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ortensia
2026-03-14 15:24:42
698文字
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傭リ
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驚異×鶚
甲板に出て見る、空が翳り出した。嵐になることはなさそうだが、小雨くらいは来るかもしれない。
どうだろうコイントスでもしてみるか。
「今日も海で推理ですか、探偵さん?」
それより先に鶚が来た。
私は口の前で人差し指を立てた。
鶚がおやと首を傾げる。
「海に秘密を隠しに来たの?」
「そうじゃない。私が少し
……
自分を偽っているだけだ。」
鶚は甲板に笑い声を響かせた。天候の崩れで景色が良いわけでもなし、私達の他には誰もいなかった。
「なら、おまえ自身が秘密と言うわけだ。」
鶚は揶揄うように言った。
海鳥は正直だ。波もそう。
「海は何かを隠す場所なのか?」
「ん〜ん?沈んでいったもの達を、皆さんが結果的にそう読んでいるのです。」
なるほど。
「ですからやっぱり、嘘のない海でのそれは、今はおまえだけなのかもしれません。」
海鳥が笑う。波の鳴き声に混じって音楽のようだ。
「悪いな。嘘を持ち込んで。」
「構いません。海に沈めば秘密と同じこと。」
「
……
おいおい。私を海の藻屑にする気か?」
鶚がそこで一番笑い声を海に響かせた。
「そんなことはしません。その前に、わたしが攫ってあげますからね。」
ほんとかよ。
胡乱な目で見詰める前で、鶚は機嫌良くはばたいた。
彼が去って行った甲板には、羽根が降っただけで、その日は結局雨は降らなかった。
コインを投げる。
コインを獲物に鶚が攫って行った。
「次の秘密まで、これは預かっておきます。」
猫に小判みたいなもんだろうに。
コインじゃなくてボタンを投げれば良かったか。
海鳥は飛び去った。空の翳りも、今はもう遠い。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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