつかない。
きょとん
……
とみていたら
「あ
……
ダメか
……
んー。あ、ちょっか」
今度はまた違う呪文を唱え出した。
「あっぱあっぱ
……
ちみったーうーき、だちーて」
さらに何がしたいのかわからず、キョトン顔のしのぶに、幼子は困惑しながら手を引いた。
「んーと
……
つーびーよ。つーびー見に行こ。つみつみつーびー」
一生懸命気を引こうとしているのはわかるが、なんと言っているのか分からない。
しのぶも困惑してしまう。
「くるしみつーびー
……
嫌かなぁ
……
じゃぁ、おひなしゃまは?」
これはわかった。
おひな様を見に行こうと言っている。
おそらく、何か悲しんでいる。だから自分なりに考え、元気づけようとしているのだ。
「大丈夫よ 僕。お姉ちゃん元気だから。多分何とかなる」
こんな、言葉もおぼつかない幼児に気を使わせてしまった。
しのぶは、自分の至らなさにはにかんだように微笑んだ。
その時だった。
急に目の前が歪んだ。
─────────
気がついたら、見覚えのある大輪の蓮の花の描かれた絵天井のある座敷で横になっていた。
腹が何だかずっしりと重たい。
重いのを頑張って身を起こすと、道理で重いはず。
一人の青年が腹の上に伏せて居眠りをしていたのだ。
揺すって起こすと、見覚えのある琥珀の強めな虹のような瞳がしばらくキョトンとしのぶを見つめ
「おきたー!!やっぱりしのぶちゃん生きてたよ。良かった火葬させなくて。火葬されそうだったから保護してたんだよ」
思い切り強く抱きしめられた。
───────────────
あれからひと月も、一見死んだように見えたしのぶの体を氷柱は保護してくれていたそうだ。
死体愛好者の偏愛だと陰口も叩かれていたそうで、それに対しては本当に頭が上がらない。
もしそんな陰口に負ける男であったのならば
……
考えただけでゾッとする。
幼い時に見たしのぶのことを、何となく覚えて居てくれたからそうしてくれたのだろう。
そう言えばあの時、幼かったこの男はなんと言っていたのだろう。
これは覚えているのだろうか
……
講堂の方から数人の幼児と神山の賑やかな声が聞こえてきた。
ここでは愛護院として、貧しい家の子達にも先進的な育児法をしているそうな
「大きな栗の木の下で🎶」
楽しそうにお遊戯をしている。
ん?このお遊戯の振り付けは
……
別の歌に変わった
「ア〇パン〇ンは君さ 勇気を出して」
恥ずかしげもなく大きな振り付けで踊る神山の動きに合わせ、数人の幼児たちも踊っていた。
(ん?んんんん?)
この振り付け
……
なにか思い当たる。
もしや
「ろくさんもよくやるよ
……
おチビの時俺がああすると意味もわかってないくせに皆喜んだけどさ
……
」
氷柱の言葉で確信に変わった。
しのぶを喜ばせようとして、本当は『何をさせられているのかよくわかっていなかった』お遊戯をしてくれたのだ。
「うちはさ、季節感皆無で色んな季節物が出しっぱなしだからさ
……
どうしたら笑ってくれるか考えて『クリスマスツリー』や『おひな様』を見せてあげようとしてもダメ
……
どうしようか
……
あれ?しのぶちゃん??」
しのぶは思わず笑いすぎて崩れ落ちていた。
「くく
……
うぷぷぷ
……
あなたの隠し子だと思ってた
……
あの子
……
なんか変な呪文を
……
」
笑いすぎて、思わず失言までしてしまった。
空気が変わっていた。
「ふぅん
……
隠し子
……
ねぇ
……
じゃぁ隠し子作っちゃおうかぁ。
言っておくけど、俺しのぶちゃんとの子供しか要らないから。
変な噂放置してまでしのぶちゃんの体を無傷で保護したお返し
……
まだ貰ってないしぃ。
俺の初めてをあげる♡
わぁ
……
初めてだぁ。誰かからお返しが欲しいなんて思ったの。
覚悟してね
……
♡しのぶちゃん」
ねっとりした氷柱の声にしのぶの背筋は凍りついた。
その数ヶ月後
蟲柱は殉職ではなく、おめでた寿除隊したのは言うまでもない
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